今日は、未来のお話です。
紙の本と電子書籍の未来について、考えてみることにしましょう。
毎度こういうネタは語っていますが、今回は2017年版です。
紙媒体の本が悲劇的状況になってきた
興味深い記事があったので、ご紹介。
紙の漫画本離れ、顕著に 「ショックな数字」日販が中間決算発表(産経ニュース)
記事の内容を簡単に言うと、「紙媒体の本ががっつり売れなくなった。特に雑誌、コミックは悲劇的状況」ということです。
コミックが前年比13%減とか、なんかすごい数値が出ていたりするんですが。
完全に下落加速期に入ったようにも感じます。
じわりじわりと落ちる段階ではなくて、これから数年かけて、ぐっと落ちていく時期だということですね。
電子媒体に慣れた世代が、稼ぎ始めた時代
私の中では、紙媒体の売り上げは今後も落ちていく一方じゃないかと予想しています。
というのも、これから電子媒体に慣れた世代が増えていくからですね。
こういうのは、ただ単純に習慣で決まるように思います。
なぜ今まで紙媒体の売り上げが持っていたのかというと、世の中には「紙の方が慣れている」という世代が多かったからです。
iPhoneのリリースをきっかけに、2010年ぐらいから人々はスマートフォンを持つようになりました。
そういうのは20代ぐらいの人から広がっていくので、やっぱり普及し始めた段階では、「スマホを持っているけど、紙媒体に慣れている」という世代ばかりだったんですよ。
でも、今では高校生とか中学生どころか、小学生でもスマホを持っている人がいるぐらいですからね。
しかも、ガチャとかに課金をしたことがある高校生も、普通にいるわけです。
すると、そういう世代は「スマホでイラストや漫画、記事を見る」、「スマホで情報に課金する」というのが当たり前の状態になっています。
そしてそういう世代が本格的にお金を稼ぎ始めると、ぐっと紙媒体の市場が落ちて、電子書籍が上がるのは当然だと言えます。
だから、iPhoneが出て10年を経って、ようやくその変化が起きてきた、ということです。
で、そういう世代はこれからどんどん増えていくので、紙媒体はさらに下落するかと思われます。
これからどれぐらい電子書籍が成長するのか
じゃあどれぐらい落ちるのかというと、私は「今、企業で使われている紙と電子形式の比率」ぐらいになるんじゃないかと思っています。
それは、企業は個人よりもコスト意識に敏感なので、先行して技術を導入する傾向にあるからですね。
なので私は、将来的(10~20年後ぐらい)には紙媒体:電子書籍の売り上げ比率が20:80ぐらいになるんじゃないかと予想しています。
今(2016年度の情報)で見ると、紙媒体:電子書籍の比率は85:15ぐらいです。
なので、これから10年ぐらいかけて、比率が逆転していくんじゃないかなと。
そして、これからどんどんその変化量が大きくなっていく時期になるように思います。
これまでも多くの作家が既に廃業しましたし、今も苦戦している作家がいますが、その多くが「紙媒体で育って、電子媒体について行けない」という世代じゃないかと思います。
彼らは、ただ単純に「紙に慣れているから」だけなんですよね。
人は、だいたい思春期頃までの習慣を引きずりやすいものです。
だから、古い世代で変化ができずに、好奇心を失った人ほど、「本は紙媒体じゃなきゃ読んだ気にならない」と言います。
そして変化を捉えることができなくなって、沈んでいくタイタニック号にしがみつくわけです。
電子書籍の未来を見ると、海外を視野に入れざるを得ない
電子書籍の現状がどうなのかは、このページを見ると分かりやすいでしょう。
図が多くて分かりやすいので、おすすめです。
こういうのを見ると、やはり電子書籍の未来を考えると、海外向けを意識せざるを得ませんよね。
特に途上国でもっと増えていくので、今の市場よりもさらに大きくなります。
途上国では物流も動きにくいので、先進国よりも、入手しやすい電子媒体が使われやすいように感じます。
すなわち、競争率が低くて、チャンスが大きい場所だということですね。
驚いたのが、「途上国では、男性より女性の方が、6倍も読書に時間を費やしている」、ということです。
これは予想以上に、女性向けを考える時期なのかもしれません。
実はこのブログも、2年ぐらい前から女性向けを意識して書くようになっていたりします。
記事でも、女性向けのネタが多いですよね。
今までは「なんとなく、女性向けを広げる方が優位性を作れそう」という程度の認識だったんですが、女性向けは結構大きな要素になるかもしれません。
なので、女性向けを考慮してみるのもいいのかもしれません。
電子書籍の競合は、ウェブサイトになる
競合の話をすると、電子書籍の競合は「紙媒体の本」ではないように思います。
電子書籍の競合は、インターネットのウェブサイト、もしくはウェブサービスじゃないかな、と。
だから、電子書籍に大切なのは、「ウェブサイトにないものを得られること」のように思います。
私はその筆頭が、「統一されたクオリティ」じゃないかと思います。
サイトの情報って、玉石混交で、いいものもあれば面白くないものもありますよね。
例えばTwitterなんて、面白い情報が1割で、残りの9割はどうでもいいものでしょ(笑
でも本という媒体であれば、最初から最後まで、ある程度のクオリティが保たれているわけです。
休憩時間とか息抜きに見るのはウェブサイトのようなジャンク情報でいいんですが、休日に触れるのは、少々お金を払ってでもいいものを味わいたいものです。
今では時間も貴重な豊かさなので、せっかくの休日をジャンク情報でつぶすぐらいなら、500円とか1000円払ってでも、クオリティが高いものを選びたいですよね。
それぐらいの費用を払ってでも、メリットはあるんですから。
なので、しっかりとしたクオリティが保たれていて、しかもウェブでは得られないようなまとまった情報が得られる、そういうものが売れるようになるんじゃないかと思います。
まとめ
そんな風に、これからどんどん紙媒体は落ちていくでしょうし、電子媒体は増えていくと予測しています。
電子書籍は、まだ参入しても遅くはありません。
もし今から参入するのであれば、やっぱり紙媒体よりかは、電子書籍かと思います。
で、この場合に重要なのが、「自分で売ること」ですね。
「出版社を通して電子書籍を出す」とか、そんなことをすると悲劇しか起きませんから(笑
電子書籍の一番いいのが、「個人で売れる(出版社を介さずに売れる)こと」です。
なので、それを失うと本末転倒になってしまいます。
すなわち、「電子書籍で売るなら、出版社は必要ない」ということですね。
そのためにも、やはりこのブログで説明しているような、スモールビジネスの考え方が重要じゃないかと思います。
私からすると、ここ2年ぐらいで、完全に紙媒体への魅力がなくなりました。
確かに以前は、「紙の本」はステータスになるので、あこがれはあったんですよ。
それは、「出版社から認められた」、というステータスがあったからですね。
でも、今ではそのステータスすらなくなって、むしろ「どこも悲鳴ばかりで、かわいそうだな」と哀れみを感じるぐらいになってきたというか。
まぁ紙媒体のコミックは落ちていますが、これはある意味、「変化すれば、大きなチャンスを得られる」とも言えます。
コミックは絵の比率が大きいので、世界中に出しやすいんですよね。
特に英語化できて、英語圏に売れるだけでも、だいぶチャンスが広がるように思います。
そういう変化が見えると、いろいろできることが見つかるんじゃないかな、とも思います。
ということで今日は、紙の本と電子書籍の未来について、考えてみました。
今日はここまで~。