今日は結構、どうでもいい話です(笑

なぜ昔の人は、「肉を食べると太る」と思い込んでいたのか、ということについて考えてみましょう。

 

糖質制限で見事にダイエットできたお方

私にとって、古くからのなじみの方がいるんですが、その方が糖質制限を始めて81日間で、体重10kg減を達成したとか喜んでいたんですよ。

すごいですよね。

よくよく考えてみると、10kgって、10kgの米袋と同じ重さですからね。

その重さを2ヶ月ちょいで、しかもこの方は甘いものとか炭水化物もちょくちょく食べながら減らしたとか、やっぱり威力あるな~と感じたんですが。

 

ちなみに私も、ずっと糖質制限を続けています。

私は元々太らない体質なので体重は関係ないんですが、それでもだいぶ調子よくなりましたからね。

一時期アレルギーで試行錯誤をしていたんですが、食べるものをローテンションで変えるようになってから、ぐっとよくなりました。

 

なぜ「肉を食べると太る」と思われていたのか

私の周囲でも、もうだいぶ「太る原因は炭水化物(パンやお米、砂糖や麺類)だ」というのは、周知の事実になっているように感じます。

そもそも肉を食べても、腸内でアミノ酸に変換されて、そのアミノ酸は体内に蓄えられませんからね。

逆に炭水化物は腸内で糖に変換されて、体内でインスリンと結びつくことで、脂肪となり蓄えられます。

 

でも、少し前までは、「肉を食べると太る」って言われていたんですよ。

今とは正反対で、今の感覚からすると、「マジですか!?」って勢いですよね。

じゃあ、なぜそんな「大いなる誤解」が生まれてしまったのか、今日はそのメカニズムを考えてみましょう。

 

ついうっかりはまってしまう、思考の罠

これは、言われてみると「確かにそう思って当然!」と、誰もが引っかかる思考の罠なんですよ。

というのも、実際に戦後(正確には明治後期以降)の日本人にとって、がっつり肉を食べる人ほど太っていたんですから。

私たちが実際に糖質制限をしてやせて、「本当にやせた、糖質制限は本物だ!」の思うのと同じです。

当時の日本人は、肉を食べなかったら本当にやせて、「本当にやせた、肉を食べると太るのは本当だ!」と、実践と経験から分かっていたわけです。

だから、誰もが「肉を食べると太る」と、疑わなかったんですよね。

 

じゃあ、なぜこんな正反対の現象が起きてしまったのか。

それが、当時の日本人には「米を外す」という発想がありえなかったからですね。

この常識が、本質を誤らせていたのだと分かります。

 

なぜ「生命を食べる」ようになったのか

ここでちょっと、食べることの歴史をたどってみましょう。

なぜ生命は「食べる」ようになったのか、というお話です。

 

大昔、原始生命は海底火山の温水噴出口近辺でしか生きられませんでした。

そこにある養分を吸収して、細胞(当時は単細胞)は生きることができたわけですね。

でも、その生命がいろんな要因で「進化」をしてゆくことになります。

すると、どんどん多細胞になっていって、次第に海水から養分を吸収するだけでは栄養が追いつかず、栄養素が足りなくなってしまいます。

 

そこで、他の単細胞を吸収して、その栄養素を利用するようになりました。

すなわち、「食べる」ようになったわけですね。

原始生命はたくさんあるので、高度な多細胞生物ほど、そんな原始生命を取り込んで自分の命に変換していったと。

 

食べることで、進化を維持できた

そうやって、高度な多細胞生物は栄養を効率的に得ることで、どんどんいろんな機能を身につけて、進化していきました。

で、進化すればするほど生命は新たな環境に耐えられるようになったので、海から出て、陸にも広がったわけです。

普通、生命を食べると「生命が減る」と思いがちですよね。

でも実際は、「生命を食べることでより進化できて、生命を広く増やすことができた」わけです。

この食物連鎖は、生命にとってはとても効率のよいシステムだと分かります。

 

すると、「自分の種に近い、高度な生命」を食べるほど、効率がいいと分かります。

例えば人間で言うと、原始生物の単細胞を食べるよりも、動物を食べる方が、効率よく体の材料を得られると分かります。

だって、体の組成が似通っているほど、原料が同じだからですね。

人間とのDNA一致率を比べると、植物は20%程度ほど同じで、昆虫は60%前後、魚は85%、動物は90%以上の一致率になります。

なら、(食物の入手難易度を考慮しなければ)、植物よりも動物を食べる方が、体の材料を効率よく摂取できそうだと分かります。

 

