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今日は感性についてでも語ろうかと思っていたんですが、ちょっと気になるニュースがいくつかあったので、未来についてお話ししてみましょう。
「不穏な時代を渡り抜いてゆく考え方」というお話です。
ちょっとした不穏なニュース
今日のGoogleニュースを見ていたら、ちょっと不穏なニュースがいくつかあったんですよ。
政治的な面で言うと、安保関係があって。
経済的な分野で言うと、プエルトリコがデフォルト(債務不履行)みたいな。
私は未来を予測するためにいくつかキーワードを持って、今がどれぐらいの段階かを見極めているんですが、少し時代が変わったかな、という実感があったりします。
最初に言っておきますが、今回のお話は5年とか10年規模での未来なので、すぐにでもこうなるというお話ではないので、安心して読み進めていってください。
なんか最近、世の中から「不穏な空気」というものを感じたりしません?
これは5年前、10年前と比べてみると、明らかに空気の質が違うことが分かるんじゃないかと思います。
5年前とか10年前では、不景気だとか言いつつも、それなりの明るさがあったじゃないですか。
それが少しずつ、じめっとした、「穏やかではないな」という風潮が出てきているわけです。
その「不穏さ」というのが、「力の台頭」と「お金の衰退」という二つの要素ですね。
豊かさは、「力→官→専門家→お金→力」という流れで動く
どこかで見た内容なんですが、人々がもてはやす「豊かさの変遷」というのは、結構規則性というか、周期性があるって言うんですよ。
その流れというのが、「力→官→専門家→お金→力」という流れです。
一つの時代が終わるときには、これまで「力」が使われてきて、国が滅んだり、新しい国ができたりしていたわけです。
明治維新の時は、志士たちが暗殺を繰り返していたり、新鮮組とかありましたよね。
そんな風に、「力」がもてはやされる時代があるんですよ。
多くの人が、「剣を鍛えると、立身出世ができる」、「力を持てば、立身出世ができる」と考えて、力を持つ人や集団をもてはやします。
力で仕組みを作ろうとするわけです。
で、力で一番勝った集団が仕組みを作ることになるので、その集団が一番豊かさを持つことになります。
いわゆる「官」の時代ですね。
明治維新で言うと、明治政府が力を持つことで、政府の役人になったら立身出世ができるようになったと。
しかも明治政府は「勉強ができれば、誰でも役人にするよ」という制度を作ったら、みんながみんな、役人になるために「勉強をすれば立身出世ができる」と考えるようになりました。
だから当時、勉強をして役人を目指す若い学生、すなわち「書生さん」というのは、若い女性から大人気だったわけですね。
超高確率で出世して、すごい給料をもらうようになるんですから、そりゃー人気になるでしょうと(笑
次は、官の成長が限界を迎えてくると、次第に豊かさを作り出すのは「企業」になってきます。
官が自前ではできなくなるので、どんどん企業に発注していくと。
すると、そこから仕事を受注する大企業が豊かさを持つ主役となっていきます。
大企業に入るのは、「専門性を持つ」ということですからね。
こうして「専門家」がもてはやされる時代がやってきます。
誰も彼もが、「大企業に入れば立身出世ができる」と思うようになるわけですね。
その後、大企業の成長が限界を迎えると、次第に豊かさは「お金」そのものに移っていきます。
専門性なんかなくてもよくて、「お金を使って、専門家を雇えばいい」という発想になってきます。
こうして「お金万歳」という、お金がもてはやされる時代がやってきます。
誰も彼もがお金を求めて、「お金があれば幸せになれる」と思うわけですね。
で、環境変動などによってその仕組みが限界を迎えると、お金が限界を迎える時が来ます。
「お金で支配する」という仕組みが上手く回らなくなってくるわけですね。
インフレが起きたり、お金を使って生活をすることが混乱すると、「お金って使えないじゃない」と思うようになってきます。
すると、再び最初に戻って、「力」にフォーカスが移ってきます。
だって、お金をいくら持っていたとしても、「合法的に」頭に銃口を突きつけられて「金を出せ」と言われたら、何にもできないんですから。
そんな風に、「力→官→専門家→お金→力」という流れがあるわけですね。
「お金の時代の末期」という現状
で、今はどんな時代かというと、「お金の末期、力に移り始める初期」という状態です。
明治維新で言うと、ペリーと黒船の来航、開国と条約締結が行われる前夜、みたいな状態ですね。
それが今は、日本で言うと中国の膨張になったり、天候不順とか、温暖化による環境変動になるわけです。
アメリカのカリフォルニアでは4年連続の干ばつで、北朝鮮では100年に一度の干ばつ、タイでも20年に一度の干ばつ、オーストラリアも干ばつで、維持できなくなった牛をたたき売りしてますし、カナダも数年続く干ばつで酪農が壊滅状態なわけです。
その上、ブラジルも干ばつ、チリも干ばつと。
既に世界は、「水資源の奪い合い」という様相を呈しているわけです。
トルコとかは、ユーフラテス川の上流で水をせき止めて、水を確保しているぐらいで。
こうなってくると、どんなにお金を持っていても、ダメですよね。
力で確保した人の方が、強いんだと。
まさに、「金持ちの頭に銃口を突きつけて、それをよこせ」と言う方が、お金よりも強くなる状態です。
今までの周囲を見てみると分かるでしょう。
誰も彼もが、「お金、お金」だったでしょ。
