今日は、クリエイティビティーを発揮するための、心理的なお話をしてみましょう。
「好きなことを一つに絞り込む必要はない」、というお話です。
大好きなことを一つに絞り込めない。どうすればいい?
先日、こういう質問があったんですよ。
ぼくも自分の好きなことで独立しようとブログをはじめたのですが、何を売っていいのか、何が売れるのか分からず、本当に自分が独立できるのか不安でなかなか好きなことに打ち込めません。
また好きなことも一つに絞り込める性格ではなく、どんどん新しいことに手を出しまうのでスペシャリストになれません。
成功法則などを学ぶと、一つに絞り込むエッセンシャル思考の人でなければ成功できないと言っていてますます不安になってしまいます。
ただ、あやえもんさんの書籍などを読むと、逆に僕のような人間のほうが早く成功できるように感じてしまいます。
よろしければあやえもんさんのお考を教えていただきたいです。
こういう状態の人って、結構いると思うんですよ。
「大好きなことをして生きていきたいけど、一つに絞り込めない」みたいな。
経営でもよく言いますよね。「一ヶ所に集中させなさい。そこを突破口にしなさい」って。
質問の中に出ている「エッセンシャル思考」というのは、その中でも「どれを選んで、どれを捨てるのかを見極める」、という考え方のことです。
だから、商品とか勝負する分野を一つに集中させたい。
でも、あやえもさんは、「全部選べ」と言っていると(笑
「どっちやねん!」みたいな(笑
「全部選ぶ」ことは、「一つに絞り込む」こと
結論から言うと、これはどっちでも同じことです。
「エッセンシャル思考でできなければ、私の考え方(抽象度を高める思考)を使うといいですよ」、ということです。
じゃあ、私の考え方は、どういう考え方なのかを見てみましょう。
おそらく質問者さんは、いろんな好きなことがあるかと思います。
釣りが好きだったり、映画が好きだったり、スキーやスノボが好きだったり、人の話を聞くのが好きだったりとか、いろいろあるでしょう。
で、そんなときに「全部好きなものが入っているのに、そこから一つを選べ」と言われると、苦しくなるものですよね。
「食事と睡眠、排泄、幸せに生きるために、この中からどれか一つだけ選べ。後は捨てろ」とか言われても、選べないでしょ(笑
「心臓と肝臓、肺と胃、生きるために、この中からどれか一つだけ選べ。後は捨てろ」とか言われても、できないと(笑
必要なこととか、好きなことは、ぜーんぶできる方がいいですよね。
そして、全部選んだら、一つにまとめちゃえばいいわけです。
そういう独自のスタイルを作っちゃいましょう、ということです。
それって結局、「一つに絞り込む」になるわけです。
以下で、もっと分かりやすく、具体例で見てみましょう。
「神社デザイン」という新たなスタイル
Twitterで見かけたんですが、こういう本があるようです。
なにげに本屋で見かけたこの本すごい…!神社のすべてがわかるといっても過言ではない…。巫女さんや神主の衣装も載せてて資料性ハンパない。 pic.twitter.com/5ABQ5OjIE8
— 後藤羽矢子 (@hayakogoto) January 8, 2016
神社のデザインが分かるという、すっごいニッチでマイナーな本なんですが。
これ、どこからどう見ても、こんな違いを知っていたところで全く役に立たないような、無駄なうんちくですよね(笑
でも、これを極めると、本ができてしまうわけです。
しかも、「役立つ」という人まで出てくると。
で、おそらくこの本の作者さんは、鳥居とか狛犬、しめ縄、装束とかが好きだと思うんですよ。
そしてそれを全部詰め込んだら、「神社デザイン」という新たなスタイルにたどり着いたと。
自分が大好きなことを全て詰め込んで、自分だけの新たなスタイルを作った、ということですね。
「鳥居、狛犬、しめ縄、装束の中から、どれかを選ばなきゃいけない」とか思うから、苦しくなるわけです。
じゃあ、捨てられないなら、全部選んでしまいましょうと。
その上で、「神社デザイン」という一つのスタイルにまとめたわけです。
すると、結局「一つに絞り込んだ」と言えますよね。
だから、「全部選ぶ」ことは「一つに絞り込む」ことと同義になります。
「和装の描き方」という新たなスタイル
ついでにもう一つ、本をご紹介。
「和装の描き方」昔と比べて和装の描かなくなったけど、参考絵上手くて、なかなかの良書です。オススメ〜! pic.twitter.com/RgDAuofUIn
— 晴十ナツメグ@3巻1月27日発売 (@Seiju_natsumegu) January 9, 2016
これも、「和服」+「描き方」という、ニッチでマイナーな本です。
この本の作者さんは、和服が得意で、しかも美術が好きだったのかもしれません。
で、そんな好きなことを詰め込んだら、「和装の描き方」という独自スタイルになった、ということですね。
「和服と美術デザイン、どっちかに絞らなきゃいけない」と思うから、苦しくなるわけです。
で、全部選んだ後で、一つの独自スタイルにまとめると。
すると、結局は「和装の描き方」という活動分野に絞り込んだ、と言えることになります。
まとめ
だから、「全部すること」と「無駄を捨てて、一つに絞り込むこと」は、本質的に同じことです。
その上で、「捨てられなければ、全部やればいい」ということです。
そのために、自分独自のスタイルを作り出すと。
そういう風に、考え方のアプローチを変えることで、本質を見極めてゆくことができるでしょう。
言うなれば、手段の違いですかね。
夢を実現するのに、「嫌なもの、どうでもいいものを捨てる」か、「好きなものを選ぶ」か、どちらの考え方を採用するのか、ということです。
どちらを選んでも、結局は「好きなもの」が手元に残りますよね。
それと同じです。
そういう考え方の違いが分かると、好きなことを全部できて、なおかつそれをお金にできるような、本質を見極める目を作れるんじゃないかと思います。
ということで、今日は「好きなことを一つに絞り込む必要はない」、というお話をしてみました。
今日はここまで~。