ここんとこ「豊かさを得る」という一連の話題で盛り上がっているので、今日もそのお話です。
今日は、「工夫よりお金を出した方が楽」と考えると、人生が無理ゲーになる、というお話をしてみましょう。
欲求を、「お金を使わずに解決する」という考え方
だいぶ物事がつながってきたので、今日も少し、全体像のまとめを先にしておきましょうか。
昨日の記事で、「見えない資産を増やそう」という戦略を説明しましたよね。
お金を先に求めるのではなくて、「見えない資産」を増やすことで、それをお金にすることもできるんだと。
例えば、「ジュースが飲みたい」という欲求があったとしましょうか。
すると、多くの人が「お金があれば、買えるのに」と思うわけです。
そして、「ジュースのために、お金を稼ごう」として、しんどいことをして苦しんでしまうと。
でもここで、「ジュースが飲みたい」という欲求を、クリエイティブに解決しようとすると、どうでしょう。
まずは、ジュースの本質を見つめます。
すると、「水分」、「香り」、「甘さ」、「酸味」という要素がそろえられれば、ジュースを作れると分かります。
なら、「裏庭にレモンやオレンジがある」とか気づいたり、「ヨーグルトでも、キュウリやトマトでも、ワインでも、梅干しでも工夫をすればジュースを作れる」と分かります。
すると、「ジュースは買わなきゃ手に入らない」という人よりも、圧倒的に欲求を実現する可能性が大きいと分かります。
いろんな手段で、それを実現できるんですから。
後は、費用対効果が高いものを選べばいいだけですよね。
で、この「ジュース」にあたるものが、「自分にとっての幸せ」だったり「自分のビジネス」、「不労所得」とかになるわけです。
すると、「お金がなきゃダメだ」と思っている人よりも、はるかにそれを実現する可能性が高くなると分かります。
私たちの周囲には、そういう「余らせている、幸せの原料」が山ほどあります。
それを使って工夫をすればするほど、工夫した分だけ豊かになれますし、ビジネスの種も得られるというわけです。
「お金を出して買った方が、楽」という苦しみ
でも、うまくいかない人ほど、こう思うんですよ。
「ジュースなんて、お金出して買った方が楽じゃん」
みたいな。
「しんどいし、作るのも考えるのも手間だし、買った方が楽で、早いよ」という考え方ですね。
私の実感では、「俺の人生は無理ゲーだ」と感じて絶望する人の大半が、こういう発想を持っているように感じます。
一方で、人生を楽しめる人ほど、こういう手間を楽しんでいるようにも思います。
すなわち、楽を求めると、結果として人生の難易度が高くなり「俺の人生、無理ゲー」になると。
一方で工夫や楽しさを求めると、人生の難易度が低くなり「やりがいがある」と感じるようになるわけです。
今日は、なぜこんな風になるのか、そのメカニズムを説明してみましょう。
楽なゲームは、無理ゲーになる
この原理は、とても簡単です。
ゲームをすることを考えてみましょう。
ゲームを「楽にクリアしたい」と思うのは、「ボタンを押すだけで、敵を倒せる」というぐらい難易度を低くすることになります。
例えばドラクエでも、ボタン一つで敵が粉砕されると(笑
すっごい楽ですよね。
でも、ゲームとして考えると、それは「楽しい」ことでしょうか。
人生を80年とすると、延々とその「ボタンを押すだけ」の作業を80年間続けなければならないわけです。
こんなの、拷問としか言いようがありませんよね。
人生というのは、そんな毎日が続く、ゲームのようなものです。
楽を求めると、現状に居続ける
で、実際のところ、楽を求めると、世の中を「楽に解決できること」と「できないこと」の二者択一にしてしまいます。
すると、「楽にできること」イコール「今までできたこと」しかできないので、未知の世界に飛び込めなくなってしまうわけです。
例えば仕事でも、「ねじを締めればいいだけ」という仕事があったら、確かに楽勝でしょう。
でも、電子工作とか、基板のメカニズムとか、そういう未知の世界に飛び込むことがなくなります。
こうしてずっと「ねじを締め続ける仕事」という現状に居続けることになり、高度なことができずに、発展のない毎日になってしまうと。
