今日は、可能性についてお話ししてみましょうか。
「上手くなろう」よりも、「非関連なワクワク」の方が、可能性を広げそう、というお話です。
「もっと上手くなりたい」か「全く関係ないけどワクワクする」か
私たちは、未来をよりよくしたいものですよね。
で、可能性を広げるには、「今よりもっと実力を上げればいい」って思いがちじゃないですか。
漫画を描いている人は、画力を上げたりだとか、ストーリー技術を上げたりすれば、もっと成功する可能性は広がりそうですよね。
だから多くの人が、「もっと上手くなりたい」と思うんですが。
でも最近の私は、「もっと上手くなりたい」というアプローチよりも、「全く関係ないけどワクワクする」というアプローチを取った方が、より可能性が開けるな、と思うようになりました。
これはどういうことなのかというと、例えば私は昔、絵を描いていたんですよ。
で、そういう状態で「上手くなろう」とすると、絵というジャンルの内部を、より深めていくアプローチになりますよね。
画力を上げたり、構図を学ぶとかできるでしょう。
でもその一方で、私は「作曲したい」、「物語も作ってみたい」という、全く非関連なワクワクを持ったわけです。
そしてそんな非関連なワクワクに従っていたら、絵を描いて、作曲して、物語を作って、プログラムも楽しんで、とかやるわけです。
そんなあるとき、思いつくんですよ。
「これ、絵と曲と物語とプログラムで、全部まとめたらゲームが作れるやん」
みたいな。
こうして私は、「絵描き」から「ゲーム制作監督」になりました。
私は、人を指揮するのもできるタイプだったので、より好きなことをトータルでできるようになったわけですね。
可能性を開く、二つのアプローチ
そんな風に、可能性には、二つのアプローチがあるように思います。
一つは、「今していること」に関連するものを、具体的に掘り下げる動きですね。
漫画を描いていたら、絵とか物語、演出を学ぼうとするアプローチです。
この場合の象徴的な言葉が、「もっと上手くなりたい」というものです。
もう一つは、「今していること」とは全くの非関連のものを、自分の活動に結びつけていくことです。
漫画を描いていたけど、なんかイタリア文化にワクワクしたとか、プリキュアの衣装にワクワクしたとか、怪談にワクワクしたとか、そういうたぐいのものです。
多くの人が、「上手くなりたい」と、今していることの延長にしか成長や成功がないと誤解しているように思います。
ほら、よくあるでしょ。
「小説を書かなきゃいけないのに、このゲームをしたい」とか。
「物語を作らなきゃいけないのに、ここに行って、遊びたい」とか。
ほとんどの人が、この「ゲームをしたい」、「ここに行って、遊びたい」には「意味がない活動だ」と思っているんですよ。
抽象度を上げる、という考え方
これは、「抽象度」という言葉でも表現できます。
「今、漫画を描いていて、漫画技術をブレークダウンして学んでゆく」、これを「抽象度を下げる(具体的にする)」と言います。
一方で、「今、漫画を描いているけど、イタリアにも興味がわいた。なら、イタリアの漫画を描くのはどうかな?」っていうのが、「抽象度を上げる」と言います。
漫画とイタリアなんて全く関連性がないところを、関連づけたわけです。
同じように、私が絵を描いていた状態から監督になったのは、抽象度を上げた、というアプローチになります。
すなわち、「全く関係ないけどワクワクすること」って、実は「今していること」に役立てられるんですよ。
思考の抽象度を上げれば、一見全く関係ないように見えても、役立てられると。
最近の私でも、「今、ストーリープロット教材を作っているけど、インフォグラフィックというデザイン技術にワクワクした」っていうことがありました。
もう全く非関連で、そんなことやってもプロット教材には全く意味ないんですよ。
でもあるとき、「そうだ、プロットをインフォグラフィックで表現すればいいんだ!」と気づいたわけです。
こうしてプロットインフォグラフィックが生まれたと。
プロットインフォグラフィックだと、素人でも読みやすくて、楽しめますよね。
だからより多くの人にプロットを見てもらえる媒体になりましたし、宣伝効果にもなったと。
抽象度を上げることで、新たな可能性が開けたわけです。
クリエイティビティーとは、抽象度を上げること
クリエイティビティーというのは、そういう「非関連なものを、一つに結びつける」というアプローチのように思います。
だいたい、「もっと上手くなりたい」っていうのは、道が見えてますよね。
そういう「先が見えている道」って、競争の世界なんですよ。
でも一方で、クリエイティブな方法とは、「既にある道」を選ぶんじゃなくて、全く別方向からのルートを模索する、ということです。
言うなれば、今まで一生懸命走っていたとしましょう。
でも、少しルートを外れたらバスとか電車があって、目的地に早くたどり着けるようになった、みたいな。
そんな新しいルートって、クリエイティビティーを発揮していれば、毎日のように発見するものです。
私たちは、「こうすれば成功できる」と未来を描きがちです。
でも、そんな「見えるルート」は、競争の世界なわけですね。
一方で、「見えないルート」にも、別種の可能性があるわけです。
それが、「全く役に立ちそうにないけど、なんかワクワクする」という道なんですよね。
まとめ
だから、「上手くなりたい」と努力するよりも、「非関連なワクワク」を追いかけることの方が、可能性を広げるように思います。
非関連なものでも、思考の抽象度を上げることで、今の活動に関連づけることができます。
すると、「ああ、こういうルートがあるのか」と、新たな道筋が見えるようになる、ということです。
こうしてどんどん可能性やチャンスが得られるようになると。
ついつい私たちは「見えている成功ルート」にとらわれてしまいがちなので、こういうアプローチで考えてみるのもいいんじゃないかと思います。
それが、「努力ではなく、クリエイティビティーで成功する」というアプローチかなと思います。
ってことで、今日は「上手くなろう」よりも、「非関連なワクワク」の方が、可能性を広げそう、というお話をしてみました。
今日はここまで~。