特に10年前ぐらいは、あたかも「お金さえあれば、何だって手に入る」みたいな風潮がありましたよね。
今でも、「お金でお金を生み出すのが賢いやり方だ」みたいな風潮は残っていますが。
でも、こういう「お金そのものをもてはやす」というのは、長い時代で見ると、実は一部分なんですよ。
まあ力の時代も、官の時代も、専門家の時代も、豊かさ=お金ということもありますが、それらは「力や職業、技術の方が大切」という価値観なんですよね。
力や職業、技術があることで、お金を生み出せると。
「お金でお金を生み出す」ことができるのは、実はごく限られた期間でしかないんですよ。
だから、誰も「お金そのもの」を求めようとはしていなかったわけです。
ただ、最近少しずつ、そういう「お金さえあれば」という風潮はなくなってきてますよね。
同時に、「力」という不穏な動きが出てきているわけです。
これが、冒頭で言った「力の台頭」と「お金の衰退」という二つの「不穏さ」になるわけです。
このキーワードが同日に出てきたのは初めてだったので、私の中では「時代が一歩進んだな」と感じたんですよ。
私の予測では、これからどんどん、「お金」という仕組みが不安定になっていきます。
実際、既にFRB(アメリカ連邦準備制度)もECB(欧州中央銀行)も日銀も、お金をすりまくっていて、お金の価値が不安定になっていると。
中国ですら、膨大な元を刷りまくっていて、暴落している株価を買い支えている状態です。
同時に、何らかの「力」を持つことが、豊かさを得ることになってゆくでしょう。
当然、これは「武力」だけではないでしょう。
「権力」とか「地位の力」、「統率する力」、「指揮する力」という形になるかもしれません。
時代を生き抜く考え方
じゃあ、そういう時代には、どうやって生き抜けるのか。
一つは、「力を持つ側に入る」ということでしょう。
力でお金を奪う側に立てば、より有利になれるものです。
でも、私はあんまりそういうのは好かないと。
ならどうするかというと、「身軽に移動できること」が重要になるんじゃないかと思います。
これからの時代は、ユダヤ人的な生き方が参考になるんじゃないかと思います。
例えばナチスドイツが台頭してユダヤ人が迫害されたとき、いち早くアメリカみたいな他の国に脱出できた人たちは、迫害から逃れられたわけです。
でも、少し遅れただけで、捕まってしまうんですよ。
その境界というのは、たった24時間とか、その程度なんですよね。
1日早く行動していて助かった、1日遅れて助からなかった、みたいな。
そういう場合、「重たい荷物」というのは邪魔になるだけなんですよ。
ものを持っていればいるほど、動けなくなると。
逆に、身軽であればあるほど、不穏な空気を察知したら、すぐにその国から逃げ出せると。
地図を見たら分かりますが、今まで中国は大陸内部の方に目を向けていたわけです。
そして、チベットの方でやりたい放題やっていたわけですが。
でも、内陸方向に伸びるのが限界を迎えたので、自然と海の方に向かうようになったわけです。
だったら、中国から見ると、日本とフィリピンがちょうど海側にフタをするかのように、邪魔な場所にあるんですよ。
一方でアメリカは、日本やフィリピンを「防波堤」、すなわち中国をせき止める「壁」にしたいと。
アメリカの立場で見ると、日本は「壁」だから、壁が傷つこうがぼろぼろになろうが、壁を維持して、壁の役割を果たせばいいわけです。
壁からすると、たまったもんじゃありませんよね。
「サウンド・オブ・ミュージック」という作品がありますが、あれの第二部はまさに、ナチスドイツに反発するトラップ大佐たち家族が、ギリギリのところでドイツ軍から逃げ出して、亡命するという終わり方ですよね。
あるユダヤ人が言うには、「いつでもバッグ一つでどこへでも行けるようにして、そこで自分の商品を売って、生きられるような気構えでいる」ということらしいです。
彼らは「自分の国」を持たない民族ですからね。
で、彼らが重視する「資産」というのは、「一番が教育、二番目がダイヤ、三番目がゴールド(金)」だということです。
お金は、資産の中でも低い重要性でしかないと。
で、持ち運べる豊かさが、重要だということなんですよ。
教育は、奪われることはありませんからね。
そういう身軽さが、混乱する時代には重要になると。
まとめ
もちろん、この動きは今後1年とか2年で変わるようなものではないので、安心してください。
ただ、今から5年、10年後ぐらいになったら、今よりもさらに「不穏な空気」は大きくなっているでしょうし、危険な状態になっているかもしれません。
「武力衝突があるかどうか」という未来予測は、私には分かりませんし、意味がないと思っています。
経営者なら、「両方のシナリオを描いていて、両方の対策を持っていればいい」だけですからね。
すると、「武力衝突はありうる」というシナリオも持ちつつ、今から準備しておく方が、より安全だと言えるでしょう。
それは、経営者が、健全経営だとしても、「赤字にもなりうる」と対策を立てておくのと同じです。
未来に役に立たなくても、リスクに対する行動方針を考えておくだけで、安心感が違いますからね。
そういう場合、私たちは「身軽さ」で難を乗り越えることができる、ということですね。
今から準備すれば、十分に間に合うと思います。
そのためにも、お金ではなくて、どこでも生きていけるような「教育」とか「能力」に投資しておくのもいいんじゃないかな、と思います。
それが安らぎと安定をもたらして、豊かさを持ちつつ生きてゆける、「時代に合った方法」になるんじゃないかなと。
ってことで、今日は「不穏な時代を渡り抜いてゆく考え方」ということで、お話ししてみました。
今日はここまで~。