今日は人間の性質についてのお話です。
否定的なレビューやコメントを見てしまったとき、どう対処すればいいのか、というお話をしてみましょう。
否定的なコメントに傷ついた場合、どうすればいいのか
先日、こういう質問があったのでご紹介。
9/30の記事内にあった、「否定的なことばかり言う人」について、(中略)質問させてください!
例えばニコニコ漫画のコメントや、Amazonレビューなどは、(中略)いくらでも毒を吐けてしまいますよね。
そういった毒を受け取ってしまった側は、どうやって対処するのが良いと思いますか…?
調べていろいろ見ていると、スルーするとか、反面教師にするなど、対処方法は様々あるようなのですが、どうしても思うようには行かないのですよね…。
質問の内容はというと、「否定的なレビューやコメントを見てしまったとき、どうすればいいのか」ということです。
作っている側なら切実に感じること
これ、作っている側なら切実に感じることですよね(笑
もちろん、ファン側も嫌な感じがするものです。
実際に、動画でも漫画でもAmazon商品みたいなオンラインだけでなく、現実でも「毒を吐きまくる人」はいるものです。
特に、自分の作品がこき下ろされると、そりゃもう落ち込むわけで(笑
そしてこれは、自分が毒に強いタイプか、弱いタイプかを知ると、対処するための戦略が見えてくるように思います。
すると、うまく「相手が吐く毒」に対して自分なりの対策スタイルを作れて、楽しさを保てるかもしれません。
4つの性質分類で、毒との相性がある
これは「自分の性質」と「どれだけ余裕があるか」という2つの要素で決まるんですが、今回は性質について主に説明してみましょう。
私が提案している人間の性質として、4つの性質分類(外向型と3つの内向型タイプ)があります。
↑ ちょっと久しぶりにも感じる、いつものこれです。
で、それぞれの性質は、次のような内容になります。
- 外向型: 共感性が低いので、相手の喜びも毒も感じにくい。理屈も理解できないので、最も自分本位で理不尽なクレームを言う側になりやすい。
- 境地開拓タイプ: 共感性が低いので、相手の喜びも毒も感じにくい。しかし理屈は理解できるので、筋の通ったクレームができるし、筋が通った理由があれば納得する。
- 高共感タイプ: 共感性が高いので、相手の喜びが自分の喜びになり、相手の毒も自分の毒になる。ただし刺激にニブいので、相手の苦しみを根気よく聴いて、共感できるタイプ。
- HSPタイプ: 共感性が高いので、相手の喜びが自分の喜びになり、相手の毒も自分の毒になる。ただし「刺激に鋭い」、「自分を変える性質」、「様々な原因を推測できる」という性質から、毒が何倍増にも増幅されてしまう。最も毒に弱いタイプ。
もはやこの説明だけで大いに分かるとは思いますが(笑
とはいえ、以下で詳しく説明してみましょう。
「相手の吐く気持ち」は、共感性によって受け取る
「相手の吐く気持ち」は、共感性によって受け取れます。
だから共感性が高い人ほど、相手の気持ちを自分の気持ちとして理解できます。
一方で共感性が低い人ほど、相手の気持ちを理解できないので、主張でコミュニケーションをします。
なので、共感性の低い外向型と境地開拓タイプは、相手の喜びも、毒も感じにくいタイプです。
だから彼らは、簡単にひどいことを言えるし、クレームもどんどん言います。
特に外向型は、中傷もよく行います。
外向型は、理不尽に要求するタイプ
その上で、外向型は理屈を理解できません。
なので完全に自分本位でクレームを飛ばすし、自分が納得できなければ、どんなに筋を曲げてでも自分を正義だとしようとします。
これはまぁ、実感で分かるでしょ(笑
例えば外向型のおばちゃん同士の井戸端会議なんて、もう愚痴も中傷もするし、毒を吐きまくりじゃないですか(笑
だけどあのおばちゃんたちが毒を気にしないのは、みんな共感性が低いので、毒に強いからですね。
だからみんなで集まって、「こんなひどいことがあった。あの人はひどい人だ」とののしりあって、ストレスを発散しているわけです。
なので外向型になるほど、筋など関係なく自分本位でクレームや批判、要求をするタイプです。
境地開拓タイプは、筋を重視するタイプ
一方で境地開拓タイプは、毒には強いんですが、理屈を理解できます。
なので、例えばクレームでも「こういう理由で、おかしい」と筋の通ったことを言えます。
だから聴く側も理不尽なクレームはなく、受け入れると改善することがよくあるものです。
なので境地開拓タイプ同士の会話は、ののしり合いではなく、「理由と根拠の議論」になりやすいものです。
筋が通っているかどうかを重視する、ということですね。
高共感な側は、喜びも毒も受け取る
なら、次は高共感な側を見てみましょう。
高共感な側には、「高共感タイプ」と「HSPタイプ」の2つがあります。
そしてこの両者は、相手の喜びを自分の喜びとできますが、同時に相手の毒も自分の毒になってしまいます。
これは共感性によって生まれるので、精神面の工夫だけでは「喜びだけを受け取って、毒だけを感じなくする」というのはできません。
