今日は、ビジネス的なお話です。

「オリジナルは最初ほどしんどいけど、後が楽になる。二次創作は最初は楽だけど、後がしんどくなる」というお話です。

 

二次創作に対するもやもや

ちょっとした質問をいただいたので、ご紹介。

二次創作にモヤモヤしてしまいます

私は一次創作オンリーの小説・イラスト描きです。

たとえ同じくらいの画力でも、(中略)一次創作のみする人間には、あまり依頼は多くありません。

pixivやツイッターなどでも、画力やセンスがずば抜けていない限りは、やはり版権作品を描く絵師の人気には敵いません。

二次創作・ファンアート・同人誌が大人気なこの時代に、この私の考えはマイノリティなので、今まで誰にもこのモヤモヤを話せずにおりました。

これがどういう気持ちゆえなのか、どう考えたら気が楽になるのか。(中略)お答えを導いていただけましたらそれ以上のことはございません。

 

質問の内容はというと、「二次創作の方が売れやすい。でも自分はオリジナル(一次創作)ばかりで売れにくくて、どうすればよいのか」ということですね。

 

オリジナルは、最初ほど売れない

オリジナルで作っている人なら、この気持ちすっごい分かるでしょ(笑

オリジナルだけでなく、二次創作をやっている人でも分かるかと思うんですが。

 

だって、オリジナルって最初ほど、笑えるぐらい売れないんですよね(笑

ブログを書いてもイラストを描いても反響がないし、ツイッターでも全く反応ないし、作品を出してもほとんど売れなくて。

例えばイラストを描いている人でも、オリジナルの場合だと少ししか反応がないのに、二次創作ならその10倍以上も反応があったりするわけです。

場合によっては、例えば男性向けの場合、エロにしたらこれも10倍ぐらい広がりやすかったりして。

 

すると、個性があって「オリジナルばかり作りたい」という人ほど、なかなか売れないわけです。

それなのに、世の中を見てみると、二次創作ができる人は、自分と同じような技術レベルなのに売れていたり、人気が出ていて。

だけど、自分は二次創作はできない性質なわけです。

他のものにさほど強く興味を持てないし、それよりも「自分の中にあるビジョンを作りたい」という性質を持つから、二次創作をやろうとしてもエネルギーを出せなくて。

そういう状況だと、「同じぐらいの技術レベルでしかないのに、二次創作をしている人と自分とで、なんでこんなに評価の差が出るんだ」と感じて、二次創作に対して怒りとか嫉妬とか羨望とか、いろんな負の感情を持ちやすいんですが。

 

オリジナル側の長所とは?

これは二次創作だけでなく、例えば「大手所属の恩恵を受けている」とか、「たまたま運がよかったことの恩恵を受けている」という状況でもあるでしょう。

自分と同じぐらいのレベルなのに、大手出版社や会社に属していたり、編集者がついているだけで、自分よりも宣伝されているし、売れていたり。

もしくは、例えば大手小説投稿サイトでも、たいしたレベルの作品ではないのに、たまたまランキングに載ったことで人の目にとまり、売れ続ける人もいるわけです。

こういう場合でも、同じように「同じぐらいのレベルなのに、どうしてこの人は売れて、自分は売れないんだ」と、感情が渦巻いたりしますよね。

 

実は、二次創作の人にも、同じようにオリジナルの人に「オリジナルができる人って、うらやましい。どうして自分にああいう才能がないんだ」と歯ぎしりしてねたましく思う素質があるんですよ。

すなわち、オリジナルの人は、二次創作の人が悔しがってうらやましがるほどの、長所があるんだと。

そういう自分の良さが分かると、一気にものの見方が変わるように感じます。

 

「売れる期間」が違う

じゃあどういう良さがあるのかというと、これはいくつかあるんですが、代表的なものに「オリジナルほど、長期的に安定した固定ファンができる」ということがあります。

実は二次創作とオリジナルって、「売れる期間」が違うんですよ。

二次創作は「短期的に売れるけど、すぐに売れなくなる」で、オリジナルは「少しずつだけど長期的に売れる」ということです。

すると、オリジナルは「少しずつ売り上げを積み重ねられるし、積み上がった売り上げはなかなか減りにくく、一つの作品から長期的に収益が得られる」という強みを持ちます。

 

これを簡単に言うと、「オリジナルは最初ほどしんどいけど、後が楽になる。二次創作は最初は楽だけど、後がしんどくなる」ということです。

なら、オリジナルにはオリジナルの良さがあって、そういう戦略をとればいいと分かります。

 

オリジナルでは、お客は「作者のファンになる」

オリジナルやニッチ向けって、いわゆる「お客はその作者のファンになる」ということです。

その場合、読者はその作者の世界観や作風が気に入ったら、「この作者の他の作品も味わいたい」と感じます。

だから、1つの作品が売れたら、他の作品も売れるようになります。

そして作者のファンになるので、後に作品を出した場合でも継続して買ってくれます。

 

例えば私の場合、ニッチな電子書籍を書いて売ってます。

私は独立してやっていて、出版社の力も宣伝力もないので、最初に出した本なんて1ヶ月に1桁冊しか売れないわけです。

当然、一般の書店に並ぶこともないし、当時は電子書籍と言うと「紙の本よりも下だ」と思われていた時代です。

 

