今日は、健康についてのお話です。
アトピー性皮膚炎や食品アレルギーが出るメカニズムを、私なりに語ってみることにしましょう。
これはずっと「いつか語ろう」と思っていたんですが、なかなか機会がなくて伸ばし伸ばしにしていたものです。
アレルギー持ちではない人にとっては無関係ですが、ロジックそのものは応用できるかもしれません。
アトピー性皮膚炎、食品アレルギーが苦しい!
アトピー性皮膚炎とか、食品アレルギー持ちの人って、いるかと思います。
アトピーの場合、身体がかゆくなったり、皮膚がボロボロになるのはしんどいですよね。
また、食品アレルギー(遅延型フードアレルギー)の場合でも、「卵が食べられない」とか「乳製品がダメ」とか言うのは、しんどいもので。
私自身が幼い頃からアトピーを持っていたし、大人になっても時折アレルギーが出ていたので、ずっと悩まされていました。
ですが、去年に肝臓を痛めたことがあって、そこでいろいろ学んだんですよ。
それで今年に入って、ようやくアトピーや食品アレルギーのメカニズムが、私なりに理解できたように思います。
で、私なりの理論構築と対策をすることで、今では完全にアレルギー症状は消えたし、乳製品をじゃんじゃん食べても大丈夫になりました。
なので今日は、そういう「アトピーや食品アレルギーが出るメカニズム」を語ってみようかと思います。
すると、対策が理解できるかと思います。
(注意事項)
なお、今回はアトピー性皮膚炎をメインに、食品アレルギーも少し含む範囲での内容です。
花粉症のアレルギーとか、急性のアナフィラキシーショックについては、今回の内容には含みませんのでご注意ください。
また、今回の内容は私がロジックのみ、頭の中でくみ上げて、私の身体で実験して効果が出ただけのものです。
だから一般の人に当てはまるかどうかは検証していないので、「現段階では仮説である」ということを前提に読んでもらえればと思います。
アトピーやアレルギーの謎
とりあえず結論から言っておくと、アトピーや食品アレルギーのかゆみは、「元々肝臓の弱い人が、肝脂肪を蓄えることで、肝脂肪が消化される時に出る現象」だということです。
そしてその対策として、「食べ物をよくかんで、時間をかけて食べること」をおすすめします。
アトピーを持つ人なら、次のような謎の症状や現象を持つことが多いかと思います。
- 季節の変わり目に出やすい
- 冬場になると、特に出やすい
- 冬場、急に寒い場に出てしばらくすると、かゆみが出やすい
- 夜、寝ているときに肌をかきむしることが多い
- 少しかきむしるだけで、すぐに肌が荒れるし、血が出る(皮膚が弱いし、血が固まりにくい)
他にも、いくつかの「アトピーやアレルギーの謎」があります。
- 「やせ形なのに、よく食べるタイプ」にアトピーが多い
- 昔(戦後直後や戦前)は、アトピーやアレルギーという概念はほとんどなかった
- アレルギーを引き起こす食品は、卵や牛乳などの「栄養価が高いもの」に多い
そしてこれらの謎は、「肝臓起因である」と想定すれば、すべてを見事に説明できるようになります。
皮下脂肪と肝臓、どちらに脂肪をためやすいか
私の中では、「皮下脂肪(特にお腹)に脂肪をためやすいタイプ」と、「皮下脂肪よりも、肝臓に脂肪をためやすいタイプ」がいるように思います。
私は「社会で生きるタイプ」ほど皮下脂肪をためやすくて、「新境地を開拓するタイプ」ほど肝臓に脂肪をためやすいのではないか、と予想しています。
だから社会で生きられる人ほど(お腹周りが)太りやすくて、新境地を開拓するタイプほど太りにくいと。
そんな風に、社会で生きられるタイプを「社会維持型」、新境地を開拓するタイプを「境地開拓型」と呼ぶことにしましょう。
実際に人々を見ていても、「工夫ができるタイプ(境地開拓型)ほど、太りにくい」という傾向があるように思います。
ですがそれは、実際は「太りにくい」ではなくて、「皮下脂肪よりも、肝臓に脂肪をためやすい」のではないかと思います。
皮下脂肪よりも、肝臓に脂肪をためる方がいい理由
というのも、新境地を開拓する場合、いろんな危険があるものです。
