今日は、時代の流れと未来についてお話ししてみましょう。
売れるものと売れないものの差が激しくなっていく時代、というお話です。
二極化が進んできている時代
もう8ヶ月ぐらい前の記事ですが、ちょっとしたゲーム業界の記事を見たんですよ。
で、この中で、興味深い部分があったので、ご紹介。
コンソールとかPCの市場っていうのが、すごく二極化が進んでいて。
PS3とかXbox 360の世代にあったような、10億から20億ぐらいの開発予算で、ワールドワイドで200万本から300万本売れればいいやっていう、いわゆる中堅どこ ろみたいなタイトルがほぼ無くなっています。大きい方は、予算が100億を超えて500万本から1000万本売れる、『Grand Theft Auto』とか『Call of Duty』みたいな化け物クラスのタイトルになって。
小さい方は、インディーで2、3人で作って、まあ売れればラッキーぐらいの細かいタイトルがすごく増 えて、その中から時々『Minecraft』みたいなスーパーヒットが出てきているという。
ゲーム業界は、まさにこんな感じですよね。
中堅どころががっつりとなくなってしまい、「メガヒット」もしくは「少しだけ売れる」の二極化が進んできていると。
これはゲーム業界だけでなく、小説でも映画でもアニメでも漫画でも、いろんな業界で起こってきている傾向だと思います。
まだ起こっていない場合、これから次第にそうなっていくでしょう。
で、メガヒットは、大手広告会社が主導で作り出します。
だから、メガヒット作品を出したい場合、大手広告会社や大手配給会社と組むことが必要でしょう。
ただし、これは上がるのも早いけど、落ちるのも早いと。
上がる時は売り上げがどーんと上がって、落ちるときはどーんと売れなくなる、というライフサイクルですね。
一方で「少しだけ売れる」というのは、インディーズ主導で作り出されます。
一つの分野に特化することで、比較的低コストで実現して、それで利益率を上げるという戦略です。
これは競合が少ないので、地味~に上がって、地味~に落ちます。
「そこそこのクオリティ」を狙う人ほど、落ちてゆく
これからの時代、「そこそこのクオリティを出して、中堅どころを狙う」というのは、全く合わない戦略になってゆくでしょう。
コストをかけて、有名スタッフを集めて、話題性を作れるだけ作って、ガツガツとメガヒットを狙うか。
もしくはコストをしっかりと抑えて、スタッフ数を限りなく絞り込んで、ニッチでこだわり抜いたものを作って、地味に売れ続けることを狙うか。
前者は体育会系なノリで、後者はアーティスト系なノリです。
この二つの戦略のどちらかに集中することかなと思います。
今の時代、「普通の会社」からすると、中堅の売り上げがごっそり落ちてきて、厳しい状況になってます。
でも、低コスト開発体制を取っているチームからすると、実は売り上げは少しずつ上がってきていて、しかも利益率も上がっている状態です。
「普通の中ぐらいのレベルの人たち」がげっそりしている一方で、「メガヒットを狙う」タイプと、「低コストでニッチを狙う」タイプの両方が豊かになってきている、ということですね。
大手の会社に属している場合、「自分のやりたいこと」なんか捨てて、メガヒット作品を狙う方がいいでしょう。
これは、もはや努力と根性の世界ですからね。
一方で独立してやっているような人の場合、「コストを抑えてクオリティを出す」というアプローチを早めに取っておいた方がいいかと思います。
低コスト開発体制ってのは、工夫の積み重ねが必要ですからね。
そして、この二極化傾向は、これからもどんどん増してゆくかと思います。
これはどういう世界かというと、私の言葉で言うと、「『世界に一つだけの花』が咲き乱れる世界」、だと言えるかと思います。
みんなが世界に一つだけの花になると。
自分が「世界に一つだけの花」になった人から豊かになる、ということですね。
まとめ
変に中堅どころとか、「そこそこ」を狙うのは、これからの時代は合わないでしょう。
「一発、でっかい花火を打ち上げてやるぜ!」とでっかく考えるか、「ピンポイントで、深さを極める」という深く考えるか。
そのどちらかでないと、生き残れないかなと思います。
ちなみに私は、当然のごとく深さを探究しているタイプです。
で、とことんまで低コスト開発体制を整えている、ということですね。
そんな感じで、今日は「売れるものと売れないものの差が激しくなっていく時代」というお話をしてみました。
今日はここまで~。