今日も人間心理のお話です。
タイプ別に「あこがれポイント」と「イライラポイント」があると分かると、感情を理解しやすくなる、というお話です。
セミナーでの心理現象
少し前ですが、とあるお方のブログで、ちょっとした面白い心理現象を見つけたので、ご紹介してみましょう。
それは、その人がとある心理系のセミナーに行った時のことです。
そのセミナーで、講師から「自分を受け入れたところをイメージしましょう」と言われて、何らかのワークをしたわけです。
その後、参加者同士で「どう感じたか」と感想を言う段階になると、みんなは感激ばかり言うわけです。
「感動で涙が止まらなくなりました」、「すごくすっきりしました!」みたいに。
でも、私たちみたいに「共感性が高くて、自分軸があるタイプ」だと、なんだかそういう「感激ばかり」というのは少ししらけるじゃないですか。
「そう感激しなきゃいけないような、変な同調圧力があるなぁ」とか感じたりして。
そして個性のあるタイプからすると、そういう風潮に合わせるのは少し嫌ですよね。
それに、最近の私のブログを見ている方なら分かるでしょうが、「自分を受け入れましょう!」みたいなポジティブ言葉も「表面的だよなぁ」と感じてしまうわけで。
しらけた感情が、感激に変わる瞬間
で、その人も自分軸があるタイプだったので、きっとセミナーでもそう感じたんでしょう。
なのでそのお方は、周囲が「感動しました」とばかり言う中で、自分だけは「特に何も感じませんでした」と素直に語ったわけです(笑
おそらく、周囲の空気が少し凍ったんじゃないかと思うんですが(笑
でも実際に、そう言いたくなるのは分かるでしょ(笑
だけど、その後の講師の反応が素晴らしかったわけです。
その独自で少しすねたような返答に対して、講師は「別に何も感じなかった。それもいいですね」と柔らかく受け入れたと。
で、そのお方は「うわぁ、なんか受け入れられた!」と、逆にその講師の反応に感激してしまったと。
ここに、私たちが持つ「嫌になるポイントと、感激するポイント」があるように思います。
つまり、タイプ別に「あこがれポイント」と「イライラポイント」がある、ということです。
これが分かると、自分の感情だったり、他者の反応を理解しやすくなるように思います。
4つの性質分類(外向型と、3つの内向型タイプ)
それを説明するために、今回も4つの性質分類(外向型と、3つの内向型タイプ)を用いましょう。
↑ いつものこれです。
- 外向型: 刺激にニブいので、最も傷つきにくいタイプ。理屈を理解できず、自己中心的な主張をする。
- 高共感タイプ: 刺激にニブいので、少々のことでは傷つかない。理屈を理解できないが、他者の主張に配慮できる。
- 境地開拓タイプ: 刺激に鋭く、他者よりも自分を変えようとしやすい。理屈が理解できるので、理屈で主張をする。
- HSPタイプ: 刺激に鋭く、他者よりも自分を変えようとして、最も傷つきやすいタイプ。理屈を理解できて、他者に配慮できる。
すると、私たちは他者に対して、次のような現象が起きます。
- 「相手の強い領域だけど、私たちの弱い部分の行動」には、相手に魅力を感じる。
- 「自分の方が強い領域で、相手の方が弱いのに、相手がその下手な領域で動く行動」には、相手にイラッとする。
簡単に言うと、「自分の方が弱いことを相手がすると、相手にあこがれる」、「自分の方が強いことを相手がすると、相手にイラッとする」ということです。
あこがれと、イラッとすること
これって、実感でも分かりますよね。
例えば私たちが人間心理に強かった場合、よく知らない人が「ポジティブになりましょう!」とか言っていると、イラッとするじゃないですか(笑
冒頭のセミナーでも同じで、この場合はセミナー講師が「高共感タイプ」で、私たちが「HSPタイプ」になります。
すると、そういう高共感タイプは理屈が下手なので、そういう人たちが理屈を語っていると、もうツッコミを入れたくなるわけです。
「ポジティブになって自分を受け入れても、そんなの一時的なごまかしでしかないよね」みたいに感じて、イラッとしてしまうわけですね。
でも、高共感タイプは「少々のことでは傷つかない。そして他者の主張に配慮できて、受け入れられる」という強みがあります。