例えば狩猟採集時代でも、人々のいる社会から離れて新境地を開拓していると、肉食獣などがいるかもしれませんし、身軽に動けないとダメなこともあるでしょう。
その場合、もしエネルギーを皮下脂肪として蓄えてしまうと、動きにくいし、栄養を取ってくるのにも時間がかかるので、すぐにエネルギーにできません。
ですが皮下脂肪ではなく、肝臓に脂肪を蓄えやすくすると、すぐにそのエネルギーを使えます。
お腹から取ってくるよりも、肝臓に蓄えている方が、すぐにエネルギー生成ができて使えますからね。
だから境地開拓型ほど「やせ形が多い」のだろうと思います。
一方で、社会維持型ほど、そういう危険は少ないものです。
社会は守られている環境なので、肉食獣などいませんからね。
なら、皮下脂肪を優先してエネルギーを蓄える方が、肝機能を最大限に使えるし、より多く栄養をため込めて、飢餓にも対応できます。
「やせているのに、肝脂肪を蓄えやすい」という体質
すると、私たちは一つ誤解をしていると分かります。
それが、「やせている人は、皮下脂肪をため込んでいないから、健康である」という誤解です。
普通は「太っている人が、さらに食べ過ぎて不健康になると、肝脂肪を蓄える」という流れです。
ですがそれは、社会維持型の「皮下脂肪を優先する」というタイプで起こる流れです。
境地開拓型は、そうではなくて「やせているのに、肝脂肪を蓄えやすい」と言えます。
すると、「やせの大食い」ができてしまうんですよね。
だって、皮下脂肪にならないから、「食べても大丈夫なんだ。私は太らない」と安心してしまうわけです。
ですが実際は、皮下脂肪にならないだけで、肝脂肪として膨大な栄養が蓄えられていることになります。
肝臓が元々弱いタイプの人に、問題が出る
そこで肝臓が元々強い人なら、別に問題ないんですよ。
ですがたまに、肝臓が元々弱いタイプの人がいます。
その場合、そういう肝臓が弱い人が食べ過ぎたり、栄養を取り過ぎたりすると、肝臓の働きが落ちてしまいます。
食べ過ぎると肝臓は肝脂肪を蓄えてしまって、「肝臓の使える部分」が減ってしまうからですね。
そして肝臓の働きが落ちると、肝臓起因の問題が出始めます。
肝臓の多彩な役割
ちなみに肝臓(かんぞう)は、内臓でも「身体の調子を整える」という一番の役割を担っています。
で、この肝臓は、1つの臓器なのに、次のような多くの役割を担っています。
- エネルギーの変換・生成・貯蔵
- 体温調整
- 食品の解毒作用
- 消化液や、血液凝固をうながす物質(血液凝固因子)の生成
そして人間が生存するには、「エネルギーの変換・生成」と「体温確保」がより重要です。
なので肝臓の働きが落ちると、身体は「エネルギーの代謝・生成」と「体温確保」を優先して、自然と「解毒作用」や「消化液、血液凝固因子の生成」は落ちてしまいます。
だからアトピーは「冬になるとよく出る」し、「季節の変わり目に出やすい」と言えます。
冬になると体温確保で肝臓が使われるので、肝臓の働きがさらに落ちるわけです。
また、季節の変わり目も同じように、体温調整が頻繁に起こるので肝臓の働きが落ちやすいと。
血液凝固因子が出ないから、肌がすぐにただれる
同時に、肝機能が弱まると、肝臓から血液凝固因子が出にくくなります。
つまり、「血液が固まりにくくなる」ということです。
なので、少しかきむしるだけで肌が荒れるし、血が固まらないので皮膚がただれて、それでかゆくなってさらにかきむしる、というスパイラルが生まれてしまいます。
また、血液が固まらないので、傷口から浸出液(血とは違う、透明な体液)が出て止まらない傾向にあります。
実際に季節の変わり目は、湿疹(しっしん)とか、ぶつぶつのような皮膚炎症が出やすいものです。
それは肝臓が弱くなるから、血液が固まりにくくなって、皮膚が荒れやすくなるからですね。
普段なら皮膚をかいてもすぐに血液が固まるので、「少し赤くなるだけ」で皮膚が元通りになります。
ですが血液凝固因子が少なくなってしまっていることで、少しかきむしるだけでも治らなくなって、ひどく荒れてしまうと。
昔にアトピーやアレルギーがなかった理由
