今日は、長所の発揮の仕方をお話ししてみましょうか。
「自分のどこがいいのか」を理解する方法、ということでお話ししてみましょう。
自分の芸風やよさは、どうすれば分かるのか
こういう質問をいただいたんですよ。
自分が良いと思ったことがウケなくて、何にも気にかけていなかったことがウケた…ということは、僕にも今まで何度かあったんですよ。
でも、気にかけていないからこそ、何が良いのか?が、いまいち掴めないのです。
「自分の芸風を自分で理解する方法」ってあると思いますか?
こういうことって、ありますよね。
自分が「この部分がいい」と思っていたのに、全く別の部分が評価されちゃった、みたいな(笑
例えば私の場合、最近はプロット理論を語っているのでそれで言うと、私が作った理論では「シナリオの方程式」が理論的には今でも最高のものだと思ってるんですよ。
でもそれはさほどウケなくて、もっと具体的な「どんでん返しの作り方」とか「トリックの作り方」がウケていたりするんですよね。
私は抽象的なものが大好きで、同時に武器としているんですが、周囲の人は具体的なものが大好き、みたいな。
そんな風に、自分のいいところと、他の人が評価するところって、なかなか分かりにくいものですよね。
ピーター・ドラッカーという経営コンサルタントがいたんですが、彼は「経営者でも、自分の会社のいい点を正確に把握している人は、ほとんどいない」と言っているわけです。
それと同じように、私たちも、「他人から見た自分の良さは、なかなか分かっていない」ものなんですよね。
「これがいいんだよ!」に、自分の良さが含まれている
実は、自分の芸風とか、自分の良さってのは、「これがいいんだよ!」というところにあります。
時々、周囲にこう言いたくなることってありません?
「分かってないなあ、これはここがいいんじゃない!」みたいな。
それの集合体が、芸風とか、自分の良さになるわけですね。
私で言うと、こんな感じですかね。
「物語作りでは、みんな表現力とかひねくれた文を書いたり、奇抜なキャラ設定を作ることがいいことだと思ってるけど、分かってないなあ。プロットのシンプルさが一番面白さを作るんじゃない!」
「みんな競争で勝つこととか、目先の利益とか、お金とか地位、名誉を求めるけど、分かってないなあ。24時間、大好きな人と、大好きなことをして生きることが、最高に幸せなんじゃない!」
「みんな多くのものを持つことがいいって言うけど、分かってないなあ。自分に合わないものを多く手に入れるよりも、クリエイティビティーで自分にぴったり合ったものを作り出せることが、自分の一番欲しいものを手に入れる一番の近道じゃない!」
こういうものの集合体が、その人の芸風とか、その人の良さになっていくわけですね。
ある意味、自分という存在そのもの、自分が人と違う点全てが芸風であり、よい点なんですよね。
だから、ありのままの自分を出せば出すほど、芸風は出ますし、良さも出ると。
そして、それを理解してくれる人、すなわち「その人にあこがれる人」が、ファンになってゆくわけですね。
「ありのままの自分にはいい点がない」と思う人ならば、「許せない」ということを元に考えてもいいですし、欠点を裏返してもいいでしょう。
「プロットのシンプルさがいいんじゃない!」とか「大好きなことをするのがいいんじゃない!」とかも、ある意味、「そうしないのは許せない!」ってことですよね。
「許せない」のは、芸風であり、いい点なんですよ。
欠点でも、私は「変に間隔を開けると、書けなくなる」とか「文章を短くまとめられない」という欠点があります。
でも、それは裏を返せば、「毎日ブログを書ける」、「長文を書ける」ってことですよね。
欠点は長所なんだと。
自分の良さとは、「ありのままの自分」なんだと。
だから、ありのままを出せば出すほど、自分の芸風は分かります。
逆に、ウケ狙いをして、他の人の価値観に引きずられるほど、自分の芸風は分からなくなってしまいます。
同時に、自分自身の良さも、分からなくなっていくと。
他人軸でウケ狙いをすると、危険な理由
自分で思っていた点よりも、別の点でウケたとき、多くの人が「ウケたことを主柱にしよう」とするんですよ。
好きでもないことをやっている場合か、もしくは必需品を作る場合は、これはいいフィードバックになります。
ただ、これは言うなれば、「大量生産、大量消費時代の成功法則」なんですよね。
今のように個人が主役の時代で、好きなこととか、ニッチなことの方が優位に立てる場合には当てはまらなくなります。
