今日は、久しぶりに作家向けの内容です。
「魅力的なキャラクターを作る方法」という内容で、お話ししてみましょう。
「自殺探偵」のキャラクターがよかった
晴十ナツメグ先生(うちで絵を描いてくださった漫画家さん)の新作漫画「自殺探偵」を見たら、これが面白かったんですよ。
◼︎お知らせ:2月12日発売の「ゲッサン3月号」の付録「ゲッサンmini+」に「自殺探偵」(36P)載ってます。是非読んで下さい! pic.twitter.com/qPl158iInW
— 晴十ナツメグ@3巻1月27日発売 (@Seiju_natsumegu) February 12, 2016
(追記:こちらのページ(Pixivコミック)で、この漫画を閲覧できるようになりました。是非どうぞ)
簡単に内容を言うと、主人公の一人(恋人役)の女性刑事「福の神なのか」は、自殺事件を検証する刑事です。
そんな女性刑事が、「祝(いわい)くん」という自殺方法のスペシャリストである学生と出会うことで、難事件を解決してゆく……という探偵ものなお話です。
で、この作品で筆頭にあげられる魅力として、主人公(探偵役)の祝くんのキャラクター性があると思うんですよ。
もう明らかに病んでいる見た目と性格で、実際にちょっとでも傷つくと、すぐに自殺しようとするという(笑
で、ことごとく自殺に失敗することで、自殺方法を研究して、ついには自殺のスペシャリストになってしまったと。
そんな探偵役の祝くんが、「自殺方法」という点ではこだわりがあって、そのノウハウで難事件を解決してゆくことになるわけです。
キャラクターには二面性を持たせるといい
キャラクター性をよくするテクニックとして、「二面性を持たせるといい」ということがあります。
これは、簡単に言うと「普段はこうだけど、いざとなるとこうなる」という、別の人格が現れるような、人間が持つ多重性のことですね。
ほら、昔の設定では、「いじめられっ子の男の子が、悪と戦う勇敢なヒーローになる」ってよくあったじゃないですか。
これは、「弱虫」という主人公が、いざという時には「英雄」になるという、そういう別人格を持つわけです。
「自殺探偵」で言うと、探偵役の祝くんは、普段は自殺願望のある、自信のない、精神的に病んだ男の子なんですよ。
でも、ひとたび自殺について語らせれば、超すっごいわけで、しかも(なぜか)かっこいいと。
こういうギャップが、キャラクターに深みを与えるわけですね。
まとめ
普通は、キャラクター設定というと、「優しい」とか「優等生」とか、一面的なものを作りがちですよね。
でも魅力的なキャラクター設定というのは、一面的なものではなくて、多面的なものだということです。
「こういう時はこういう性格だけど、こういう状況になると、こういう性格になる」
「普段はこういう性格だけど、危機的状況になるとこんな性格になる」
こういう風に、二面性を与えることで、キャラクターに深みを持たせて、魅力を与えることができます。
すなわち、「状況に応じてこんな風に変わる」という設定が、魅力を増すんだということです。
で、この「二面性を与える」という作り方も、実は初心者向けのキャラ設定方法でしかありません。
プロフェッショナル向けに、私なりの、もっと根源的なキャラクター設定テクニックがあります。
これは、明日にでも紹介することにしましょう。
ってことで、今日は「魅力的なキャラクターを作る方法」ということで、まずは「二面性を持たせるといいよ」ということでお話ししてみました。
今日はここまで~。