そろそろ情報公開しても大丈夫そうかな、ということで、今日は今作っているものについてお話ししてみましょうか。
「ストーリー作家のネタ帳(イベント編)」という本を作ってます
これまでも何回かアナウンスしましたが、現在は作家さん向けの教材を作っています。
教材というよりも、資料集ですかね。
タイトルは、「ストーリー作家のネタ帳(イベント編)」です。
小説とかシナリオを書いている人で、一番悩むのは「ネタ切れ」だと思うんですよ。
そのために、映画とか小説を山ほど見たり読んだりしますよね。
でも、映画だって1本につき2時間かかりますし、小説ならそれ以上かかるわけです。
実際の作家さんなら分かると思いますが、「ネタが欲しい」っていう状況って、結構差し迫った状況が多いものなんですよね。
期限が迫っているとか、いつまでに仕上げないといけないとか、そんな状況で悠長に1本2時間もかかる映画を見ていたりとか、それ以上の小説を読むとか、なかなかできないんですよ。
で、映画の予告編を見てインスピレーションを得ようとしたりするんですが、なかなかうまくいかないものですよね。
映画や小説だって、同じような展開だったり、全く役に立たなかったら、2時間とか簡単にロスしてしまうわけで。
「王道イベント集」という資料集
ならそこで、「王道」と呼ばれるようなストーリー展開を網羅して、ぎゅっと凝縮して集めた、そんな分厚い辞書のような資料集があったらどうでしょう。
そこには、世の中で用いられているありとあらゆるイベントが、普遍的な形で山ほど掲載されています。
キャラクターや世界観に影響されない形で記載しているので、どんなキャラクターや世界観にも適用することができます。
作家は、気に入ったイベントをそこから選んで、自分の物語に当てはめればいいだけ。
それぞれの項目では、「メインプロット向け」、「サブプロットや場つなぎ向け」、「シリアス向け」、「コメディ向け」、「男性向け」、「女性向け」、「若者向け」、「大人向け」、「恋愛物語向け」、「サスペンス向け」など、メジャーな分類もされています。
だから、「何かお笑いネタが欲しいなぁ」、「ちょっと緊張感のあるネタが欲しいなぁ」という場合でも、作家はそれぞれの状況に応じて、「今、必要なプロット(もしくはサブプロット)」を探せるようにしています。
もちろん一つ一つの項目では、それぞれイベントの全体像、「これを追加するだけで作れますよ」という簡単な作り方、イベントの流れ、コメディへの適用方法、そして特徴や向き不向きのジャンルなどを説明しています。
当然私が作るものなので、メインプロットにはほとんど影響しない、そんな「追加する」という構築方法で作れる形になっています。
言うなれば、ブラウザとかでよくある「アドオン」と同じです。
追加しても他の設定や内容への影響がほとんどない、そんな矛盾を起こしにくいイベント形式になっています。
すると、「何かネタが欲しいなぁ」と思った時に、わざわざ映画を何本も見てアイデアを作り出す必要なんかなくなるわけです。
この資料集から適当によさそうなものを探して、ピックアップするだけ。
映画一本見る2時間と同じような内容を、たった5分もあればできるようになると。
それどころか、作り方まで説明しているので、実際はもっと時間短縮ができるようになるでしょう。
作家さんに、無限大の可能性を
そんな風に、世の中にあるありとあらゆるイベント(出来事)を網羅したような、そんな資料集になります。
まぁ「網羅している」と言えば大げさですが(笑
私が過去に作った「ヒロインにばれてはいけない嘘の作り方」みたいな本がありますよね。
言うなれば、あれをぎゅっと凝縮して、その凝縮した「王道イベント」、「王道展開」を80~85パターンぐらい網羅している、そういう本になります。
もちろん、その1パターンからだけでも、メインプロットからサブプロット、恋愛ものからサスペンス、若者向けから大人向け、物語前半で使う場合と後半で使う場合など、ありとあらゆる姿に形を変えることができるものです。
だから、1パターンをマスターするだけでも、何十種類のプロットバリエーションを作り出すことができます。
それが80~85もあって、それらのイベントをいろいろ組み合わせて物語を作ることになります。
