昨日の記事に引き続き、クリエイティブなお話をしましょうか。

昨日は、「頑張るのではなくて、創意工夫するという道もありますよ」ということをお話してみました。

で、今日は、「なら『自分の道を切り開く』って、どういうことをすればいいの?」という、一つの考え方を紹介してみようかと思います。

 

こうやって「自分の道」を切り開いた、ある青年の実例

アフリカ本土のマラウイという国(南アフリカのもうちょい上辺りにある国)に、ウィリアム・カムクワンバという青年がいたんですよ。

彼は中学校に進学するんですが、2002年に、大干ばつが起こるんですよ。
マラウイでは、それで多くの餓死者が出たというほどに、

その影響もあって、彼は80ドルという年間の授業料が払えなくて、退学になります。
目の前にあるのは、水もなく荒れた耕地と、吹きすさぶ強い風だけで。

そんな時に、彼は図書館で、風力発電の本を見つけるんですよ。
それで、風力の発電と、その力を使ってポンプで水をくみ上げる、という方法論を手に入れます。

そこで彼は、家の畑作りを手伝いながら、独学で風力発電を作り始めます
切り出してきた木を使ったり、ゴミ捨て場からバッテリー、プロペラ、タービンなどを見つけて組み立てていきます。

周囲の人は「あいつは気が狂った」と言って、家族ですら「頭がおかしくなった」みたいなことを言うわけです。

ですが、その3ヶ月後、風車を完成させます
動かすと、見事に電球に光がともるじゃないですか!

その「まさか」に村人たちは驚いて、そして熱狂します。
そうして、彼は次々と風力発電を作り、世界的に有名になってゆきます。

 

「自分の道を切り開く」に重要な二つの要素

これがまさに、「自分の道を切り開く」というモデルケースだと思うんですよ。

で、「他人の敷いたレールを歩く」のと「自分の道を切り開く」では何が違うのかというと、次の二つかなと思います。

それは、

  • 誰もやっていないことをする。
  • (自分にとって)希望が出ることをする。

かなと思います。

 

パイオニアになれば、「自分の道」を歩いていることになる

まずは、「誰もやっていないことをする」ことですね。
すなわち、パイオニアになる、ということです。

多くの人が、「あんな人になりたい」っていうあこがれみたいなものがあると思うんですよ。
「あの人にあこがれて、この道に入りました」、「あの人のあの作品が好きなので、この道に入りました」みたいな。

でも、それは二番煎じでしかないんですよね。
二番煎じというのは、すなわち「既にレールが敷いてある」ということですから。

言い換えると、「こうやって成功する」という成功までの道筋が分かっている場合、それはほぼ間違いなく「他人が敷いたレール」なわけです。
そこは、昨日も言ったように、「頑張る」の世界になってしまうわけですね。

 

「どうして世の中には、これがないんだ!」が、パイオニアになる道しるべ

大切なのは、「あんな人になりたい」というのを持ってもいいので、その上で「どうしてこれが世の中にないんだ!」っていうのを作ることです。

「なぜ世の中にないんだ!」っていうものは、誰もやってないことですからね。
それをすることが、パイオニアになるということです。

先にも説明した、アフリカの青年は、「どうして村に電気がないんだ! どうして村に、ポンプがないんだ!」と思ったわけです。
そこで初めて、「図書館がある。風力発電の知識を書いた本がある。遠いけど、川がある。風がいつも強い。ゴミ捨て場には、多くのゴミがある」と気づいていったわけです。

例えば私の場合も、「なんで世の中には、写真を絵のようにできるソフトや方法がないんだ!」、「なんで世の中には、物語を簡単に作れる理論がないんだ!」などと思ったわけです。
そこで、それらを作り始めたわけですね。

すると、勝手にその分野ではパイオニアになってしまったわけです。

 

パイオニアには、競争がない

これは大切なことですが、パイオニアというのは、競争がありません

そりゃそうですよね、世の中に一人しかやってないんですから(笑
だから、実現したら、即、世界一、なんですよ。

なので、人々はパイオニアから買うしかないわけです。
頭を下げて買ってもらう必要もありませんし、嫌な人には「うちから買わなくて結構ですよ」と言えるわけです。

他にも、パイオニアだと、ニュースにもなりやすいですし、口コミでも広がりやすいですよね。
新しいことですからね。
二番煎じ、三番煎じとはわけが違うんですよ。

すると、「頑張る」よりも単純に、勝手に上昇気流が起きてしまうわけです。
本当にいいものであれば、どんどん口コミで広がっていきますしね。

 

「自分にとって希望が出る」ことをすると、エネルギーが出る

もう一つの「自分の道を切り開く」ことで大切なこととして、「(自分にとって)希望が出ることをする」ですね。

これは、最初は「自分のため」なんですよ。
最初に「他人のため」を持ってこないところが重要なところです。

というのも、先のアフリカの青年だって、電気や水を、自分が欲しているんですよね。
それで畑を潤わせたいからで。

でも、最初に「他人のため」とすると、どうしてもエネルギーが出なくなるんですよ。

これは「こんなビジネスをしたいんです」と言いながら、いつまで経っても始めようとしないタイプの人に多いんですが、そう言う人はほぼ間違いなく「自分のため」より前に「他人のため」をしようとしているわけです。
「人類に貢献したい」とか、「世界に貢献したい」みたいな。

