今日も生き方のお話です。
工夫で人生をよくしていく考え方実例を紹介してみましょう。
「ストッキングの袋詰め」に加える工夫
いい記事があったので、ご紹介。
単純作業は創意工夫の小宇宙(note:shinshinohara)
記事の内容は、40年ほど前の、内職をしていた人のお話です。
ストッキングを袋詰めする内職を発注していると、普通なら6時間ぐらいかかる作業を、ある元職人さんは1時間ぐらいで仕上げていたっていうんですよ。
しかも、慣れてくるとその元職人さんは、最終的に30分ぐらいで仕上げるようになったとか。
それで「どうしてそんな風に早くできるんですか?」と訊いたら、いろんな細かな工夫をしていた、ということです。
普通の人は「ストッキングを一枚ずつ取って、一枚ずつ袋に入れて、封をする」みたいな単調作業でした。
でもその元職人さんは、「袋をうまく放り投げてばらけさせて、1枚1枚取りやすくする」、「ストッキングも一度に4つ、指に挟んで取る」、「シールも貼りやすいように、台紙を折る」みたいな。
で、それだけで他の人よりも6倍のスピードでできるので、同じ時間でも6倍の量をこなせて、収入が6倍になっていた、ということです。
「同じことをしても、収入6倍」って、すごいですよね。
矢作りの例
他にも上記の記事では、山本周五郎著「日本婦道記」の一部エピソードが出てきます。
矢を作る内職の女性がいたんですが、その女性は棒の材質を調べたり、羽の角度などを調整して、試行錯誤でうまく飛ぶように仕上げていったと。
すると、殿様が矢の試し打ちをすると、中でも特に飛ぶ矢があると見つけます。
で、その矢にはたいてい「大願」という彫りがあったので、殿様は「その矢を作っている者を探し出せ」と命令した、ということです。
コピー機担当、お茶くみ担当の例
他にも、私が知っているのでは、「入社後、最初の仕事でコピー係を担わされた人」とか、「入社後、最初の仕事でお茶くみばかりだった人」のエピソードがあります。
どちらも、会社に入社したんですが、最初の仕事はコピーだったり、お茶くみだったりと、そんな単調仕事を延々とさせられたと。
だけど、そういう人たちは「こういう現状になったんだから仕方ない」と現実を受け入れて、小さなことからでも工夫をしてゆきます。
「仕方ない、コピー機の機能をすべて使って、両面印刷や写真の濃度調整などをして、最高に見やすいものにしよう。重要度に応じて、ホッチキスの位置も調整しよう」とか。
「仕方ない、それなら最高においしくなるお茶をいれよう。お茶もプライベートでいろいろ試して、経理に安くておいしいお茶を買うように申請してみよう」とか。
そして楽しみつつ工夫していると、たまに用事が入るなどで、他の人が担います。
すると違いが判明して、そういう「工夫できる人」に脚光が当たって、その人は出世していく、という流れなんですが。
「身近なところから工夫していく」スタイル
こういうエピソードって、いいですよね。
なんと言うか、「身近なところから工夫していく」みたいなところが、私の好みだったりします。
私たちはよく、「大きな資産があれば」とか、「大きな仕事を担えて、それで成功すれば」と思いがちじゃないですか。
そういう「大きな豊かささえあれば」と願うほど、それを持たない自分は悲劇のヒロインになるし、身近で小さなチャンスは見えなくなるんですよね。
まずは現状を受け入れる
そうではなくて、「いろいろあって、こんな境遇に陥ってしまった。その過去の経緯は仕方ない」と、今、こんな現状にいることを受け入れると。
その上で、「今、手元にあるもの、天から与えられたものを使って、少しずつ行きたい方向に向かおう。豊かにしていこう」というスタイルです。
日本に生まれてしまったこと、この時代に生まれてしまったこと、こういう境遇に生まれてしまったこと、すべてを受け入れるわけです。
そしてそこから、「なら、今の自分に与えられたものを総動員して、豊かさを築いてゆこう」という発想です。
「一国一城の主」マインド
この時点で、「一国一城の主」的な発想ですよね。
たとえ今は末端で、社会的な地位もなく、落ちぶれた状態だったとしても、マインド的には城主と同じです。
ストッキングの袋詰めでも、矢作りでも、コピー機担当でも、お茶くみでも、「それらを管理できる地位」と「手元に資源を持つこと」は同じなんですから。
すると、そうやって「自分に与えられた資源」を効率的に管理できる人ほど、現実がマインドに追いついてくると。
つまり、実際に一国一城を治めるだけの知恵や工夫が身について、豊かさも増えていく、ということです。
実際に、工夫って小さなものも、大きなものも、似たようなものですからね。
まとめ
なので、そういう発想ができると、よりマインド的にも落ち着くし、工夫をしてゆけそうに思います。
まずは、「こういう現状に陥ってしまったのは、しょうがない」と現状を受け入れます。
その上で、与えられた地位や資源を再認識して、工夫をすることで、その資源をうまく活用して、豊かさを増やしてゆくと。
そして、例えばストッキングの袋詰めでも、人や機械に投資して使うことで、10倍、100倍の生産量ができるかもしれません。
その機械を、別の袋詰めでも応用できるかもしれません。
そうやって、可能性を広げることもできるでしょう。
すると、手元にあるお金とか時間、境遇、資源、人脈、情報、個性、好奇心、そういうものを総動員して、うまく豊かさを作れるかもしれません。
こういう「一国一城の主」的なマインドでいられると、嘆くこともなく、うまく可能性に集中できるかもしれません。
ということで今日は、工夫で人生をよくしていく考え方実例を紹介してみました。
今日はここまで~。