今日は、業界の流れと、時代の流れについてお話ししてみましょうか。

「生き残りをかけて」とか言う業界からは、さっさと出た方がいい、というお話です。

 

楽に稼げる業界と、頑張っても頑張っても先細りになる業界

面白いWeb漫画を見つけたので、ご紹介。

「トモちゃんは女の子!」

まあ王道な恋愛もののWeb漫画なんですが、四コマとしても面白くて、物語としても面白いんですよ。

そして何より、この規模(本2~3冊分)の漫画が全部無料で見ることができるわけで。

 

私の中では、なんかもう「漫画はWebで、無料で見るもの」という常識ができつつあるような気がします。

これは、音楽業界の同じ流れです。

開発技術が上がることで、ハイアマチュアが「お金を取らなくても、趣味でやるからいいや」っていうのがどんどん増えます。

すると、暇つぶしに楽しむ程度のものは、わざわざプロにお金を払わなくても、ニコニコ動画+初音ミク+歌ってみたの曲で十分に間に合うようになったと。

 

そんな変化が大きい時代なので、業界の変化というのは必然的に大きくなります。

で、大好きなことでお金を稼ぐ場合、「どの業界に参入するか」で全然変わるんですよ。

簡単に言うと、楽に稼げる業界と、頑張っても頑張っても落ちていく業界があると。

これを見極めることが大切かなと思ったりします。

 

これから上がっていく業界に入りなさい

じゃあ、楽に稼げる業界って何なのかというと、「これから上がっていく業界」ですね。

ここのページで説明しているS字曲線で言うと、「成長期」に入った業界に入りなさい、ということです。

 

逆を言うと、業界そのものが衰退し始めた場所には、新規参入はやめておいた方がいい、ということです。

その象徴的な例が、そこにいる人たちが「生き残りをかけて」とか言い始めることです。

「生き残りをかけて」とか言っている時点で、既に成長が終わっていることを示していて、同時に弱者からふるい落とされる業界になるんですよ。

 

どの業界もそうなんですが、ここで最終的に生き残るのは、大企業のみです。

人的コストを限りなく軽減して、極度に効率化した少数の大企業だけが結果として生き残ることになります。

例えば家電業界は20~30年ぐらい前から、液晶業界では10年ぐらい前からそう「生き残りをかけて」と言い始めるようになりました。

それまでは、中小企業も家電とか液晶を作っていたんですよ。

でもそれらがぜーんぶ消えて、東芝やシャープのような大企業が作るようになりました。

 

今ではそんな東芝やシャープのような大企業ですら、その事業から消えようとしています。

そして中国の海爾(ハイアール)とか、台湾の鴻海(ホンハイ)みたいな、世界的超巨大企業が担っていると。

すなわち、「衰退業界では、どんなに頑張っても、いつかはふるい落とされる時が来る」ということです。

 

違うのは「タイミング」だけ

だから、結局は業界を渡り歩いていく必要があります。

じゃあ、「衰退している業界を渡り歩いていく」か、「成長している業界を渡り歩いていくか」で、同じ業界を渡り歩くにしても、全く状況が変わりますよね。

一方はどんどん落ちていく苦しい状態ばかりで参入して、一方はどんどん上がっていく楽な状態ばかりで参入するんですから。

結局みんな移り変わるんですから、はっきり言って、違うのは、タイミングだけです。

 

先の家電や液晶と同じで、漫画で言うと、紙媒体はもはや落ちるばっかりで、今までWeb漫画はずっと上昇してきたんですよ。

でも、そのWeb漫画も、もはやだいぶ安定してきて、新規参入するチャンスは失われてきたように感じます。

「なら、どうしたらいいのか?」、ということですよね。

 

「地位がない場所に入って、自分が地位を上げていく」という発想

そこで、これから必要なのは「地位が確立されている場所に入ろう」とするんじゃなくて、「地位がない場所に入って、自分がその業界の地位を上げてゆこう」という考え方でしょう。