そういうこともあって、肉食獣ほど効率よく栄養を摂取できるので、腸の長さが短くなります。

それは、消化してすぐに使えるからですね。

逆に草食動物ほど栄養を取り込みにくいので、腸の長さが長くなったり、胃が2つや4つもあったり、食べたものを胃と腸で反芻(はんすう)したりと、消化器官が長くなります。

そして、人間の体はというと、かなり肉食獣寄りの構造になっています(「図2 腸/体長比をもとにした腸の長さくらべ」を参照)

 

「米を外す」という発想がなかったから、誤解が生まれた

この前提が分かれば、「肉を食べると太る」の現象が説明できるようになります。

それが、先にも説明したように、当時の日本人には「米を外す」という発想がありえなかったからですね。

 

肉食獣に近い人間にとっては、体の組成に近い肉を食べる方が、効率的に栄養を摂取できます。

で、実は肉だけでも、それなりに十分に栄養が足りるぐらいなんですよ。

なのに、「日本人は米を食べるのが当たり前」と疑わず、そこで肉と一緒に米や炭水化物を食べることで、その「炭水化物の栄養分が余る」わけです。

だから、その「余計な炭水化物分」が体に取り込まれて、脂肪になって、太っていたんだと。

こういうロジックじゃないかと思います。

 

行き詰まったときは、思考の罠に気づこう

こういう思考の罠って、よくあるように思います。

「あまりにもこれが常識だったから、本質を外してしまっていた」みたいな。

 

「お金を得るのは、大変なことだよ」と教わったことがあまりにも常識だったから、「しんどいことをするほど稼げる」と思っていたとか。

でも、本質は違いますよね。

実際は「他人に楽をさせて、効率化させて欲求を満たすほど、収益になる」わけですから。

頑張ることとか、大変な状態になること、しんどいことをすること、苦しむことなんて、収益の大小とは無関係です。

 

他にも、「大きいことを実現するほど、大きい喜びを得られるよ」と教わったことがあるかもしれません。

そしてそれがあまりにも常識だったから、「規模が大きいものに関わるほど幸せになれる」と思っていた、とか。

ですが、これも本質は違います。

実際は、「人によって、感度やスタイルが変わる。だから自分の感度やスタイルに合ったサイズを選ぶ方がいい」です。

身長160cmの人が190cm向けの服を着たところで、不便だし格好悪いし、しんどいだけです。

大企業の牛後になるよりも、スモールビジネスで鶏口になる方が、充実できることだって多くあるんですから。

 

まとめ

そういう風に、私たちにはあまりにも常識だと思っていることが、本質を見誤らせる原因になっていたりするんですよね。

だから、現状にスタックしている場合、常識を疑ってみるといいかもしれません。

「あまりにもそれが常識だと思っていたから、見誤っていた」みたいな。

すると、それが打開するきっかけになるかもしれません。

 

これはどうでもいいんですが、上記では「DNA的に近い方が、栄養素を取り込みやすい」と言ったじゃないですか。

なら、この理屈で言うと、「人間にとって一番おいしく感じるのは、人間の肉」になってしまうという……(((((( ;゚Д゚)))))

いや、私は食べたことないので分かりませんが、考えてみるとそういう理屈になるわけで。(((((( ;゚Д゚)))))

ちょっとホラーですが(笑

 

まぁ、私の推測では、「人間にとって、人肉はあんまりおいしくない」と感じるんじゃないかと思います。

というのも、人間は完全な肉食獣ではないので、肉食獣よりも程度の低い食物をターゲットとしていたと思われます。

すると、魚から豚サイズぐらいの食べ物か、もしくは昆虫あたりが「おいしい」と感じるんじゃないかな、と。

ひょっとすると何十年後かの未来では、「昔は糖質制限とか言って肉を食べてたらしいけど、栄養的には昆虫が最高なのに、イメージだけで食べなかったんだって」と言われているかもしれません(笑

 

ということで今日は、なぜ昔の人は、「肉を食べると太る」と思い込んでいたのか、ということについて考えてみました。

今日はここまで~。

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