今日は未来予想のお話です。
これから5~10年は「リアルで物質的な方向性」が有利になりそう、というお話です。
Google「クラウド事業に重点移動」の意味するもの
ちょっとしたニュース記事をご紹介。
「YouTube広告」ではもう稼げない…業績悪化に苦しむグーグルが狙う”新たな市場”(President Online)
記事の内容は、GoogleはYouTube広告やサブスク(定期購読)では利益を出せなくなってきたので、クラウド事業に重点を移すようになった、というものです。
こういうのを見ると、「さすがGoogle、落ち目に来ていても、時代の流れが見えているな」と感じたりもします。
私はGoogleサービスからは可能な限り離れるようになりましたが、それでもこういう判断ができるのはすごいなと。
だいたい、あれだけの巨大企業になると、変化させるだけでも大変ですからね。
ネット上ではなく、リアルで物質的な方向性が有利になる
で、今日の本題としては、私はこれから5~10年は、「ネット上ではなく、リアルで物質的な方向性が有利になるだろうな」と思ってます。
だから、もし今から何か新しい収益を作ろうとする場合、「ネット上で情報を売る」よりも、「よりリアルで物質側に近いものを売る」を前提にする方がいいように思います。
すると、今から準備しておけば、数年後ぐらいからぐっと有利になりそうに思います。
というのも、こういうのは時代の流れで変わってゆくんですよね。
今までは経済が拡張していたので、先端事業が有利でした。
ある意味、「既存の社会維持」よりも「新境地開拓」が有利で、収益を上げやすかったと。
だから、維持的な産業よりも、ネット関連とか、新技術を使った先端企業が成長し続けていたんですが。
時代はサイクルのように変化する
だけど、時代はサイクルのように変化してゆきます。
どんなものでも、「新たな技術や領域を創造する」というものには、限度があります。
すると、「ネット上で価値を創造する」という新境地開拓に限度が来始めたわけですね。
それと同時に、多くの人が「新境地開拓が儲かる!」ということで、「情報産業に人が来る」という長期ブームがやってきました。
実際に、今では普通の人でも「YouTuberになりたい!」とか「VTuberになって、スマホで動画作成してみようか」とか言っていて、それがあこがれになっているぐらいでしょ。
私の周りでも、「電子書籍作家になるのが夢なんです!」とか言う人が出てきたぐらいですから。
なら、全体の規模や成長が頭打ちになってきているのに、人々はこれからもどんどん参入してくるわけです。
すると、これから情報産業は競争率が激しくなって、今までのように収益が上げられなくなると分かります。
動画も広告収入も、電子書籍も、おそらく成長率はピークアウトして落ちてゆくかと思います。
リアルで物質的なものが、これからは有利になる
ただ、時代はサイクルのように変化するので、落ちる場所もあれば上がる場所もあります。
なら、反対側の「リアルで物質的なものが、これからは有利になる」と分かります。
だいたいこういうのは、「社会的に見下されているけど、買う人が増えている側」が有利になるんですよ。
例えば電子書籍だって、5~10年ぐらい前までは「大きな出版社から、紙の本で出すのが素晴らしい。個人で出す電子書籍は、アマチュアがするもの」でしたよね。
実際に紙の本なら全国書店に並ぶし、出版社から認められたことを意味するし、人々もそっちに価値を置いていて、自尊心も高められるからで。
一方で、電子書籍は誰でも出せるので、レベルが低いと見なされていたと。
同じように動画配信だって、「テレビに出るのがすごい。YouTubeで個人動画を配信するのは、売れない奴がすること」という認識でした。
デザイナーや映像作家だって、「大手に所属して、大企業の作品を作るのがすごい。SNSに自分の作品を公開して、一人一人に売るのは売れない奴がすること」とされていました。
クリエイターが利益を作りやすい場
でも、ネット&個人で売れるようになると、大手所属の人よりも、個人でじゃんじゃん稼ぐ人が出てきました。
電子書籍でも、YouTuberでも、デザイナーでも、個人で軽々と「大手所属のプロ越え」をするようになってきたと。
そしてそれは一部の人だけでなく、レベルの低いクリエイターにとっても、利益を作りやすい場でした。
それは当然で、今まで「ネットは売れない奴が入るところ」という認識だったので、プロのクリエイター(売る側)が入って来なくて。
一方で、スマホの普及と共に、ネットユーザー(買う側のお客)はどんどん増えてきたわけです。
なら、ネット上の方が圧倒的に競争率が低かったので、クリエイターはお客を確保しやすく、売れやすいし知名度を伸ばしやすかったと。
