今日は普通に日記です。

最近は、ツッコミどころのある物語の方が楽しめるようになってきた、というお話ですね。

 

無茶な設定も面白い!

最近は、ツッコミどころがあるというか、「無茶な設定」をしている物語が好きになってきたんですよ。

もうね、救いようのない設定とか、大好きで(笑

一昨日話したひなたちゃんの例でも、これもある意味救いようのない設定ですよね。

これを、「どう改良すれば、救いを作れるだろう」みたいに考えるのが面白いんですよ。

もはや、パズル感覚ですね(笑

 

で、そういう改善方法を見つけると、物語のプロットで何が問題なのか、見えてくるんですよ。

プロットの本質が見えてくるというか。

「ああ、こうしたら、確かに救いはなくなるな」みたいな法則性が見えてくるわけです。

そしてそれは、人間心理の法則だとか、そういうものを教えてくれるんですよね。

 

例えばひなたちゃんの作者で、別の作品として「片想いフィーバー」という漫画があるんですが、私はこれも興味深い研究材料にできたんですよね。

というのも、これは普通の恋愛物語のように見えて、実はひなたちゃん同様に、相当救いがない設定なんですよ(笑

本質を見抜ける人であれば、試し読みの部分だけで、十分にその「救いがない」というのが分かるかなと思います。

 

気になる方は、答えを見る前に、試し読み部分を見て、どこがおかしいかを考えてみるといいでしょう。

 

「救いがなくなる心理」のメカニズム

ってことで、「片想いフィーバー」の何が問題なのかを説明しておきましょう。

この漫画の特徴としては、「片思いの一方通行」があります。

(ループ)←先輩←友弘←里沙←詩也←(ループ)

という構図があるんじゃないかな、と予想します。

 

これは冒頭から予想するに、主人公の少女里沙が、幼なじみの青年友弘に恋をしていて、おそらくこの二人がメインカップルになるはずなんですよ。

でも、友弘は「(おそらく)片思いの先輩にはありのままを出せずに、里沙にはありのままを出せる」という構図で、これはいいわけです。

普通の三角関係の構図ですからね。

ただ、問題なのは、里沙も「友弘にはありのままを出せずに、詩也にはありのままを出せる」という心理的な状態なんですよ。

すると、里沙と結ばれるべきキャラは、詩也になってしまうと。

 

この心理というのは、三角関係で「思い直す」、「勘違いだったと気づく」ということができないレベルの、ほぼ変えられない基礎部分の心理なんですよね。

すると、友弘が思いを改めたとしても、里沙は幸せにはなれないわけです。

だって、友弘には「ありのままを出せない(=自分を偽らなければ付き合えない)」からですね。

また、里沙は、たとえ「友弘にありのままを出せるようになる」をしたとしても、その効果が無効になってしまいます。

だって、詩也にもありのままを出せるからですね。

 

ここでは、里沙は詩也にも本心やありのままを「出せない」ようにしておく必要があると。

すると、王道の三角関係、もしくはスムーズな四角関係の流れができるわけです。

逆を言うと、「片思いの一方通行」は、どうあがいても救いようのない設定だと言うことですね。

 

まあ、もちろん解決策はあります。

「(1)里沙が詩也にありのままを出せなくなり、(2)友弘にありのままを出せるようになった上で、(3)友弘に改めて恋をしてありのままを出せなくなる」という、強引な3ステップで矯正できます。

いわゆる、「初期設定のリセット」という手法ですが。

初期設定も、ある程度手順を踏めば、リセットできないこともないんですよ。

これでハッピーエンドへ持って行けます。

ただ、このトリッキーな解決策は、おそらく使っていないだろうなと予想したり。

 

この関係性の心理学は、ちょうど今書いている「ストーリー作家のネタ帳3」で紹介しているので、そちらを見ると分かるでしょう。

この作者さんはずっとこういう「ぱっと見は可愛い絵で普通の世界観だけど、中身でえげつなく救いをなくして、定番を外す」設定で活躍しているようで。

最近は「まどマギ」とか「がっこうぐらし!」みたく、外見は可愛くて、中身をえげつなく外すのも普通に出てきているので、こういうスタイルもこれからは流行ってくるかもしれませんね。

いや、私はまどマギもがっこうぐらしも見てないんですが(笑

 

まとめ

まあとにかく、ツッコミどころのある物語とか、救いのない物語も、楽しみ方はあるものですね。

ついつい改善案を探してしまうという、この職業病(笑

まあ、クリエイターさんなら、こういう職業病とか、あるでしょ(笑

 

ということで、今日は「最近は、ツッコミどころのある物語の方が楽しめるようになってきた」、というお話をしてみました。

今日はここまで~。

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