で、これが分かると、なぜ「昔はアトピーや食品アレルギーがなかったのか」、「なぜ卵や牛乳など、栄養価の高い食品でアレルギーが出やすいのか」が説明できます。
それは、昔は摂取栄養量が少なかったので、肝臓に脂肪があまり蓄えられなかったからですね。
だから昔には、アレルギーがほとんどなかったと予想できます。
また、卵や牛乳など、栄養価が高いほど肝脂肪がたまります。
特に卵や牛乳は安価なので、大量に食べがちです。
だからそういう「栄養価が高くて大量に摂取できる食品」ほど、アレルギーが出やすいのではないかと予想できます。
そういう「私はやせているから健康だ。食べ過ぎても大丈夫」という誤解が、大きな落とし穴になっているのではないか、ということです。
問題は皮下脂肪ではなく、肝脂肪にあるんだと。
「肝脂肪を消化する段階」でかゆみを引き起こす
そしてアトピーには、一つトリッキーな現象があります。
それが、「肝臓が、肝脂肪を消化する段階になると、かゆみを引き起こす毒素を出す」ということです。
「食品を消化する段階」ではなく、「肝脂肪を消化する段階」というのが、アトピーの原因を分からなくさせている要因のように思います。
肝臓は、肝臓に蓄えられた肝脂肪を消化するとき、オピオイドという「かゆみを引き起こす物質」を出します。
ほら、例えば急に階段を駆け上がったり、急に走って汗ばむぐらいになったとき、汗と一緒になんだか全身がかゆくなることがありますよね。
あれがオピオイドのかゆみです。
本来は、そのオピオイドは麻薬性の鎮痛目的で出るものです。
きっと、「肝脂肪を多く消費してまでエネルギーを欲する状態は、生命の危機が迫っている状態が多い」という、生命の機能なんだろうと思います。
「お腹周りの脂肪を使う時間的余裕がない」という状況なので、危機的状況なことが多いから、そうなっているんでしょう。
緊急時にストレスを抱えると、全身にかゆみが出る現象
ですがそのオピオイドは、かゆみをもたらす副作用を持ちます。
実際に緊急時に焦った時って、全身がかゆくなることがありますよね。
まぁ緊急時には「危機的状況」に意識を向けるので、あまりかゆみは意識しないかもしれませんが、なぜか「緊急時に出る、謎の全身かゆみ現象」は結構あるものです。
ひょっとするとそれは、緊急時でストレスが大きいので、かゆみを併発することで肉体的な刺激を与えて、注意を多方向に向けているのかもしれません。
緊急時は、1つのことに意識を集中すると、他のことに意識が回らなくなって致命的になることがありますからね。
ですがかゆみをもたらすことで、あえて注意力を反らせて、1つのことに集中せず、いろんな危機に対応できるように感覚を広げられるわけです。
この原理は、昨日の記事で詳しく触れているので、そちらをご覧ください。
また、そのかゆみは「中枢性のかゆみ」と言って、いわゆる「幻想のかゆみ」です。
かゆみには、「末梢性のかゆみ」と「中枢性のかゆみ」があります。
そして前者が「皮膚に異物が付着して、かくことで物理的に異物を取り除く」ためのもので、後者が「異物がないけれども、なぜか全身がかゆくなる」という現象です。
これもきっと、緊急時のストレス対策として、あえて「かゆくない場所でも、かゆくする」と分散しているんだろうと思います。
だからアトピーはかゆくなる
だからアトピーは、「異物がないのに、全身がかゆくなる」という現象になると言えます。
で、全身の中でも、股関節や脇、足や腕の関節内側は、皮膚がこすれやすくて、刺激を受けやすい場所です。
なのでそういう場所に「かゆいのかも」と意識が向いて、その場所をかきむしりやすくなると。
また、実際にかくと、皮膚がただれるので、それが刺激になって再びかきむしってしまう、という流れになります。
「肝脂肪を消化する」タイミングでかゆみが出る
なので、そういう「食品を消化する段階」ではなく、「肝脂肪を消化する段階」でかゆみが起きるのが、アトピーを分かりにくくしているように思います。
遅延型フードアレルギーでも、人によって大きく誤差が出るのは、その辺のメカニズムが関与していそうに思います。
で、私の場合、そういう「肝脂肪を消化する」というタイミングが、食後5~8時間後ぐらいでした。
