今日は、魅力についてお話してみましょうか。

大好きなことでお金を~」でも説明しましたが、私たちは、価値を与えてお金をもらうわけです。

で、提供しているものの価値の魅力が高まったら、よりお金も入ってきますよね。

価値あるものを提供していたら、有名になるのは時間の問題なんですよ。

少なくとも、目の前の人には喜んでもらえるから、有名になる前から充実して生きられるようになるわけです。

今日は、そんな魅力を作る方法を、一つご紹介してみましょう。

 

小学六年生の子の発表

二週間ぐらい前だったか、暖かい日に、いつものごとく近所の観光地で本を読んだりブログを書こうとして、その場所を歩いていたんですよ。

すると、小学六年生の子どもたちが学校の授業の一環でそこに来ていて、その観光地にある名所を調べた結果を、その名所の前で発表していたんですよ。

午前中だったんですが、残念ながら平日の午前中は全然観光客はいないので、ギャラリーはほとんどおらずに。

で、私が通りがかったものなので、先生から「ちょっと見ていきません?」と言われて、私も「じゃあ見ていきましょうか」という流れになったわけです。

 

大きな紙に、絵と文章でまとめた内容を、発表していくんですよ。

グループの全員が分担をして、紙を持ったり、矢印の差し棒で指すとかしつつ、必ず全員は何かをしゃべる、という形ですね。

「よく調べたな~」とか思いつつ、まあ小学生の発表なので、そういうものですが。

男子グループと、女子グループの一組ずつを見たんですが、小六にもなると、やっぱり圧倒的に女子グループの方が大人で、素晴らしいですね(笑

女子グループの発表では、風が少し強かったので、紙が破れたんですよ。

でも、それでもささっとフォローして、立て直して、滞りなく進めるわけで。

一方の男どもは、やっぱりそれと比べると、ちょっとトロく感じるわけで(笑

 

やっぱり発表では、女子の内容の方が綺麗にまとまっていて、美しかったんですよ。

でも、私が一番感動したのは、男の子の、ある子の発表だったんですよ。

その子は、もう明らかに、「こいつ、トロい!」って分かる子だったんですよ(笑

公立ならどのクラスにもいるものですが、ちょっと発達が数年遅れてる感じの子がいるものですよね。

そういう子は高校ぐらいになると取り戻すんですが、そのトロい子の発表が一番感動したと。

 

それはなぜか。

それは、その子がすっごい真剣な表情だったんですよね。

その子は、一番簡単なまとめを語る役割でした。

ですが、もうありありと、「こいつ、トロいくせに、しっかりと暗記したんだろうな」って分かるものだったんですよね。

途中で言葉がつかえると、隣の子から冒頭の言葉をささやかれるわけです。

それで思い出しつつ、何とか思い出して、全てを語り終えたと。

その瞬間に、「よくやった!」となんかすごい感動が生まれましたから。

クオリティでは最低最悪だった子の発表が、一番よかったと感じたわけです。

 

「真剣さ」が魅力になる

これはなぜかというと、「真剣さ」っていうのも、一つの魅力になるんですよ。

そこでは、クオリティそのものは重要視されません

ほら、高校野球でも、プロ野球とは違う感動がありますよね。

選手も全然知らないし、プロと比べてもプレイの質は断然劣るわけです。

それなのに高校野球がプロよりも感動することが多いのは、彼らが「この試合に負けたら、次はない」からなんですよね。

つまり、全てが全身全霊で打ち込んでいるから、勝っても負けても「よくやった」と褒め称えたくなるわけです。

 

たとえ結果が望むものではなかったとしても、「よく頑張った」と受け入れられるわけです。

それは、相手に結果を求めているのではなくて、相手の存在を受け入れている、ということですよね。

言い換えると、相手の姿勢を愛しているんだと。

 

それと同じで、人は、全身全霊で打ち込んでいるのが分かると、それだけで魅力的になるんですよ。

例えば、「俺、フィギュアが好きだから、全財産フィギュアにつぎ込んだぜ」みたいな人がいたら、もうアホでしょ(笑

アホなのに、愛されますよね。

それは、その人がそれだけ真剣に愛しているからですよね。

 

すると、「フィギュアのこと、教えるよ」とかその人が言うと、なんか教わりたいですよね。

専門家よりも少しぐらいクオリティが落ちたとしても、「その人から教わりたい」ですよね。

話が下手でも、私たちの方がそれに合わせて、「感動をわけてもらいたい」、みたいな感覚になるんですから。

 

真剣さは、すぐに分かる

「貴方がどれだけそれを好きなのか、真剣さを見せてみろ!」ということですね。

その真剣さは、必ず周囲に伝わります。

というか、伝わらざるを得ません。

あのトロい子の発表だって、真剣さはありありと伝わるものなんですから。

私たちは、それが分かるんですよ。

実際、分かるでしょ。「この人、真剣だ」っていう気持ちは。

目を見たら分かりますし、その人の姿を見られなかったとしても、作品でも感じられるものです。

 

すると、「真剣さ」が人を魅了するんですよ。

作品とか提供しているものが、人を魅了する、という形ではないんですよね。

これは言うなれば、「作品のファン」になるのではなくて、「その人のファン」になるということです。

こういう状態だと、その人が何を出そうが、何を売ろうが、売れます。

小説を出そうが、本を出そうが、セミナーをしようが、何か商品を売ろうが、関係ありません。

こういう姿って、素敵ですよね。

作品を愛しているのではなくて、「その人」を愛しているんですから。

 

それはたとえ、「悩んでいる」というようなことでも、真剣さは伝わります。

最近、あるチェック担当の方から「私はこういう考え方をしてるんですが、頭がおかしいんでしょうか?」みたいな相談があったんですよ。

でも、それは裏を返すと真剣に人生に立ち向かっているということで、やはりそういう人には力になりたくなるものなんですよね。

真剣な人は、「私、真剣なんです!」とか言いませんからね。

たとえそれが悩んでいる姿だったとしても、真剣に悩んでいれば、人は魅了されるものなんですよ。

 

すごいものを提供できなくても構いません。

うまくできなくても構いません。

明快な答えを導き出せなくても、構いません。

貴方が真剣に悩んでいる姿そのものも、魅力になる、ということです。

 

まとめ

「貴方の作品を通して、貴方を好きになる」という形もあるでしょう。

ですが、「貴方を好きになることで、作品も好きになる」という形もあるんですよね。

その「貴方を好きになる」きっかけの一つが、「貴方の真剣さを感じた時」ということです。

 

真剣さというのは、平常時よりも、むしろピンチの時に見ることができるものです。

発表の子でも、「次の言葉を忘れた」という時に、それでも必死で思い出そうとする姿が、心を打つわけで。

あのトロい子は、カンペとか一切持たずに、堂々と前を向いていました。

それは、「絶対に暗記する」っていう覚悟と姿勢だったわけです。

それと同じで、ピンチというのは、魅力を見せるチャンスでもあるんですよね。

ピンチの時には、手を抜かない。

ピンチの時だからこそ、「私はこれが、これだけ好きなんだ」、「これだけ真剣なんだ」という姿を見せることができるんですから。

 

ってことで、今日は真剣さが魅力になる、というお話をしてみました。

今日はここまで~。

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