だから私たちが、例えば「それって違うよね」と言って理屈で攻撃したとしても、相手はおおらかに受け入れてくれることが多いんですよ。
特に相手が精神的に健康であるほど、「そうだね。教えてくれてありがとう」と、優しく受け入れてくれたりするものです。
高共感タイプの魅力
すると、私たちからすると、「なんで攻撃したのに、笑って受け入れてくれるんだよ!?」と泣きたくなるじゃないですか(笑
だって私たちは相手を嫌って攻撃したのに、相手は私たちを「分かるよ」と受け入れてくれたんですから。
実際に、「嫌ったら、嫌い返すのが普通でしょ。なんで嫌い返してくれないの!?」と感じると、なんだか戸惑いますよね。
そしてそんなことで嫌っていた私たちが小さく感じられて、受け入れられたことに泣きたくなるわけです。
ここに、「HSPタイプから見た高共感タイプ」の「あこがれポイント、イライラポイント」があるように思います。
高共感タイプはそういう「攻撃されても傷つきにくい。そして相手の主張に配慮できる」という強みを発揮すると、もうとんでもなく魅力的な人になると。
だから、私たちがHSPタイプの場合、「高共感タイプが理屈を語ると、イラッとする。だけど行動で受け入れられると、あこがれる」という心理反応を引き起こしてしまうように思います。
境地開拓タイプに対するあこがれ、イライラ
同じように、例えば私たちがHSPタイプだとすると、境地開拓タイプに対しても「あこがれポイント」と「イライラポイント」があると分かります。
境地開拓タイプは共感性が低いので、HSPタイプから見ると「社会に対して主張できる」という強みがあります。
すると、私たちが「社会に言いたくても、反論が怖くて言えないこと」を、境地開拓タイプはズバッと代弁してくれます。
そういう部分を見ると、「境地開拓タイプってすごい!」とあこがれるものです。
一方で、私たちHSPタイプからすると、「相手に配慮すること、共感性を発揮すること」については、私たちの方が強いと分かります。
なら、境地開拓タイプが「こういう気持ちが大切だよね。理解してあげなきゃ」とか言っていると、「ちゃんちゃらおかしいぜ!」とイラッとしてしまうと(笑
実際に、例えばもし堀江貴文氏やひろゆき氏が「思いやりを持とうよ」とか言っていたならば、「お前が言うなよ!」と盛大にツッコミを入れたくなるでしょ(笑
それは、彼らにとって「共感性」という領域は、弱い部分だからですね。
相手の方が評価を得ていると、さらにイライラは増える
で、特に「相手の方が、それで社会的に受け入れられている」となると、もうイライラはかなり強烈になります。
例えば私たちでも、「この人とか、この作品が大好き」ってこと、ありますよね。
でも、その人やその作品は、全然評価されてないわけです。
一方で、流行をただパクってきたような作品ばかりが売れていたり、個性のないようなものばかりが評価されている、という現実があるわけです。
すると、「なんであんな人や作品が評価されて、私が大好きなこの人やこの作品が評価されないんだ!」と、納得いかなくて、不満に感じたりもするものです。
これも同じで、「劣っている側が評価されている」と感じると、猛烈にイラッとしてしまうわけです。
いやまぁ、実際はそれだけ「現実では、多数派と少数派がある」ということなんですけどね。
ただ、やはり自分の感覚だと、そういう多数派と少数派は分かりにくいし、全体像は見えにくいものです。
まとめ
なのでこういう風に、タイプ別に「あこがれポイント」と「イライラポイント」があると分かると、自分の感情や、他者の反応を理解しやすくなるように思います。
私たちは、結構「あこがれとイライラ」に振り回されているものです。
その場合、「これはただ単純に、強みと弱みとの違いでしかない」と分かると、現実を理解しやすくなるかと思います。
そして多数派と少数派が理解できると、「劣っている側なのに、評価されている」というのが幻想だと分かります。
「多数派は、多数派が求めていることをしているから、それだけ評価されている」と分かりますからね。
すると自分や他者の感情を理解しやすくなって、判断しやすくなるかもしれません。
ということで今日は、タイプ別に「あこがれポイント」と「イライラポイント」があると分かると、感情を理解しやすくなる、というお話でした。
今日はここまで~。