私の場合、それぐらいの時間帯でかゆみが起きやすかったと。
すると、夕食でしっかり食べた後の5~8時間後は、だいたい深夜で、寝ている状態です。
だから夜寝ている時に、肌をかきむしりやすくなるんじゃないかと思います。
治癒に向かう時に起きる誤解
そしてこれは、治癒に向かう時にも、誤解を引き起こします。
というのも、根本原因は「肝脂肪が蓄えられたこと」です。
だから肝脂肪を減らしてゆくと、アトピーは消えてゆくことになります。
ですが、実際に肝脂肪を消化して減らそうとすると、必ずかゆみが出るわけです。
だから例えば運動でもして肝脂肪を消化すると、かゆみが強く出てしまって「症状が悪化した」と勘違いしてしまうと。
それが、アトピーの原因特定を困難にして、治癒しにくくしている要因のようにも思います。
食べ物をよくかんで、時間をかけて食べること
そう考えると、「アトピーやアレルギーの謎」はすべて解明できます。
問題は「肝脂肪が蓄えられたこと」で、「肝脂肪が消化される時、オピオイドというかゆみ物質が出て、幻想のかゆみが出る」ということです。
この原因が分かれば、対策は自然とできるかと思います。
単純な話、「やせの大食い」をやめればいいんですから。
そのために、「食べ物をよくかんで、時間をかけて食べること」をおすすめします。
よくかんで食べると、消化吸収がしやすくなるし、満腹感も出やすくなるし、肝臓の解毒作用も楽になるので、肝臓負担が楽になります。
すると食べる量も減らせるし、肝脂肪も少しずつ減ってゆきます。
一気に減らそうとしないこと
重要なのは、「肝脂肪が原因なんだ」と無理に運動やダイエットをして、一気に減らそうとしないことです。
一気に減らそうとすると、不健康なやせ方をします。
というのも、先に皮下脂肪が減って不健康なやせ方をするし、一気にかゆみが出るしで、げっそりした状態になります。(自分の身体で試行錯誤済み)
つまり、「皮下脂肪ばかりが先に減って、肝脂肪は全然減らない」みたいな苦しい状態になると。
なのでしっかり食べ物をかんで、2~3ヶ月ぐらいかけて、少しずつ食べる量を減らしてゆくとよいでしょう。
確かに最初は、かゆみが出ます。
ですが少しずつ楽になってゆくかと思います。
私の経験では、こうなりました
実際に私はよくかんで食べるようになって、アレルギー症状は完全に消えました。
2~3週間目から効果が出てきて、1ヶ月程度で明らかによくなってきて、2ヶ月後にはほぼきれいになり、3ヶ月目には完全に消えてました。
また、私は乳アレルギー診断を受けていましたが、乳製品をがっつり食べても大丈夫になりました。
そして肝臓がよくなると、身体が軽くなるんですよ。
過去では特にビタミンB系(肝臓を強化して、疲れにくくする栄養素)が必須だったんですが、それらがまったく必要なくなりました。
肝臓が楽になると、少々運動しても疲れませんから。
まとめ
そういう意味でも、アトピーやアレルギーは「肝臓と肝脂肪が原因なんだ」として、対策を試してみるのもいいかと思います。
肝脂肪分解時のオピオイドが、幻想的なかゆみの根源だと。
そして肝臓が痛むと血液凝固因子が出にくくなるので、皮膚がただれやすくなるわけです。
で、対策としては、「やせの大食いをやめる」、そのために「よくかんで、時間をかけて食べる」ということですね。
また、アトピーでは有名な「揚げ物を食べると、かゆみが強くなる」というのも、肝機能が低下するからだと予想できます。
揚げ物には酸化した油が多いので、肝臓でその解毒作用が必要になり、肝機能が落ちる、ということです。
ロジックとしては筋が通っていると思うので、誰か皮膚科などのお医者さんで検証できる人がいれば、検証をしてみるのも面白いかもしれません。
(ひょっとするとアトピーの人は、血液検査で肝臓γ-GTPの値が上昇傾向かもしれません。私自身は血液検査は受けいていないので、未検証ですが)
原因が分からなくて途方に暮れている人は、最後にこのアプローチを試してみるのもいいかと思います。
ということで今日は、アトピー性皮膚炎や食品アレルギーが出るメカニズムを、私なりに語ってみました。
今日はここまで~。