今日は、クリエイティブなお話です。
「工夫に着目すれば、ビジネスの種が見える」、というお話をしてみましょう。
「パンの袋を止めるアレ」で作った猫
今日も興味深いネタツイートを一つ、ご紹介。
母がパンの袋とか止めるあれで猫錬成してた pic.twitter.com/tw2CDyIsCd
— ののくす (@no2xnox) May 10, 2017
見ての通り、パンの袋を止めるアレ(独特な形のクリップ)ですね。
で、「これを中央で割ると、動物のようなシルエットになる」ということで、それに顔を描いたりして、可愛い猫を量産していると。
簡単に作れて、しかも可愛いので、これは素晴らしい発想ですよね。
「ビジネスの種」をどう見つけ、育てるのか
「ビジネスの種が欲しい」とか、「自分独自の強みが欲しい」という人は多いんじゃないかと思います。
でも、なかなか「ビジネスの種」が見つかりにくいものです。
じゃあ、どういう風にビジネスの種を見つけて、それを育てていけばいいのか。
今日はその一連の流れを、この「パンの袋を止めるアレ」の例を用いて説明してみましょうか。
工夫した点に、ビジネスの種がある
で、今日の記事の中で一番重要なのは、「工夫した点にビジネスの種がある」ということです。
自分なりに工夫した点を見つけ出して、そこに着目しましょうと。
もし工夫点が見つからない場合、「どうやったらもっと自分の欲求を実現できるか」と考えて、できるだけお金をかけずに工夫してみましょう。
そのために、工夫をする際、自分に与えられた「嫌になるほどある、価値のない(ように見える)もの」に着目するわけです。
人によっては「こういうカップリングが好きだけど、実生活では全く役に立たない好み」かもしれませんし、最近の例では「戦闘シーンの演出のみやたら好きな性質」かもしれません。
「庭にレモンが山ほどあって困ってる」ということかもしれませんし、「可愛いものに囲まれたいという欲求と情熱」かもしれません。
与えられた「特別なもの」を生かす、という発想
上記の母親の場合、きっと「可愛いものが好き」、「もっと可愛いものに囲まれたい」という欲求があったんじゃないかと思います。
そんなとき、「パンの袋を止めるアレ」が余っていたのに気づくわけです。
普通に考えると、これってどこからどう見ても、ただのゴミですよね(笑
「可愛いもの」とは、全く非関連のもののように見えます。
これを少し違う形で表現すると、例えば天の神様がいたとして、人が生まれる前に、一人一人に「特別なもの」を与えているわけです。
「お前には、小説の才能を与えよう」、「お前には、絵の才能を与えよう」と、順番に与えて、世に送り出していると。
で、ワクワクしながら待っていると、ついに自分の番になって。
それで神様は、言うわけです。
「お前には、『パンの袋を止めるアレ』を与えよう」と。
「いやいやいや、今までの流れで、なんで自分だけ『パンの袋を止めるアレ』やねん!」ってツッコミたくなるでしょ(笑
「せめてちゃんとした名前があるものにしてよ!」みたいな(笑
でも、神様の言うことは絶対ですからね。
だから、膨大な数の「パンの袋を止めるアレ」と共に、この世に生まれてきてしまったと(笑
「与えられたもの」に工夫をすることで、価値を作り出す
で、現世では、「パンの袋を止めるアレ」なんて、ただのゴミなんですよ。
業者に売り込もうとしても、安売り合戦で全然利益にならなくて。
そして「どうして神はこんなゴミを私に与えたのですか。私は可愛いものが好きです。だから、私も人々がうらやむような、可愛い仕草を描ける小説の才能や、可愛い絵を描ける才能が欲しかったのに!」と嘆くわけなんですが。
そうじゃないんだと。
その「与えられたもの」に工夫をすることで、価値を作り出すんだ、ということですね。
そこで、たまたま「あ、真ん中で割ったら、動物のシルエットに見える」と気づいたんでしょう。
で、猫っぽく描いたら、なんかかわいらしくなって。
これが工夫です。
そして可愛いものが好きだから、そんな発想ができたんだと。
ビジネスの種に工夫を加えて、圧倒的なものに育ててゆく
なら、この工夫がビジネスの種になります。
現状では、あくまでこれは種でしかありません。
ただの主婦が作った暇つぶしレベルですからね。
この種を、人々が「欲しい!」と言うぐらいまで圧倒的にして、育てる必要があります。
そこで、自分の特性を考えて、独自スタイルを作ります。
やりたくないことはばっさりカットして、やりたいことに集中して、それで圧倒的なものを作ります。