例えば「毒となるコメント」でも、物質的に選別できれば、喜びだけを受け取ることはできるでしょう。
ですが、「毒を受け取った後で、自分の内面で喜びだけ共感して、毒だけを共感しない」というのはできない、ということですね。
高共感タイプは、根気強く愚痴に付き合える
その上で、高共感タイプは刺激にニブい性質を持ち、なおかつあまり自分を変えようとはしません。
だから相手の苦しみや愚痴でも、かなり根気強く聞いてあげられます。
なので、カウンセラーとかアドバイザーには、この高共感タイプが多いわけですね。
ちなみに高共感タイプ同士の会話は、「感謝」とか「嬉しい」という内容がメインになりやすいでしょう。
なので高共感タイプが集まると、キラキラ系な「みんなで輝こう!」みたいな奇妙なポジティブが生まれやすいんですが(笑
裏を返すと、あまり愚痴を言えないタイプでもあります。
HSPタイプは、最も毒に弱いタイプ
そして最後にHSPタイプですが、これは「最も毒に弱いタイプ」だと言えます。
というのも、共感性によって相手の喜びも毒も受け取れるんですが、毒を何倍にも倍増させてしまうからですね。
HSPタイプは「刺激に鋭い」、「自分を変える性質」、「様々な原因を推測できる」という性質があります。
すると、喜びはそのまま(1倍で増減なし)で受け取るんですが、毒となるコメントにはいろんなことを考えてしまうし、自分を変えようとしてしまうんですよ。
「自分のこれが原因だったんだろうか」とか、「これが問題だったんだろうか」、「今後はどうすればいいんだろうか」みたいに。
すると、もうとんでもない処理量を抱えてしまって、疲れてしまうと。
だから「喜びは得られるのは嬉しいけど、毒によるダメージがそれ以上に脅威になるから、レビューやコメントでは苦しみやすい」と言えます。
「疑り深いけど、本質や真実を見抜ける」タイプ
このHSPタイプは、ある意味一番「疑り深いけど、本質や真実を見抜きやすい」タイプだと言えます。
例えばHSPタイプが集まって会話すると、「感謝や嬉しいこと」に対する感度は高いんですが、同時に「本当にそうなのか」という風に、理屈での筋を考えます。
すると、筋が通らない場合は「その喜びは偽りのものだ」と見抜けることが多いものです。
また、もし相手が苦しんでいても、自分の筋に照らし合わせると「それはいいことだ」と判断できることがあります。
その場合、「こういう理由で、それはいいことだよ」と筋を通して教えることで、相手に新たな解釈や「目からウロコ体験」を与えられます。
そうすることで、高共感タイプにはできないような、「本質でよくなる喜び」を提供できます。
まぁ簡単に言うと、「ネガティブで疑り深いけど、その分見抜く目を持っている」ということですね。
性質の違いで、対応が変わる
この性質の違いが理解できると、「スルーする」とか「気にしないようにする」、「反面教師にする」というのは、だいぶ見当違いな助言だと分かります。
そもそも「スルーする」とか「気にしない」というのは、言い換えると「我慢する」ってことです。
そしてそれは、低共感だからできることです。
実際に、そういう「スルーすればいい」と言っているのは、堀江貴文氏とか、ひろゆき氏みたいに低共感な人ばかりでしょ。
高共感な人は、その「スルーする」ができないんですが、彼らはそれを理解できないわけです。
そして「反面教師にする」というのも、論理的なごまかしでしかありません。
そもそも「毒を受けた苦しみ」と「反面教師にする学び(メリット)」は、まったく別物です。
それは、「左腕を怪我したけど、今日の夕飯は好物のハンバーグだから、痛みを気にしないようにしましょう」と言っているのと同じです。
今日の夕飯が何であろうが、痛いものは痛いんですよ!(笑
性質によって戦略を選べばいい
そしてこの違いが分かると、「性質によって戦略を選べばいい」と分かります。
実のところ、今回の質問者さんのように「毒となるコメントで傷つく。毒だけをどうにかしたい」と感じるのは、たいていがHSPタイプです。
というのも、低共感な人ほど傷つかないし、高共感タイプはさして自分を変えようとしないので、内心では「私のせいじゃないもん」とできますからね。
ですが、HSPタイプはそれができずに、「自分のどこがおかしかったのか」と考え込んでしまうと。
だからHSPタイプが、最も「毒となるコメント」に苦しみやすいわけです。
そしてその場合、「スルーする。気にしない。反面教師にする」みたいな内容は、戦略として合わないと分かります。
毒と付き合う2つのアプローチ
ならどうすればいいのかというと、私の中では、次の2つのアプローチがあるように思います。
- 工夫で毒を物理的に選別して排除する
- 「喜びと毒」双方から離れて、自分軸で動ける喜びに集中する
1つめは、もう単純な話、毒を物理的に排除することですね。
コメントや会話でも、そういう内容に入らないように、コメントやユーザーを選ぶことです。