というのも、他の人にウケるってのは、他人軸ですよね。
で、他人軸って、結構移ろいやすいものなんですよ。
落語で言うと、ある寄席(よせ)ではどっかんどっかんウケたのに、別の客が入った寄席では、全然そうでもない、みたいなことはあるわけです。
というのも、人の軸ってのは、その日、その場、周囲の環境、天候、気温や室温、うわさ、集団心理、そういういろんな要素で変わっていくものなんですよね。
「でも、多くの人にウケる『他人軸の中心』みたいなものを狙えばいいんじゃないの?」とか思うかもしれませんが、そういう「多くの人がウケる場所」だからこそ大手が居座っているわけです。
例えば少年ジャンプという雑誌は、漫画雑誌では最大手の一つですよね。
うわさに聞くと、そこの連載作品と打ち切り作品は、アンケートの人気順で決まるとか。
まさに、「他人軸による多数決」の世界ですよね。
これほど分かりやすい、「他人軸の抽出、判断方法」はありませんよね。
これが、大手のやる戦略です。
でも、弱者であったり弱小チームの場合、その「他人軸の中心」に入っても、勝てないんですよ。
相手は一流スタッフを揃えていたり、膨大な広告費、膨大な予算を持っているんですから。
もし同じクオリティを出せたとしても、広告費で負けると。
なら結局のところ、ニッチな部分で攻めることになりますよね。
じゃあ、どこが一番、「自分にとって」有利になるのか。
一番有利なのは、自分が一番得意で好きで楽しくできる領域ですよね。
だから、自分にとっての「これがいいんじゃない!」という部分をかけ合わせた部分が、弱者にとっては一番有利な戦略ポイントになる、ということです。
すなわち、一切の無理をやめて、「ありのままの自分」を出せば出すほど、芸風ができて、有利になってゆくと。
ウケ狙いは、「成功の前払い」だと思えばいい
いや、まあ確かに現実では、完全にそうできるとは限らないものなんですよ(笑
時に、ウケ狙いをしたくなることもありますよね。
実際、流行に乗った方が、すなわちある程度他人軸に乗っかった方が、売れることだってあるものなんですから。
そんな風に、多少なりとも軸を他人軸に動かす場合、それは「成功の前払い」だと思えばいいでしょう。
自分軸で魅力を発揮してゆけば、少しずつ大きな報酬がやってきます。
でも、最初には最低限の生活費が必要になることもあるので、前払いを受けざるを得ない場合もあるでしょう。
前払いになるので、実際に受け取る額よりかは、だいぶ小さくなります。
後々の成功は切り崩されますが、お金とか地位は、少し早めの段階から得られると。
そんな風に「ウケ狙いは成功の前払い」だと割り切ってやると、いいかなと思います。
だったら、適切なラインを保てて、売れたとしても自分を見失うことはないかなと。
いやほんと、ウケ狙いで売れたら、その場はいいんですが、後々には悲劇しか残らないんですよ。
長期的に考えたら、すぐに分かることなんですよね。
普通は「好きでもないことで成功して、その後に好きなことに移行する」とか考えるでしょ。
でも実際は、好きでもないことで成功しちゃったら、そこから抜け出せなくなっちゃうんですよ。
だって、好きなことをしても「認められない」んですから。
むしろ、今までのファンや支持層から「面白くない」、「そんなのやめて、今までのをやって」と、批判が来るわけです。
そんな風に好きなことを否定されるので、「多くの人を裏切って好きなことをする」か、「人に受け入れられたいがために、好きなことをしない」かのどちらかになると。
どっちにしても、悲劇ですよね。
だから、ウケ狙いでは、成功しちゃいけないんですよ。
ウケ狙いで失敗したら、それは「よかった」ことなんですよね。
まとめ
そんな感じで、自分の芸風とか、自分の良さを知るには、自分にとっての「これがいいんだよ!」という部分を感じてみるといいかなと思います。
「みんな分かってないなあ、これがいいんじゃない!」
そういう部分を主軸にして、それらをどんどん集めていくと、自ずと自分の芸風や良さは見えてくるでしょう。
ありのままでいることが、一番の芸風だということですね。
「みんな分かってないなあ、私が一番幸せなんじゃない」と言えるほど、自分の幸せを見つける、ということですね。
すると、多くの人が「貴方のようになりたいです」と言ってくれるようになる、すなわちファンになる、ということです。
もう少しだけ話せることがあるので、明日もこれに関連した内容になりそうです。
ってことで、今日は「自分の何がいいのか」を理解する方法、ということでお話ししてみました。
今日はここまで~。