今日もネタの消化のために、クリエイティブ事例です。
「競争や比較が苦しいなら、失敗するものを作る道もある」というお話をしてみましょう。
失敗するものを作り続る発明家
こういう記事があったので、ご紹介。
トンデモ発明品を作り続ける女性が語る「意味のないもの」を作り続ける意味とは?(Gigazine)
なぜ…? 25個の「歯」が歌うシンセサイザーが生み出される(Gizmodo)(記事の後半部分)
記事の内容は、「あえて役に立たないもの、失敗するものを作り続けている発明家」のお話です。
シモーネ・ギールツさんという人がいるんですが、この人は「クソロボットの女王」という二つ名を持つほどの、失敗発明品を作るYouTuberだそうで。
そしてこの人の、「なぜ役に立たないものを作るようになったのか」という経緯が興味深かったので、紹介してみましょう。
「バカにされたくない」という苦しみ
元々この方は、中学や高校でずっとオールAの好成績ばかりとっていた、優秀だった人なんですよ。
でも、同時に「バカにされたくない」と、強いプレッシャーを感じていたと。
そんなとき、数学のテストでBに成績を落としてしまいます。
Bでも別に悪くないんですが、「いい成績でなきゃいけない」と思い込んでいた彼女にとっては、その挫折が大きな転換点だったと。
そして、当時彼女はロボット作りに興味を持っていたんですが、高度な分野って、比較と競争の世界じゃないですか。
だからそういう「比較」って、彼女にとっては大きなプレッシャーになるので、苦しくなってしまいます。
「失敗する発明品を作る」発想
そこで彼女は、「失敗する発明品を作ろう」としたわけです。
失敗作を作るなら、成功しなくていいですからね。
すると、「失敗しちゃいけない」、「比較される」というプレッシャーから解放されて、競争的な先端技術を学ばなくてもいいし、楽しく工作ができると。
そういうところから、「トンデモ発明品を作る」というスタイルに行き着いた、ということです。
で、笑えたり、面白い発明品を作って、YouTubeで公開して、収益を得るようになりました。
工夫で「競争や比較」から逃れる
こういうのも、大きな工夫のように思います。
彼女はきっと、競争とか比較が苦手なタイプだと思うんですよ。
競争って、興味がないこともやらなきゃいけないし、比較をされるとプレッシャーになって、追い立てられてしまいます。
こういう、「競争は疲れるし、比較は落ち込む」ってタイプ、いますよね。
ならばそういう場合、「誰もやってないもの」であれば、比較にも競争にもなりません。
私はよく、そういうのを「境地開拓的なもの」として表現していますが、まさにそれです。
境地開拓とは、「誰もやっていないこと」
でも、時に「境地開拓」=「先端的なことをしなきゃいけない」と勘違いして思い込んでしまうと、興味のない行動を迫られることもあるわけです。
例えば上記の人だって、先端的なロボットを作ろうとするなら、「興味のない力学や物理学、光学とかを何年も学ばないとできない」みたいなことがあって。
だけど、そういう「面倒な学習」は嫌なわけです。
ならそこで、「失敗作は、誰も作っていないし、公開していない」と見つけることで、「失敗作を作ろう。その失敗を楽しんでもらおう」という工夫をしたと。
すると、「日常的な工作レベルでいい。むしろそれぐらいの方が喜んでもらえる」、「予想外の結果とか、大きな失敗ほど、楽しめる」とできて、弱みをすべて強みにできます。
これって、大きな工夫のように思います。
まとめ
なので、「境地開拓」というのは、何も先端的なことをしなきゃいけないということではないんですよね。
それは、「誰もやってないこと」レベルでもいいように思います。
で、多くの人は「失敗作」なんて、手を出していないものです。
そういう「失敗作」という「価値のないもの」に価値を見いだせる、そういう感性があっても面白いように思います。
すると、「失敗しても、価値ができる」と分かって、新たな発想ができるかもしれません。
ということで今日は、「競争や比較が苦しいなら、失敗するものを作る道もある」というお話でした。
今日はここまで~。