普通の作家さんなら、得意としているのは3~4個パターンとか、多くとも10パターン程度でしょう。
それを80個以上も入れているので、自分の可能性や「必殺技」を広げるきっかけにできるかと思います。
なので、はっきり言って可能性は無限大です。
すぐに使える、基本素材
これはたとえて言うなら、家を建てたい場合、あらかじめすぐに組み合わせられるようにできている柱や壁を、手軽に得られるようなものです。
今までの作家さんは、木を見つけて、切り倒して、加工して、合うようにして、組み立てて、そして「うわぁ、どうしよう、サイズが合わなくてつじつまが合わなくなった」と苦しんでいるようなものです。
でもこの本の王道を使えば、既に「上手く組み合う柱」がすぐに得られます。
作家さんはそれを組み立てて、細かい壁紙とか、インテリアを自分なりに構成すればいいだけです。
ほとんどの作家さんは、そういう「壁紙とかインテリア」を表現したいものであって、構造、すなわちつじつま合わせで悩みたくないでしょ。
実際、作家さんはほとんどが「キャラクターを描きたい」とか「世界観を描きたい」、「感動を作りたい」って思うものですよね。
「つじつま合わせが大好き」とか「論理矛盾を埋めるのが大好き」なんて人は、ごく少数派でしょう。
それと同じで、そんな「木を見つけて、切り倒して、加工する」までの過程のほとんどと、最後の「つじつま合わせで苦しむ」の多くは、そんな作業なんて、作家さんは好きでもないし、できれば避けて通りたいものでしょう。
なら、イベントはしっかりと組み合う既製品を使えばいいと思います。
作家さんは、そんな使い勝手のいいイベントを見つけて、組み立てることで、本当に大好きな「自分なりのキャラクターや世界観、ストーリー展開、笑いや感動」を表現することに注力できると。
別の例で言うと、それは音楽を作る、シンセサイザーのようなものです。
作曲家は、シンセサイザー一台があれば、「ピアノの音を使おう」とか、「エレキギターの音を使おう」と、既にあるものから選べばいいだけです。
その音を自分なりに微調整して、自分なりに表現したい楽譜を組み立てればいいだけで。
わざわざ「音を作り出す能力」とか、「演奏技術」を身につける必要はないんですよ。
私が「これ欲しい!」と思うものを作ってます
今作っている本というのは、そんな「王道イベント集」になります。
当然ながらネタを探すこともできますし、インスピレーションを得ることもできるでしょう。
作り方もあるので設計の効率化もできますし、何よりつじつま合わせで悩む必要がなくなります。
今まで自分が使ったことのないような、新たなストーリー展開や構築技術も多く身につけられます。
少なくとも、ネタを探すために、映画を何本も見る必要はなくなります。
そんな辞書のような資料集があったら、いいと思いません?
私がストーリー作家なら、これは「切に欲しい!」と感じるものなんですよね。
実際に私はゲームでシナリオライティングも経験していますが、その経験もあって、「こういうのが欲しい」と感じるものを作ってます。
そして同時に、現時点では、これに類する辞書のような資料集は、世の中には全くないものです。
まとめ
ってことで、現在はそんな本を作ってます。
言うなれば、私の中でもこれは、新たな可能性を切り開くような、そんな挑戦的な作品になっています。
なので、すっごい役に立つか、すっごい役に立たないか、極端に分かれそうな予感もします(笑
まさに、新たな挑戦、新境地開拓ですね。
いやぁ、もうこれがすごい文章量になっていて、現時点で原稿用紙710枚あって、さらに増えそうな勢いなんですが(笑
あ、この記事では、ビジョンを含めてちょっと大げさに言いすぎた気もするので、話半分か1/4程度で聞き流しておいてください(笑
まぁ、あんまり期待せずに、楽しみにしておいてください。
ってことで、今日は現在作っている本についてお話ししてみました。
今日はここまで~。
(追記)
で、この本の初期チェックをしてくださる方をこっそり募集しています。
「はじめに」から第一章まで、構成と誤字脱字チェックになりますが、「やってもいいよ~」とゴールデンウィーク中で暇で暇でたまらない、そんな方がいましたら、是非中村までメールをどうぞ。
(2015/5/1追記)おかげさまで募集終了しました。ありがとうございました!