さて、今日は以前に行った「シナリオで一番苦しむ部分はどこですか?」というアンケートで、質問があった内容についてお答えしてみましょうか。
ご質問は、こんな内容でした。
一番苦しんでいるのは「最後まで仕上げられない」です。
プロット(大味なあらすじ)やアイデア出しは、山のように出るのですが、そこから先にいけません。
(プロット・アイデア出しが、一番楽しいので)
仕事や共同作業なら、無理矢理形にしますが、個人で締切りも強制もないので、逆に辛い状況です(^^;
これ、実際多くの場合にありますよね。
「締め切り」があればできても、締め切りがなければ、ついつい伸ばしてしまう……みたいな。
私がまず最初にオススメするのは「楽しいところで終わらせる」とか「アイデアだけの本を作る」、「プロットを作品として仕上げる」というのですね。
特に、最近は読み手もライフスタイルが変わってきたので、長時間小説を読むとかできないんですよね。
なので、「プロットを読んでもらう」というのは、短時間で読めて、喜んでもらえそうなので、これからの新しい「シナリオの発表形態」になりうると思うんですよ。
ただ、質問してくださった方は私の本を読んでくださっていて、上記の答えを予想していたようで、「それ以外の解決策を!」という記述もあったり(笑
ここまで先手を打てるというか、相手の動きを読める方であれば、読み手に先を読まれない物語が作れそうですが(笑
まぁそれはさておき、他の対処法をご紹介してみましょうか。
「面白くない部分でモチベーションが尽きて、最後まで仕上げられない」場合の対処法です。
実際に私もプロット作りが好きで、執筆はそれほど好きではないんですよ。
こういう場合、長所は「プロット作り」で、短所が「執筆」ですよね。
そしてこのとき、「長所伸展」で乗り越えるというアプローチがあります。
つまり、「プロットの力をより伸ばすことで、執筆という弱点をカバーする」ということですね。
普段なら、「執筆ができないから、執筆を鍛えなきゃ」って思うでしょ。
でも、これって「短所是正」なんですよ。
そして、短所是正の致命的な欠点は、「モチベーションが上がらない」ということです。
実際、好きでもないことをやりたくないですよね。
だから、途中で嫌になってやめちゃうわけです。
一方で、「長所を伸ばす」ということで、間接的に短所をカバーするというテクニックがあります。
これはどういうことかというと、プロットをもっともっとよいものに仕上げるわけですね。
そして、最高にいいプロットを作ってるわけです。
本当にいいプロットができたら、毎日毎日その物語を頭でイメージするのが、楽しくて楽しくてしょうがなくなるんですよ。
すると、次第に「これは書かないと気が済まない」という心理状態になります。
そういう状態で書き始めると、もう筆が止まることはないですし、最後の方のクライマックスになればなるほど面白く書けるものです。
プロットがしっかりとできていれば、「途中で書くネタがない」ということもありませんしね。
そういうこともあって、「アイデアは出せるけど、執筆がだめ」という場合は、短所である執筆を何とかしようとするんじゃなくて、長所である「アイデアを洗練して、最高にする」というアプローチをオススメします。
すると、大好きなことをメインにできるので、楽しくて、モチベーションが落ちることもなく、そして好きなことをすることで短所もカバーできるようになるんですよね。
私が今までシナリオを書いてきて、書き上げたのは、全部そんな風に「毎日毎日、頭の中でそのお話をイメージするのが楽しくてしょうがなくて、このままじゃもどかしすぎる!」、だからもう「書くしかない」という状況で書いてきたんですよね。
シナリオもしかり、教材もしかり、ブログの長文もしかりで。
「書かないと、もう我慢できないっ!」みたいな(笑
私が知ってる絵描きさんも、「自分のサイトの看板娘が好きすぎてたまらないっ」という人なんですが、彼も「描かずにはいられないほどラブ!」という状態で、面倒な着色も乗り越えて描いてますね~。
これはモチベーション全般に言うことができて、短所是正よりも長所伸展の方がうまくいくんですよね。
やりたくないことがあったら、長所を伸ばすことで、短所をカバーすると。
ということで、是非とも、プロットを「書かないと気が済まない」というぐらいまで高めてみるといいかなと思います。
すると、情熱が溢れんばかりの勢いで、書き上げられるかなと思います。
ま、他にもアプローチはいろいろあるでしょうがが、一つの考え方ということで、参考になれば嬉しいです。(=▽=)