ここ最近はずっと長所と欠点のお話をしていますが、今日もそのお話です。

今日は、「自分の作品から欠点をなくす、4つのステップ」、というお話をしてみましょう。

 

欠点を長所に変換する、という発想

昨日欠点を切り捨てて、それを長所に変換すれば(自分なりのスタイルにすれば)、圧倒的なクオリティを実現しやすくなる……って説明しましたよね。

私たちは、大好きなことでお金をどんどん稼いでいきたいわけです。

でも、なかなかファンもできないし、お金にならない場合、どうすればいいのか。

自分には欠点や足りないことばかりで、劣っている場合にどうすればいいのか。

 

多くの人が、ここで努力をして解決しようとしてしまいます。

膨大な時間をかけて、欠点をなくそうとしてしまうわけですね。

でも欠点をなくそうとするっていうのは、面白くないですし、苦痛ですよね。

しかも、膨大な時間をかけて欠点をなくしても、それは「平凡になる」程度であって、「圧倒的なクオリティ」を実現するにはほど遠いものです。

 

そこで私が提案しているのが、欠点を長所に組み込むことで、欠点を無効化してしまいましょうよ、ということですね。

欠点を努力で苦しみながら克服するのではなくて、知恵と工夫で簡単に、楽しみながら克服するわけです。

それによって、欠点を自分にとって有利に働かせることで、圧倒的なクオリティを実現しちゃいましょうよ、ということです。

 

自分の作品から欠点をなくす、4つのステップ

じゃあ、どうすればそうできるのか、今回はその具体的な手順を見てみましょう。

題して、「自分の作品から欠点をなくす、4つのステップ」です。

  • (ステップ1): 自分の欠点(下手なこと、得意ではないこと、平凡なこと、嫌なこと、したくないこと)を見つける
  • (ステップ2): その欠点をせずにすむように、それらをばっさりと切り落とした状態を作る
  • (ステップ3): 長所を最も表現できるように、その欠点を切り落とした状態を調整・定型化する
  • (ステップ4): 定型化したものを、新たなジャンルとして名前をつけてお客に提供する

 

これができれば、欠点を長所に変換することができて、圧倒的なクオリティを楽に実現できるようになります。

また、その変換方法はノウハウとして使えるので、自分独自のキャッシュポイントにすることもできます。

だから、「私は欠点ばかりの人間だ」という人ほど、これをマスターすれば「自分は多くの豊かさを持っていたんだ」と可能性を広げることができるようになるでしょう。

 

それでは以下で、それぞれのステップを詳しく説明してみましょう。

 

(ステップ1): 自分の欠点(下手なこと、得意ではないこと、平凡なこと、嫌なこと、したくないこと)を見つける

まずは、自分の欠点を見つけましょう

下手なこと、得意ではないこと、平凡なこと、嫌なこと、したくないことなどを抽出します。

これはもう単純に、書き出してみるといいでしょう。

例えば作品作りで言うと、「漫画を描きたいけれども、コマ割りや構図を考えるのが好きではない」とか、「アニメを作りたいけど、背景絵を描けない」とかあるかもしれません。

 

(ステップ2): その欠点をせずにすむように、それらをばっさりと切り落とした状態を作る

次に、それらの欠点をせずにすむように、欠点をばっさりと切り落とした状態をイメージしてみましょう

もしその作業を一切せずにすんだり、もしくは好きなことで代用できるなら、どうなるでしょう?

 

例えば「漫画を描きたいけれども、コマ割りや構図が苦手」の場合、コマ割りを一切しない状態を考えます。

すると、コマ割りについては「全部同じコマの大きさにする」とか、「横はページ幅いっぱいにして、コマの高さだけ変える」とか、イメージができるかと思います。

構図については、「カメラの角度は常に固定している」とか、「一方向から見る構図だけにする」という形もイメージできるでしょう。

 

「アニメを作りたいけど、背景絵を描けない」場合、「背景を一切使わない」とイメージできます。

もしくは、写真や写真加工が好きならば、「写真で済ませる」、「簡単な写真加工で済ませる」というのもイメージできるでしょう。

 

これはほとんどの場合、非常識でばかげた状態になります。

世の中にはそんなものはないので、多くの場合、「劣化した○○」と感じるでしょう。

上記の例で言うと、「劣化した漫画」とか、「劣化したアニメ」だと感じるものです。

ですが、これが独自スタイルの原型になります。

 

