今日は、うまくいくためのひとつの考え方をご紹介しましょうか。
例えば、「大きな出版社で認められて、本を出版できたらな」とか思うものですよね。
他にも、「あこがれの会社やチームに入って、そこであこがれの人と活躍する」みたいなものもありますよね。
それはそれでいいんですが、これは結構苦難の道になると思うんですよ。
それよりも、自分の「ファン」を大切にする方が、うまくいくし、しかも収入も安定して、大好きなことができるかなと思います。
今日はそういう、「目上の人に取り入るよりも、目下の人を大切にする」という考え方をご紹介してみましょう。
「目上の人」と、「目下の人」という、ふたつのアプローチ
私たちが成功するためには、ふたつの考え方がありますよね。
ひとつは、目上の人に気に入られて、引き上げてもらう方法。
もうひとつは、目下の人に気に入られて、引き上げてもらう方法。
「目上の人に気に入られる」って言うのは、例えば自分よりも成果を出している社長さんとか、出版社の編集者とか、あこがれの人に見初められて、一緒に活動するということですね。
これは、見初められると、確かに売れる可能性はありますよね。
自分の能力を超えて、一気に引き上げてもらえるわけです。
見初められれば、の話ですが(笑
自分より能力のある人に、収入源を委ねる罠
ただ、これには罠があるものなんですよ。
というのも、自分よりも能力のある人に引き上げてもらう場合、多くの場合、収入源がその会社やその人に依存してしまうわけじゃないですか。
すると、自分の「命綱」を相手に握られることになるんですよね。
そこの受注を失ってしまうと、収入の多くのウェイトを失ってしまうわけです。
すると、その会社の方針には逆らえなくなって、いいなりになってしまうわけですね。
自分の命綱を相手に握られた状態で、バンジージャンプなんかできませんよね。
それはすなわち、挑戦できなくなって、無難なことしかできなくなるわけです。
相手より能力がないと、自分は「多くいる人材のうちのひとり」になってしまう
また、もし社長や編集者が自分より能力がある人であれば、その人にとって、私たちは「多くいる人材のうちのひとり」になってしまうわけです。
すなわち、「取り替えがきく歯車」でしかないわけですね。
相手にとって、自分は大切な人でも、かけがえのない人でも、何でもないと。
だったら、相手が気に入らなければ、相手は私たちを切ることもできるわけです。
すると、こちらよりも相手の立場の方が強くなりますよね。
相手のいいなりになるしかないわけで。
だったら、成長もなくなって、楽しいこともできなくなって、次第に生命力もモチベーションも失われていって、うつになっていくわけです。
実際、「あんたなんか、別にうちにいてもいなくても構わないよ」みたいな態度の人を相手にして、でも自分は「そこにいなければならない」という状況だと、すっごいストレスでしょ。
楽しくなんかないですよね。
「目下の人に気に入られる」というアプローチ
その一方で、「目下の人に気に入られることで、引き上げてもらう」という方法もあるんですよ。
これは、自分よりもできる人ではなくて、自分よりもできない人に積極的にアプローチをして、好かれることで、豊かさを得るという考え方です。
「目上の人に気に入られる」のが、出版業界では「編集者に見初められる」だとしましょうか。
すると、「目下の人に気に入られる」のが、「ファンに直接与えて、喜んでもらう」ということです。
特に、同人誌とか、私がやっている電子書籍もそうですよね。
編集者なんか介さずに、ファンに直接渡すわけです。
すると、ファンの人にとっては、私たちは「かけがえのないひとり」になるわけです。
だって、私たちは、私たちにしかできないことをやってるんですから。
多くいるクリエイターやメーカーの中から、わざわざファンの人たちは、私たちを選んでくれてるんですからね。
それだけ特別に好かれている、ということになるわけです。
目下の人に選んでもらうことで、「自分にしかできないこと」の力を発揮できる
また、取り替えがきかないからこそ、いつも私たちから買ってくれるわけで。
そういう人たちがひとりひとりいれば、収入源は多く分散されますよね。
だったら、ひとりのファンが離れたとしても、収入には大きな影響がないわけです。
だから、合わない人には「うちの作品は買わなくていいですよ」と言えるわけです。