それはそれで立派な志でいいんですが、自分自身の快楽と結びつけないと、うまくいかないんですよね。
特に最初のスタートアップの頃は、アフリカの青年みたく「あいつは気が狂った」みたいに言われるものです。

もし、「他人のため」というモチベーションでやっていたら、「気が狂った」と言われた時点でアウトなんですよ。
これは分かりますよね。
他者に評価されるためにやっているのに、他者から否定されたら、続かないでしょ。

だから、「世のため人のため」だけの人は、続かないわけです。

自分のためにやることで、「気が狂った」、「頭がおかしくなった」という「非常識なこと」が実現できるわけです。

 

パイオニアになるということは、非常識なことをすること

パイオニアというのは、誰もやっていないことをやることですからね。
「誰もやっていないこと」イコール「非常識」ですから。

常識的な考え方をしていたら、パイオニアにはなれないわけです。
同時に、周囲の価値観に合わせて考えていても、パイオニアにはなれないと。

すなわち、「自分の道を切り開くこと」というのは、「非常識に挑戦する」とも言えるでしょう。

うちの作品で言うと、「写真を10分とか20分程度で絵のようにする」とか、アホでしょ(笑
だいたい、常識的に考えたら、専門の絵描きでさえ、1枚に10時間とかかけるんですよ。
それをたった素人が10~20分とかで実現できるようにするとか、もう非常識にもほどがありますし、そんな夢物語を実現しようとする人なんて、頭が狂っているとしか思えませんよね。

同じように、「物語」みたいな抽象的なものに、理論を持ち込むとか、アホがやることでしょ。
常識的に考えたら、そんな「手作り」でしかできないものを、理論化しようなんて気狂いの沙汰ですよね。

50年前では、「卵ボーロ」というお菓子を機械で作るなんて、そんなことを言い出したら「頭がおかしい」とか言われたわけです。
そして「そんなことをしたら殺す」とまで言い出す人が出てくるほど、「機械でお菓子を作ること」、「赤ん坊の口に入れるものを機械で作ること」は非常識だったわけです。

他にも、例えば楽器を演奏せずに、機械で何百通りの音を作って出すとか、100年前の人にとっては、常識的に考えても狂気の沙汰でしかないわけです。
100年前の人にとっては、画面に映像を映して見るなんて、ありえないですよね。
ましてや、VFXみたいに、現実と同じようなCGを3DCGで作るとか、そんな夢を平然と語っている人なんて、30年前の人にとってみても、気狂いでしかないわけです。

スティーブ・ジョブスが「iPhone」というネーミングで、「タッチ操作できる画面で、音楽機器でもあり、かつ携帯電話で、ネット通信もできる機器」を公開した時、その直前まではそれは「非常識」だったんですよね。

 

社会を基準にしていたら、パイオニアにはなれない

すなわち、パイオニアになるということは、社会を基準にスタートをしたら、まずできないわけです。

「これが欲しい、なんでこれが世の中にないんだ!」っていうような、自分の妄想だとか、非現実で非常識なものから、初めて生まれるわけで。

それをするのが、「自分の道を切り開く」ということです。

一方で、「他人が敷いたレールを歩く」というのは、社会を基準に考えます。
「こうなれたら、これだけの名声が得られる」、「これだけのお金がもらえる」、「これだけの地位が得られる」、「ここで連載できる」、「ここで放送・放映される」、「この人に見てもらえる」、「こういう人に会える」……

そういう「他者の成功モデルが先にあって、それを自分に当てはめる」のが、「他人が敷いたレールを歩く」ということです。
この場合は、「頑張る」の世界になりますよ、と。

一方で「自分の道を切り開く」というのは、自分の欲求の先に、他者や社会への可能性が見える、ということです。

 

まとめ:自分の道を歩き始めると、短期間で成功し始める

なので、「自分の道を切り開く」でやってみたい場合は、「誰もやっていないことをする」、「(自分にとって)希望が出ることをする」という二つを意識して、それを自分の作品や活動に組み込んでみるといいでしょう。

「なんでこれが世の中にないんだ!」ということをする、ってことですね。

それは、大きなものでなくても、「こういう小説が欲しいのに、ないよな」とか、「こういう知識が欲しいのに、ないよな」というレベルでもいいんですよ。

すると、新しい智恵がどんどん出てきて、大好きなことをしながら、短期間で一流になれるものです。

アフリカの青年だって、最初の風力発電を完成させるまでは、たった3ヶ月ですからね。
一度周囲に希望を見せた後は、周囲が放っておかないわけです。

 

ということで、今日は「自分の道を切り開く考え方」について説明してみました。

今日はここまで~。

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