そんな風に、何かを売りたい場合、「社会的に見下されているけど、買う人が増えている側」が有利になるわけですね。
サイクルが入れ替わる時
で、今はそのサイクルが入れ替わって、反対側の流れが出てきたわけです。
つまり今は、リアル側が見下されている状態です。
「ネットで個人で情報発信するのが素晴らしい。リアルで何かをするのは、売れないアマチュアがすること」という認識が主流になっていると。
そして世代的にも、これからは「スローライフ」のような、「今までの価値観からすると、ネガティブ側」なものが主流になってくるかと思います。
今まで「価値を作れない奴は無価値だ」という反動から、「もっとゆったり生きようよ」という方向に価値観を置く世代が、消費の主流になりそうだと。
なら、これからはリアル側に軸足を置いて、今までの流れとは反対側のスタイルで、ものを作るのがよさそうだと分かります。
そしてそれは、「過去のものをそのまま」ではなく、ある意味「温故知新的なもの」が主流になるかもしれません。
「古きよき形」が再度評価されてきて、今の時代に合うように工夫して味わえる形になるわけですね。
今までは、「全世界に、個人発で、調和など関係なく目立った者勝ちで、特殊な専門技術を、情報形式で提供して、デジタル形式で一気に収益を作る」というアプローチが主流でした。
だけどこれからは、「地域や狭い社会に、個人よりも全体の利益を意識して、地域や人々に調和する形で工夫して、よりリアルで体験的な形で提供して、自分の足を使って地味に利益を作る」みたいなアプローチが合うかなと思います。
これから収益を作りやすい例
例えば「声優とかアナウンスとか、声でお仕事をしたい!」という場合、今からネット上で始めても、人材募集サイトを見ても、競争率高すぎですよね。
でも、例えば地元のお祭りとか催し物、イベント、地域の小規模作品で声優やアナウンスをする人とかは、誰もなりたがらなかったりするんですよ。
つまり、そういう地元でリアル系の「声を使うお仕事」は、プロの参入率が低くなってきているし、利益を上げやすいと。
なら、そういう場所をひとつひとつ攻めるのも、一つの戦略ですよね。
漫画だって、今から新規で、ネット上で個人で利益を出そうとすると、なかなかしんどいかもしれません。
ならば、それよりも市役所の広報課とかに行って、「私、この町に住んでいて、漫画描けます。広報誌でイラストや漫画が必要なら、お仕事お待ちしてます!」と名刺とサンプルを渡す方が、利益を作りやすいかもしれません。
市役所でなくとも、近所のつながりとか、知り合いのつながりのように、「ローカルのつながり」とか「人のつながり」を重視する形ですね。
例えば経営者の知り合いには経営者が多いので、そういう「人を見抜く目」も必要になるでしょう。
そしてどちらにしても、「完全に古い形で」というのではなく、「今の時代に合うように、温故知新で改良したものを出す」というわけです。
なら、最初はごく小さな規模で、「お試し発注」が来ます。
もちろんその規模では利益にはほ遠いでしょうが、そこで実績と信頼を作れば、少しずつ規模が大きいものを受注できるようになります。
そうやってステップアップしてゆく流れですね。
今までは「ネットで目立った者勝ちで、一気に収益を作る」だったのが、そういう流れに変化してゆくだろう、という予測です。
まとめ
そんな風に、これから5~10年は「よりリアルで物質的な方向性」が有利になりそうにも思います。
冒頭のGoogleでも、「広告やサブスク(定期購読)を減らして、クラウドを重視」というのは、まさに「情報よりも、より物質的なものに重点を」ということです。
なのでこれから新たに活動する場合、そういう方向性を考慮してみるのもいいかもしれません。
もっと直接的に言うと、今までのような「SEO対策、キーワード対策、SNSマーケティング、Googleなどの先端大手企業からの収益モデル」みたいなものが、一気に役に立たなくなる時代かなと。
今からその辺を始めるのは、とにかくおすすめしません。
もちろん、ネット上の方が合う人もいますし、「自分は圧倒的な力がある」と自信がある場合、どんどん好きな場に挑戦するといいでしょう。
その上で、「よりリアルで物質側」が、競争率が低いというだけです。
まぁ、こういうのはゆっくり変化してゆくものなので、急に変化する必要はありません。
でもこの辺が分かると、これから有利になる時代の流れが見えてきて、収益を作りやすくなるかもしれません。
さあ、変化する時代に入ってきて、面白くなってきましたね~。
これからは、今までとは180度価値観が変わってゆく時代なので、変化力が光る時代かなと思ったりもします。
ということで今日は、これから5~10年は「リアルで物質的な方向性」が有利になりそう、というお話でした。
今日はここまで~。