「パンの袋を止めるアレ」で言うと、こういうのはフィギュアに分類されると分かります。
なら、楽しさの本質を見ると、「作ることを楽しむ」か、「見て楽しむ」かのどちらかになると分かります。
その方向性に向かって、どんどん工夫を重ねていこう
なら、ここから工夫を重ねていきます。
「作ることを楽しむ」を追求する場合、工夫をして、さらにいい作り方を研究していきます。
例えば「簡単に作れること」を重視した場合、きれいに割れるように、中央に切り目を加えられるかもしれません。
なら、幼稚園にでも持って行けば、「こうすれば、簡単に動物が作れます」と幼稚園児に楽しんでもらえるかもしれません。
立てやすいように、何らかの支えを加えることもできるかもしれませんし、割れて二つに分離しないように、内側にシールでも貼って補強できるかもしれません。
耳の部分などを削って、もっと動物っぽいシルエットにできるかもしれませんし、模様や顔をシールとして用意することで、貼るだけで可愛い表情や模様を作れるかもしれません。
「見て楽しむ」を追求する場合、もっと可愛い描き方を研究できるかもしれません。
もっとリアルな描き方にできるかもしれませんし、逆にシンプルにして、ゆるキャラのようにできるかもしれません。
猫だけでなく、コーギーとかミニチュアダックスみたいなメジャーなペットとか、馬とか牛とか、いろいろ作れるかもしれません。
ジオラマ風に、風景となる土台を作れるかもしれません。
そのマニュアルを作ったり、作り方を売ることもできるかもしれません。
3Dプリンターや他の小物などで、フィギュア用のアクセサリーを作って、追加することもできるかもしれません。
「工夫の集合体」が、「その人なりの世界観」になってゆく
そういういろんな可能性を、自分の好みに合わせて絞り込んで、研究するわけです。
種を育てるには、この研究部分が必須です。
そして、その「工夫の集合体」が、「その人なりの世界観」になっていきます。
よくあるうまくいかない例が、「私はこれが好きだ」、「みんなはこれが好きだ」だけでやってしまうんですよね。
「絵が好きだから、絵で収益を上げたい」みたいな。
それは、「イラストレーター募集」みたいな仕事はできたとしても、競合が多すぎるので「自分なりのビジネス」はしにくいものです。
自分独自の強みというのは、「みんなが評価すること」以外の部分にあるんですから。
すなわち、「価値がないと思っている部分に、価値を見つけ出す」ことが必要なんだと。
「パンの袋を止めるアレ」で言うと、上記のように、もっと作りやすく加工するか、もっと可愛くできるように研究します。
そしてそれを圧倒的なレベルにできれば、「これ、本当に『パンの袋を止めるアレ』なの!?」、「こんなに可愛くなるの!?」と驚かれるぐらいになります。
なら、「幼稚園児以下向け、可愛く作れるニャンコ牧場セット」とか、「好みのシールを貼るだけで、ペット牧場を作れるジオラマセット」みたいなコンセプトが作れるかもしれません。
すると、今まで1個1円でも売れなかったようなゴミが、1個100円とか、マニュアルや制作キットセットで1000円とかで売れるようになったりするわけです。
以前に「ホイップる」という、ケーキのようなアクセサリーが作れるおもちゃを紹介しましたが、そんな要素も参考にできると分かります。
で、「パンの袋を止めるアレ」なんて、他の人は誰も持ってませんからね。
持っていたとしても、少しだけで。
だから、あふれんばかりの「パンの袋を止めるアレ」を持つその人が、一気にナンバーワン&オンリーワンになれると。
ゴミだと思っていたものが、恵みに変わる瞬間です。
まとめ
そんな風に、「ビジネスの種が欲しい」とか、「自分独自の強みが欲しい」という場合、工夫に着目するといいでしょう。
自分なりの工夫が、自分独自の強みになるんだと。
で、そこで「与えられたもの」に着目して、工夫をしてみましょうということです。
私たちは、そんな「パンの袋を止めるアレ」を持っています。
その「ゴミのように見えるもの」に価値を見いだして、そこにどんどん自分なりの感性や性質を投下して、工夫をして輝かせるわけです。
絵を描くことが好きなら、どう工夫して「困るほど有り余っているそれ」を利用するのか。
小説やシナリオを書くことが好きなら、どう工夫して「困るほど有り余っているそれ」を利用するのか。
すると、自分にとって有利な、ビジネスにできるものが仕上がってゆく、ということです。
ということで、今日は「工夫に着目すれば、ビジネスの種が見える」、というお話をしてみました。
今日はここまで~。