「すご!小説家」のサイトに、「プロット実例&改善案」を公開しました。

大人気の漫画やアニメ、ライトノベルで、その中で問題を含んでいるプロットについて、そのプロット実例と解説をしています。

ここ最近はずっと既存教材のHTML化とかだったので、久しぶりのプロットを含む新しいコンテンツを公開できたという感じですね。

ちょびっとここで、裏話とか解説をしておきましょう。

 

専門用語を使ってますが、適宜とばして読めば大丈夫

あ~、私はできるだけ誰にでも分かるように、専門用語とかは使わないようにしてますが、今回ばっかりは専門用語を解説なしでじゃんじゃん使ってます。

というのも、専門用語なしでは説明できるような分量ではなかったんですよね。
まぁ、適当に読み飛ばして、プロット部分のみを読めば誰にでも楽しめるようにはしているので、本編を知らなくても読めるかなと思います。

 

漫画「バガボンド」の解説

以前、アンケートを採った時に「プロット実例が欲しい」というのが群を抜いてあったので、ここでも簡単ではありますが、プロットの作り方の流れを示しています。

テーマを作って、対立関係を作って、三幕構成に割り当てて、メタファーを割り当てて、そしてトリガーや心の成長を組み込んで仕上がり……という流れです。

構造そのものはシンプルですけど、しっかりと感動を組み込めてるのが分かるかと思います。

これは小説一冊分ぐらいの分量になるでしょうが、それでもこれぐらいシンプルな骨格で実現可能なわけです。
プロット理論がありさえすれば、「テーマ、対立関係、スペシャルワールド、メタファー、トリガー、心の成長」……たったこれぐらいの情報で、本一冊分ぐらいの内容を作り出すことができるわけですね。

昔は、料理人にしろ菓子職人にしろ、職人が感性で作るものでした。
でも、今では学問を学べば、家にある程度のオーブンレンジでも、ちゃんとした料理やお菓子でも作れるという時代ですよね。
言い換えると、昔は「一部の才能ある人」しか作れなかったものが、今では学術的に学ぶことで、誰でもできるようになったと。

同じように、プロット理論が確立した今では、誰でも学べば比較的短期間で、しっかりとした物語を作れるようになったんですよね。
もちろん、料理と同じように、ある程度の感性的な領域はまだ多く残ってはいますが、これも時間の問題かなと思います。
執筆レベルでは感性的な領域は大きいでしょうけど、プロットレベルでは、ほぼ理論のみで構築できるでしょう。

そういう意味も込めて、シンプルだけど、ちゃんとした構造を持っているプロットになっていると思いますので、いい参考になるかと思います。

 

アニメ「とらドラ!」の解説

これも、恋愛ものでのプロットの参考になるかなと思います。

普通の恋愛ものは、三角関係なんですよ。
でもこれは四角関係という、ちょっと特殊な形になっているので、少しだけややこしいかもしれません。

ちなみにこの物語では、物語が進むにつれて、ヒーローとシャドウがそれぞれ持っている思想が反転してゆくんですよ。
ヒーローは次第にシャドウの思想を持つようになる、これはどの物語でもあるものです。
でも、シャドウもヒーローの思想に影響されてしまうという、これは実は相当珍しいテクニックなんですよね。

このテクニックは恋愛もので使えば面白そうで、バリエーションも出せそうな予感がします。

 

ライトノベル「涼宮ハルヒの憂鬱」の解説

これも、実際のメインプロット例として、参考になるかなと思います。

これはまぁ、ただ単純に「こんな風につじつま合わせをすれば解決する」という程度のものなので、説明は省略(笑

 

物語はシンプルな方が、面白くなる

今回は3つほど紹介しましたけど、どれも対立関係とか、すっごいシンプルでしょ。
物語の中核となる面白さっていうのは、これぐらいシンプルに表現できるものなんですよね。
全然ややこしくないわけです。

むしろ、ややこしく考えれば考えるほど、物語は面白くなくなってゆくわけです。

 

なぜ古い作品の解説かって?

ちなみに微妙に古い作品が並んでいるのは、私が最近の物語やアニメを見ていないからです(笑
最後に見たアニメは、「けいおん!(第一期)」ぐらいですから(笑

ところで、プロットに大きな問題を抱えた最近の物語って、他にありますかね?
他でぱっと思いつくところでは、ジャンプで掲載している「BLEACH」ぐらいかなと思うんですが、他に何かシナリオに問題がある作品があったら教えてください(笑

 

これからの方向性

さてさて、ということで、長らくお待たせしました。

これから、がっつりと本格的な教材作りに入ってゆきます。

まずは要望が高かったプロット実例集を作ろうかと思ってたんですが、ちょっと先に、すぐに作れそうな「恋愛物語の作り方」辺りでも作るかもしれません。

ま、多少順番が前後するかもしれませんが、ばっちりと作ってゆくつもりですので、お楽しみに。

 

ということで、プロット実例&改善案の方をお楽しみくださいませ。

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