編集者に「私の作品は掲載しなくていいですよ」なんて、言えないでしょ(笑
それが、立場の強さの違いだということです。
なぜ自分が選ばれるのかを考えると、「他の人にできない魅力があるから」ですよね。
それはすなわち、ファンから見ると、「自分にしかできないことを突き詰めてやればやるほど、ファンは喜び、増える」ということになります。
それはすなわち、「自分にとって最高に楽しいこと」イコール「自分にしかできないこと」ということになるわけです。
だったら、好きなことを思う存分できて、楽しくないわけがないですよね。
私たちが、自分の判断で、自分の大好きなことをして、喜んでもらえるわけです。
目上の人と、目下の人に受け入れられる、メリットとデメリットの比較
じゃあ、ちょっとまとめてみましょうか。
目上の人に取り入ろうとすれば、メリットは「自分に可能な能力を超えて売れる可能性がある」、「マネジメントを学ばなくて済む」ということです。
デメリットは、「そもそも見初められるかどうか分からない」、「多くの場合、新人賞などは1000人に1人とかいう、激しい競争率にさらされる」、「収入源が依存してしまうので、安定がなくなる」、「仕事を失う恐怖がある」、「好きなことができない」、「相手の申し出に従わなければならない」、「大切にされない」、「歯車にされる」、「いらなくなったら捨てられる」、「ストレスがかかる」、などなど、もう山のようにデメリットがあると。
一方で、目下の人に受け入れられるとどうかというと……
メリットは、「ひとりひとりに喜んでもらえる」、「収入源が分散するので、安定する」、「お客で気に入らない人がいれば、『買わなくていいですよ』と言える」、「お客に『買ってください』と頭を下げなくても済む」、「お客から大切にされる」、「好きなことができる」、「ストレスがかからない」というものがあるわけです。
デメリットはというと、「自分の現在の能力を知る必要がある」ことと、「自分のマネジメント能力を高める手間がかかる」ことでしょう。
で、どっちがいいですか?というお話ですね。
ファンを見てくれる人が、ファンから好かれる
実際に、以前は私も「目上の人」にアプローチする方法をやっていたことがあったんですよ。
その時期は、全くと言っていいほど、もう笑えるほどうまくいきませんでしたから(笑
逆に、ファンのひとりひとりにアプローチする方が、スピードは遅くても、着実に成長していきましたからね。
それ以来、私は完全に、自分よりも能力がある人にはアプローチはしない方向性で行っています。
そんなことやっても、無駄ですし、ストレスがかかると分かってるからですね。
だから、個人や同人でやっているわけです。
そして、多くの人に喜んでもらって、感想をもらったり、お金を得て、「ありがたいな~」と日々感謝しながら、毎日を楽しく過ごせているわけですね。
ただ、これには自分の能力を受け入れる必要があるわけです。
「自分はまだ能力がない」と受け入れる勇気が必要なんですよね。
だからこそ、学び始めることができるわけで。
多くの人が、「自分には能力がない」というのを認めるのが怖くて、「私はすごい人のはずだ」という幻想のもとに、生きているような気もします。
そういう人ほど、目上の人に取り入れられようとして、ファンを無視しているんじゃないかな、と。
実際、新人賞に落ちたら、その原稿をお蔵入りさせてしまう人がいるわけです。
もしひとりでもいるファンを喜ばせることを考えていれば、そんなこと絶対にしないでしょ。
逆を言うと、私たちがあこがれている人が、編集者の顔色ばっかり見て、ファンを全然見ていなかったらどうでしょう。
たぶん、そんな人には魅力を感じないと思うんですよね。
まとめ:うまくいかない場合、「目下の人にアプローチする」という考え方もある
ということもあって、もし目上の人にばかり取り入って成功しようとしていて、それでうまくいかなかったり、幸せを感じられない場合、目下の人を大切に扱うといいんじゃないかと思います。
実際、編集者よりも販売能力ができたら、自分以下のレベルであれば、どこからでも声はかかるかと思いますしね。
すると、主導権を握ることができて、楽しく、好きなことをずっとできるんじゃないかと思います。
ということで、今日は「目上の人に取り入るよりも、目下の人を大切にする」という考え方をご紹介してみました。
今日はここまで~。