こんなの超つまらなくて、すぐに飽きてしまって、「人生が面白くない。楽しいこともない。仕事がしんどい。こんなしんどい毎日、もうやめたい」と思って当然ですよね。
でも、世の中には「ねじを締めること」以外は、「できないこと」に分類されてしまうので、「今やっていること以外は、何もできない」と判定されます。
結果として、「俺の人生、無理ゲーだ」になってしまうわけです。
ゲームの難易度を低くしすぎると、人生という長期的なゲームでは、難易度が高すぎるものになってしまうと。
そして、「もっと楽に生きたい」と思い、もっと楽を求めて、もっと無理ゲーにしてしまうというドツボにはまってしまうわけです。
モチベーションが出ずに、楽しめずに、苦しい仕事をして、豊かさを味わえないとか、もう最悪でしょ。
「楽」ではなく、「適正な難易度」を求めるという発想
でも、ここで発想を変えて、「楽」を求めるのではなく、「適正な難易度」を求めるとどうでしょう。
ゲームを少し難しくして、多少負荷がかかるようにするわけですね。
ゲームって、ちょっと手間がかかって、難しいぐらいの方が楽しいんですよ。
ドラクエでも、洞窟の中を探検したり、迷宮に入って宝物を見つけたり、少し強い敵と戦ったりするのが面白いわけで。
言い換えると、レベルアップしていくことが楽しいわけですね。
新しいスキルを身につけてゆき、「これができるようになった!」とワクワクして、より高度な世界に飛び込んでゆく、その一連の過程が面白いわけです。
ここでは、「どのレベルにいるか」は重要ではありません。
「レベルアップしてゆけるかどうか」が重要なわけです。
すると、レベルが低くても、お金がたくさんなくても、億万長者でなくても、十分にワクワクできて、楽しめると分かります。
だって、ドラクエはレベル1の状態から面白いですからね。
お金がなくても楽しめて、モチベーションが出て、楽しみながら豊かさを作れるとか、最高でしょ。
「欲しいものをすぐに買ってしまう」という苦しみ
これを、もう一つ別の例で見てみましょう。
よく、「欲しいものは何でもすぐに買っちゃう人」がいるじゃないですか。
そういう人を見ると、「人生の楽しさを分かってないな」と思ったりするんですよね。
例えば私の場合、最近は「ちょっといい自転車(ロードバイク)が欲しい」と思う時期があったんですよ。
私はウォーキングが趣味なんですが、いい自転車があれば遠くにも楽に行けて、いろんな景色を味わえますからね。
でも、私はすぐに買ったりはしません。
というのも、すぐには入手できない方が、楽しいからですね。
だいたい楽しいのって、カタログを見ながら「これがいいかな、あれがいいかな?」と迷うときじゃないですか。
女性の方なら、ショッピングで「この服どうだろう、あの服はどうだろう?」って悩んでいる時が、最高に幸せでしょ(笑
ギターが欲しい音楽小僧の場合、「このギターはどうかな、あのギターはどうだろう」と、妄想を膨らませている状態が面白いんですよ。
すぐに買わない方が、深さを味わえる
で、「買った後、最高に楽しめるようにする」にも、むしろすぐに入手しない方がいいと分かります。
というのも、迷いがあればあるほど、いろんな検討をするようになるわけです。
そして、欲しいものについて、どんどん詳しくなるんですよね。
自転車で言うと、私はいろんなロードバイクを見て、メーカー名とか特徴とか、果てはシマノの変速機のグレードを暗記してしまったりとか(笑
女性の方なら、ブランドの種類だったり、その特徴とか、色の合わせ方とか、着こなし方とか、やたら詳しくなって、知識を得られるわけです。
すると、「自分にはこれが合ってるな」とか、「これとこれを組み合わせた方がいいな」、「これを買ったら、こういうことをしたい」みたいに、いろんな使い道を妄想したり、より高度なことができるようになります。
「すぐに手に入らずに悩む期間」というのは、そういう「深さを身につけられる期間」なわけです。
これは、買えるものが限られているから、見る目が養われるんですよね。
そして、「これを買ったら、こうやって楽しもう」といういろんな妄想ができるから、買った後もそれを使って楽しむことができます。