例えばSNSのように、そういう特定の相手をブロックする機能があれば便利にできるかと思います。
そしてそういう場をメインとして、ファンとやりとりするのもいいかなと。
ただし、そういうブロックする機能や権限がないと、しんどいように思います。
「自分軸で動く喜び」に集中するアプローチ
その場合、2つめの「喜びと毒」の双方から離れて、自分軸で動ける喜びに集中するのも一つの手かと思います。
自分軸を持つ人のメリットとして、「自分軸で、好きなことをして動く喜びが強い」という性質があります。
好きなことをしていると、それだけで熱中できて、楽しいですよね。
すると、特に喜びの感想が少なくても、そちらの「好きなことをする」という方面で深い喜びを得られます。
特に新境地を開拓することなんて、少数の熱狂的な反響だけでも充実して、好きなことに熱中できるように思います。
というのも、そういう新境地開拓はある意味、「未来に大きなインパクトを作る、イメージ的な喜び」で楽しめるからですね。
「これをうまく実現できれば、未来に世の中を大きく変えうる」とイメージできて、ごく少数の熱狂的なファンがいれば、それを元に「大勢から喜ばれている未来」を実感できます。
そしてそのイメージに共感できるので、「喜びだけ」をうまく味わえるわけです。
だから、「新境地開拓」と「ごく少数の熱狂的なファン」のセットは、HSPタイプにとっては大きな喜びの源泉になりえます。
こういうスタイルも、一つの「性質を利用した、うまく喜びを味わう方法」かなと思います。
人によっては、「熱狂的なファンばかりに囲まれると、天狗になるんじゃないの?」と思うかもしれません。
ですが、境地開拓が好きな人は、作る意味を持つ限り、天狗になることはありません。
外向型はその辺がないのですぐに天狗になるんですが、HSPタイプや境地開拓タイプは、新天地で何かを作ろうとする場合、常に前線に立って自分から行動するタイプです。
だからその辺は大丈夫なように思います。
自分に余裕を作ることでも、毒を無効化できる
ちなみに、自分に余裕を作ることでも、毒を気にしなくすることはできます。
実際に余裕があれば、少々の「悪いこと」は気にならなくなりますからね。
ただ、HSPタイプは余裕を失いやすいし、同時に「常に全力で生きたい」というタイプなんですよ(笑
新境地開拓をするタイプは、自分をどんどん使って、意味あることに充実感を味わえるタイプですからね。
すると、意味あることのためならいいんですが、「毒となるコメントを排除するための余裕」は、後回しにしがちですし、モチベーションも出ないもので。
また、最近は抑圧についてよく語っていますが、たとえ抑圧を解放したとしても、それは自己否定をなくすだけでしかありません。
すると、「どのコメントやレビューも、自己否定をせずに落ち着いて見られるようになった」程度の違いでしかないんですよね。
結局、批判的な内容には、今まで通り「何が問題だったんだろう?」とかいろいろと考え込んでしまうものです。
なので「余裕を作って気にならなくする」というのは、力を割いてもあまり充実度は変わらないように思います。
まとめ
こういう性質の違いが分かると、うまく自分に合う「毒となるコメント」に対する戦略が取れるように思います。
共感性が高い側は、「気にしない」は難しいように感じます。
そしてHSPタイプの場合、「(コミュニケーションの媒体を含めて)うまく選別する」か、「少数の熱狂的なファンと、新境地開拓の喜びを重視する」をうまく組み合わせるのがいいかなと。
ちなみに私の場合、自分の作品では、レビューやコメントからは距離を取るようにしています。
エゴサーチ(自分のことをネットで調べること)は、私は独立後、一切していません。
Amazonでも、レビューを見るのは2~3年に1度ぐらいです。
ちなみに私がAmazonのレビューを見たくなるのは、自分軸を見失ったときなんですよ(笑
ある意味「自分軸を見失ったとき、社会的評価を求めてしまう」という現象のように思います。
で、自分を失った状態でふらふらとレビューを見に行ってしまうから、ダメージを受けやすくて、そして批判的な内容に痛い目を見てしまうと(笑
私の中では、「レビューを見る頻度は減らして、ファンが集まりやすいSNSでのみやりとりする」というのも、結構効果あるように思います。
HSPタイプは天狗にはなりにくいタイプなので、まじめに「痛くても、レビューで学ばなければならない」と自分を追い込む必要はないかなと。
そういう「謙虚に批判に耳を傾けること」は、相手の気持ちを理解できない外向型や境地開拓タイプ、問題を推測できない高共感タイプには有効ですけどね。
ですが、気を配れて、様々な推測もできるHSPタイプには、「毒を受けて苦しんでまで、学んで向上しなければならない」という必要ないように思います。
この辺が分かると、うまく「毒となるコメント」への戦略を選べて、自分なりのスタイルを作れるかもしれません。
ということで今日は、否定的なレビューやコメントを見てしまったとき、どう対処すればいいのか、というお話でした。
今日はここまで~。