(ステップ3): 長所を最も表現できるように、その欠点を切り落とした状態を調整・定型化する

次に、自分の長所を最も表現できるように、ステップ2で作った「欠点を切り落とした状態(独自スタイル)」を調整・定型化します

これは言うなれば、「この独自スタイルは、長所をより見せるためにわざとこうしているのです」と開き直るわけですね。

そして、長所を最も魅力的に見せるように、独自スタイルを調整してゆきます。

 

例えば「漫画を描きたいけれども、コマ割りや構図が苦手」の場合で、「自分は物語作りが好きで得意」という長所を持つとしましょう。

この場合、物語を最も見せるような形にするわけです。

なら、「全部同じ大きさのコマで、カメラも一点で固定にする」と考えると、舞台演劇を観客席から見ているかのような作品になるかと思います。

ならば、そこから「読み手は舞台演劇を見ているようにして、カメラのズーム率だけが変わるようにしよう。その中で、キャラクターを動かせばいい」と調整できます。

すると、背景は1シーンに1つだけ作れば、後は拡大縮小だけですみます。

また、視点も固定されているので、構図も深く考える必要はなくなります。

 

「アニメを作りたいけど、背景絵を描けない」場合で、「自分は人物同士のやりとりをメインにした、感動物語を作りたい」という長所を持つとしましょう。

この場合、その物語を最も見せるような形にします。

なら、「背景は場所とアイテムのある位置さえ分かればいい」と考えれば、「場所はシーン前に一度だけ、写真で説明しよう」とか、「場所はキャラの台詞やナレーション、効果音だけで説明しよう」、「アイテムは、シルエットで簡単に示そう」と調整できるかもしれません。

また、それに合わせてキャラクターの彩度を落としたり、キャラクターそのものもシンプルに表現することで、背景に合わせることもできるかもしれません。

ストーリーや世界観に調整を加えることで、自然に演出することもできるでしょう。

こうして、その背景に調和したキャラクターや演出方法を仕上げてゆきます。

 

こうすることで、欠点を技法に昇華することができます。

ただ単純に欠点をばっさりカットしただけでは、「劣化した○○」になります。

ですが、長所を演出できるようにその周囲を変えることで、新たな表現方法が生まれるわけですね。

 

そしてこれを定型化して、作品の最初から最後までそのスタイルを貫くようにします。

途中で一度たりとも、そのスタイルを外さないようにするわけです。

これによって、欠点が長所に変換されて、独自スタイルが仕上がります。

 

(ステップ4): 定型化したものを、新たなジャンルとして名前をつけてお客に提供する

後は、その独自スタイルに新たなジャンル名をつけましょう。

ほとんどの場合、それは誰も見たことがない形式になるので、お客はそれを理解しにくいものです。

そこで、その独自スタイルを理解しやすくなるように、分かりやすいジャンル名を命名しましょう。

 

先の漫画の例で、「読み手は舞台演劇を見ているように、カメラを固定している」という場合、「演劇漫画」とか、「固定コマ漫画」とか命名できるかもしれません。

背景を簡略化したアニメの場合、「半シルエットアニメ」とか、「キャラクターアニメ」とか命名できるかもしれません。

 

すると、お客はその作品を「劣化した○○」というジャンルではなく、「新しいジャンルの作品」として把握します。

それによって、ジャンルの比較が防げるので、欠点に目が行かなくなります。

また、そんな新しい技法があると、「こんなのあるんだって!」と話題に上げやすくなります。

 

さらには、そのスタイルは作者にとって得意なものばかりで、しかも欠点が全て排除されている構成になっています。

だから、圧倒的なクオリティを実現しやすなります。

そして、圧倒的なクオリティだからこそ、お客は「これがすごい!」と話題に上げやすくなる、ということです。

 

気がついたら独自スタイルができていて、最高に自分にとって有利な土俵ができていると分かります。

ここで戦えば、簡単に第一人者になれます。

ちょっとした工夫で競争から抜け出して、自分にとって最高のポジションが得られるわけですね。

 

まとめ

こういう流れで、欠点を長所に変換してゆくことで、自分にとって最高のジャンルを作ることができるようになります。

「欠点を長所に変換する」というよりかは、「欠点で長所を補強する」という表現の方がいいかもしれません。

 

そしてこの工夫こそが、キャッシュポイントになります。

これこそ独自のノウハウですからね。

ノウハウを売ることもできるでしょうし、教えることもできるでしょう。

そうすることでも、利益を得られることでしょう。

応用の余地は多くあるように思います。

 

ということで、今日は、「自分の作品から欠点をなくす、4つのステップ」、というお話をしてみました。

今日はここまで~。

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