「レベルの高さ」を求めると、すぐに飽きる
それなのに、何でもすぐに買ってしまう人がいるんですよ。
「『音楽を作れたらいいな』と思ったから、最高級の機材をそろえちゃった」
「『あんな風に絵を描けたらいいな』と思ったから、プロ御用達の最高級ソフトを買っちゃった」
みたいな。
こういう人ほど、すぐに飽きてしまって、やめちゃうんですよね。
それは、「レベルの高さ」を求めているからです。
「レベルを高くしていく楽しみ」ではないからですね。
で、そのために、しんどい仕事をしていたりするんですよ。
お金を払って、面白くなくして、すぐに飽きて、ビジネスにもできずに、人にも喜ばれずに、さらにはそのためにストレスのたまる仕事をするとか、もう最悪ですよね。
「レベルを上げていくのが楽しい」という発想を持てるか
逆に、この「レベルを高くしていく楽しみ」が分かっている人は、「最初は初心者向けの方が楽しみやすい」と、初心者向けの道具とか、初心者になることをためらいません。
だって、その過程で得られるアハ体験とか、目からウロコ体験が面白いんですから。
初心者向けには初心者向けの工夫があって、安く入手できて、気楽に楽しめるものです。
そして興味を持っていくことで、どんどん新しいクリエイティビティーを身につけて、より高度な世界に参入してゆけます。
ジュースを作ったら、次は自転車に興味を持って、日曜大工にはまったりするわけです。
すると、そのたびごとに、「見えない資産」が増えていきます。
そしてあるとき、近所の工事現場で、作業員が「自販機がなくてしんどい」とか愚痴を漏らしているのを聞くんですよ。
そこで、「あれ? 自転車に工夫をして日曜大工でキャリアを作って、ジュースを運べば売れるんちゃう?」みたいな。
こうしてビジネスが成り立ったりするわけです。
「見えない資産」が多くあるから、そういう可能性が見えるようになるんですよね。
ビジネスとは、「人を楽にさせること」
ビジネスとは、「人を楽にさせること」です。
お金を出す側は、お金を出すことで楽を買います。
お金をもらう側は、楽をさせることでお金をもらいます。
すなわち、クリエイティビティーを発揮して相手を楽にさせた人ほど、お金が入ってくる仕組みになっているわけですね。
なら、少し難しいことに挑戦して、クリエイティビティーを発揮して、ゲームのように楽しんで、お金も使わずに、むしろそれでお金をもらって、人に喜んでもらって、しんどい仕事をせずにいられるなんて、最高でしょ(笑
まとめ
この「人生というゲームのコツ」に気づけるかどうかです。
世の中の多くの人が、「お金を使える方がいい」、「楽に手に入る方がいい」と思っているんですよ。
それは、「レベルの高さ」を求めているのと同じです。
だから結果として人生がつまらなくなって、費用対効果も悪くなって、「俺の人生、無理ゲーだ」になってしまうと。
そうではなくて、人生を楽しむのは、「レベルアップしてゆけるかどうか」です。
ちょっと負荷のかかる難しいところを、迷いつつも、クリエイティビティーで解決していくところが面白いんですよ。
ショッピングでどの服にするか迷うこと、これが楽しいんですから。
すると、「楽に億万長者になる」というよりも、「見えない資産を積み上げて、クリエイティビティーを発揮していく」という方が、はるかにトータルで人生を楽しめると分かりますよね。
だって、人生はそういう「楽しんだもの勝ちのゲーム」なんですから。
お金がない状態からでも、自分に恵まれた「見えない資産」を見つけて、人に喜んでもらって、お金をもらって、楽しんで、なおかつ嫌なことをせずに生きられるようになってゆく……これって、最高にクリエイティブな生き方じゃないかと思います。
そういうクリエイティブな生き方って、すてきですよね。
私が提案しているのは、そういう道です。
これが分かれば、「俺の人生、無理ゲーだ」から抜け出せて、お金がない状態からでも楽しんで、向上してゆけるんじゃないかと思います。
ということで、今日は「工夫よりお金を出した方が楽」と考えると、人生が無理ゲーになる、というお話をしてみました。
今日はここまで~。