「地位が確立されている業界」、すなわち「多くの人があこがれる場所」ってのは、業界としてはほぼ衰退期に入ってます。

そこはベテランたちによって既得権益の奪い合いと化しているので、新人が入るような場所ではありません。

というか、ベテランで既得権益を持っていたとしても、どのみち手放すことになるので、さっさと手放して抜け出した方がいいでしょう。

 

逆に、「地位がない場所」ってのは、まるまる上がる余地がありますからね。

で、その地位がない場所でも、これから上がりそうな場所を見極めましょう、ということです。

 

私が活動している分野で言うと

例えば私の場合、今は「ストーリープロット技術」という分野をメインに活動しています。

ここはもう、地位もへったくれもない業界なんですよ(笑

誰もやろうとはしないし、競合もほとんどいませんし、理論も全然できていない状況で、しかも誰もあこがれやしないと。

というか、そんな業界がないので、私が勝手にその業界を作ったようなものです(笑

まさに、先日話した「自分をブランド化する」という考え方を、地でいっているようなものです。

 

ただ、私はこれから長期的に、「開発技術」というのは、どんどん上昇していくと思うんですよ。

というのも、今ではPCだけでなくスマホまで普及して、誰もが手軽にアーティストになったり、制作側に回ることができるようになりました。

誰でも動画を作れて、誰でも物語や漫画を作れて、誰でも音楽を作れるようになってきました。

すなわち、これからは誰もが自分を表現して、アーティストになれる時代になった、ということですね。

だから、漫画家とかシナリオライターとか小説家、映像作家とかは、これからどんどん出てきます。

 

すると、「クリエイター」や「作られた作品」は競争過多になって落ちていくんですが、その一方で、「クリエイターになりたい人」は増えていく一方なんですよ。

だったら、「クリエイターになりたい人」向けに売ればいい、ということです。

これが、「これから上がりそうな場所を見極める」という一つの例です。

 

実際に私が作った作家向け教材本は、3年前も今も変わらず売れ続けていますし、多少の増減はありますが、ありがたいことに基本的にずっと右肩上がりなんですよね。

ほんと、応援してくださる方のおかげだと思います。

でも衰退業界だと、リリース後2~3ヶ月もすれば、本でもほとんど売れなくなるのが実情ではないでしょうか。

選ぶ業界でそれぐらい違いがある、ということです。

 

本質を見抜ければ、違う業界でも同じことができる

だいたい、やってることは同じなんですよ。

私の場合、プロットを分析したり作るのが好きなのでプロット技術をメインにしていますが、ゲームを作ろうが本を作ろうがアニメを作ろうが、全部中核は「プロット作りを楽しむため」ですからね。

ならば、私はプロットを作って、それを一般の人に売るか、クリエイターに売るか、という違いでしかありません。

 

「小説作りを味わうには、小説家にならなければならない」ということはないんですよ。

むしろ、もっと自分にとってフィットするような独自スタイル(業界)がある、ということです。

 

例えば漫画家さんでも、いろんな本質がありえるでしょう。

物語を語るのが好きなのか、絵を描くのが好きなのか、人に教えるのが好きなのか、一人で作業をするのが好きなのか、手先を動かすことが好きなのか、みたいにいろいろあるんですよ。

「漫画を通して、何をしたいのか」を見極める、ということです。

その本質が理解できれば、「業界」というのはあんまり意味がなくなります

工夫次第で、どこでもその「やりたいこと」ができるからですね。

 

まとめ

なので、落ちていく業界からは、さっさと出た方がいいかと思います。

「生き残りをかけて」とか必死になって努力しても、ほとんどの場合で先細りになっていくだけです。

なら、早い段階から成長業界を見抜いて、そっちに移る方がいいものです。

そういう場所は、先に参入した方が圧倒的に有利になりますからね。

 

タイミングが違うだけで、楽に生きられるか、それとも頑張っても苦しい状態になるか、全く違う、ということです。

そんな業界がない場合、私みたいに、勝手に自分で業界、すなわち独自スタイルを作ってしまうのも一つの手でしょう。

 

ということで、今日は「生き残りをかけて」とか言う業界からは、さっさと出た方がいい、というお話をしてみました。

今日はここまで~。

この記事をシェア:
Share