ただ、リリースから5年以上経った今でも、継続的に同じぐらい売れているんですよ。

毎月多少の上下はあれども、大きく落ちることなく、ちまちまと売れ続けると。

 

そして、別の作品をリリースすると、ちまちまと売り上げが積み重なります。

で、新作を気に入った人が過去作品も読んでくれるので、過去作も少しずつ売れることもあります。

すると固定ファンもできるし、長期的に安定する売り上げができるわけです。

これは、作者が自分の世界観を出せている限り、ファンは熱心に買ってくれます。

 

二次創作は「作品や流行のファン」が来る

一方で二次創作やメジャー向けの場合、「(作者ではなく)作品のファン」や「流行のファン」が来るので、その作品を読み終わったら、すぐに他の作者に移ります。

だから、1つの二次創作作品が売れても他の作品は売れないし、その元となる作品のブームが去ったら、その二次創作作品もほとんど売れなくなります。

 

これは、作品だけでなく、メジャー系でも同じです。

実際、とあるメジャー系の漫画を描いている人は、リリース後3ヶ月もしたら、その作品からほぼ収益がなくなるわけです。

それに、例えば角川系(いわゆる最もメジャー側)のウェブ漫画でも、一覧には作品タイトルしか掲載されてなくて、作品詳細ページですら作者名は探さないと分かりませんからね。

そんな場所で、「作者のファン」なんてできるはずもなく。

実際に、読者からは「この絵柄は、あの作品と同じ作者か」と言われるぐらい、メジャー系では作者が誰かなんてどうでもいいんですよ。

 

だから、そういう場に属しているほど、すぐに売り上げはできますが、作者のファンはほとんどできません。

そして、作者はいつも流行をチェックしなきゃいけないし、「短期的に売れるもの」を作り続けなきゃいけなくて。

 

メジャー系は、後から苦しくなる

メジャー系って、若いうちは自然と流行に乗れるし、お客さんとの感覚も同じなのでいいんですよ。

でも作者が30代とか40代になってくると、少しずつ流行に興味がなくなったり、流行からは感覚がずれてきます

それは当然で、例えば若い頃にバブルに影響を受けた世代と、ゲームが出てきてゲームに影響を受けた世代、ネットが出てきてネットに影響を受けた世代、スマホに影響を受けた世代、コロナウイルスに影響を受けた世代、それぞれ生き方も考え方も違います。

すると、やっぱり「感覚が違う」となって流行について行けなくなるし、なかなか売れにくくなると。

 

なら、そういう「流行に合わせられなくなってきた人」から見ると、オリジナルができる人って、もう「私はそんな素質が欲しかった」と涙を流してうらやましがることになります。

だって、自分の好きな軸を持てていて、それに集中できて、固定ファンもできているんですから。

オリジナルだから、「自分軸を出せばいい」で、自分を変える必要はありません。

お客は流行ではなく、作者の感性を欲しているからですね。

なので、50代になろうが90代になろうが、オリジナルは売れ続けやすいと。

 

しかも、過去作が長期的に売れるので、毎月必死で働かなくても、後になるほど楽になります。

メジャー系は、毎月働き続けなければ収益は得られませんが、「作者のファン」がいれば、少々長期休暇をとっても安心です。

だから、後々で響いてくるわけですね。

 

目先の損得に振り回されない

ある意味で、目先の損得だけで、振り回されないことですね。

目先では苦しくても、未来では、意外と「自分なりの道を選んでよかった」と感じることもあるんですよ。

 

レールから外れて生き始めると、最初ほど「レールの上にいられる人」を見ると、複雑な気持ちになりますよね。

お金がなくてしんどいし、そういう人たちと比べると、自分がみじめに感じてしまうこともあって。

周囲の人たちは、会社勤めをできたり、雇われることで、大きな給料を得られて、遊びに行ったり、旅行に行ったり、外食とか買い物を楽しめているわけです。

でも、かたや自分はお金もないし、友人や知人から誘われても「お金がないから」と言い出せずに、適当な嘘をついてごまかして、その嘘が嫌で自己嫌悪に陥ったりして。

そして、そういう「大きく消費して輝いている人たち」を見ると、うらやましかったり、ねたましかったり、自分が情けなかったりで、劣等感まみれになったりするんですが。

 

だけど、長期での良さがあると分かると、受け入れやすくなるんじゃないかと思います。

ある意味で、吹っ切れて我が道を進むほど、そういう「短期を繰り返してうまく行っている人」は気にならなくなるかと思います。

だいたい、自分を殺して生きるよりかは、だいぶマシですからね。

 

まとめ

なので、「オリジナルは最初ほどしんどいけど、後が楽になる。二次創作は最初は楽だけど、後がしんどくなる」と理解するのもいいかと思います。

そしてそういう良さがあると分かると、どこで耐えればいいのか、そしてどうやって戦えばいいのかが分かるかなと。

 

これはオリジナルでやっている人だけでなく、二次創作の人でも、「レールから外れて、自分の生き方を模索する」という人には通じることかなと思います。

「人生レベルでの良さもある。少なくとも自分は自分に正直に生きているし、納得して生きられる道を選んでいる。自分なりに、少しずつよくなっていけばいい」

そう分かると、より楽になれるかもしれません。

 

ということで今日は、「オリジナルは最初ほどしんどいけど、後が楽になる。二次創作は最初は楽だけど、後がしんどくなる」というお話でした。

今日はここまで~。

この記事をシェア:
Share