今日は、精神的なお話です。
「余った豊かさを作れれば、リスクをとれる」、というお話をしてみましょう。
「時間を切り売りしない」という発想
おとといの記事で、「時間の切り売りはやめて、長期的な利益を考えましょうよ」って触れましたよね。
例えばある作家さんは、原稿を書いて、出版社に送って一度に原稿料として300万円ほどもらったと。
一方で別の作家さんは、同じように原稿を書いて、こちらは自前で電子書籍を作って、1年目で100万円の印税を得られるようにしたとしましょう。
私の場合、これは後者の方を選びます。
というのも、10年間継続的に売れるように工夫をすれば、1回の執筆で1000万円の収益にできるからですね。
長期的に見れば、こちらの方がより利益率が高いと分かります。
で、こういう風に「投資した時間に対するリターン」で考えるのが、投資家です。
すると、時間の切り売りは長期的に見ると圧倒的に不利で、不労所得で収益を得られるような仕組みを作る方がリターンはいいと分かります。
それでもほとんどの人が、目先にお金を選ぶ理由
でも実際のところ、これを説明しても、ほとんどの人が目先の300万円を選ぶんですよ。
というのも、ほとんどの人が、「未来の不確定な1000万円よりも、目先の300万円が欲しい」と思っているからですね。
すなわち、「リスクを取りたくない」と思っていると。
これは当然で、そういう人は生活に余裕がありません。
もしそこでリスクが一度でも現実となって、生活費が突然失われるとどうでしょう。
そういう場合、生きていけなくなりますよね。
だいたいビジネス相手から「来年以降も100万円を振り込むかどうか分かりませんよ。それは完全に風任せです。それよりも、時間の切り売りでも、毎年300万円を得ていた方が無難に生きていけますよ」と言われると、ほとんどの人がそっちを選ぶものです。
だから、生活費を稼ぐ場合、人は「安全な方」を選ぶようになります。
稼いだお金を「全て生活費にする」か、「一部を投資に回す」か
ここで違いが出るのは、稼いだお金を「全て生活費にする」か、「一時的に質素な生活になっても、一部を投資に回す」かということです。
時間を切り売りしてしまう人は、全てを生活費にしてしまうわけですね。
そして、「あれだけしんどい仕事をしたんだから、ぱーっと豪遊しなきゃやってられない!」と散財してしまいます。
すると、余剰資金がなくなるので、リスクをとれなくなるわけです。
一方で投資家は、余剰資金で投資をします。
より正確に言うと、「余った豊かさ」で投資をする、ということです。
その「余った豊かさ」というのは、時間も含まれますし、お金であったり、人脈とか知識や知恵なども含まれるでしょう。
だから、リスクを取ることができるんだと。
それは、生活費とは別の余ったもので、失ってもいいからですね。
すなわち、投資家的な「不労所得を得る」という状態になるには、「余った豊かさ」が必要になるわけです。
投資を学んだ人とか、証券口座を開いたことがある人なら分かるでしょうが、必ず最初に「投資は余剰資金でやりましょう」って言われますよね。
それは、投資はリスクと隣り合わせだから、余ったものでなければうまくいかないからです。
そんな「投資」を、人生や生活に取り込むかどうか、ということです。
新しい領域は、「余ったもの」で開拓するもの
新しい領域は、「余った力」で開拓するものです。
言うなれば起業や投資は「攻撃」です。
ビジネスでは特に、守りに入ったら何もできなくなるものです。
で、攻撃が最大の防御になる、という世界なんですよね。
そんな場合、「傷を受ければ自国が滅びる」なんて攻撃はなかなかできなくて、「少しぐらい傷を受けてもいい」という余った兵隊で攻撃をする方が、調整がききやすいですよね。
だから、試しに攻撃もできますし、ダメだと分かったらすぐに撤退もできます。
余った豊かさで開拓すれば、「これを成功させなければ、私は無価値だ」なんて思ったりしません。
いろいろ試してみて、うまくいく場所を見つければいいだけですからね。
割に合わないことをやめれば、利益率は上がる
多くの人がここで、「私には余ったものがない」、「私には余った豊かさがない」と思います。
ですが、実は結構簡単に、余る豊かさを作ることもできます。
それは、「割に合わないことはしない」という方法です。
割に合わないことを徹底的にやめて、割に合うことを見つけてそこに集中すれば、費用対効果(利益率)が上がります。
すると余力ができるので、その余力を攻撃に回すわけですね。
例えばゲーム制作でも、スマホゲームなのに、プレイヤーがさほど重視していないボイスとかシステムとかにお金や時間をかけていたら、利益なんて出ませんよね。
漫画でも同じで、ストーリーが見せ場の物語で、読み手が背景やトーンワークを重視していないのに、背景やトーンワークに時間やお金をかけてしまえば、利益なんて出なくて当然です。
逆に、利益を出せる部分に集中すれば、売り上げは減っても利益率は上がります。
で、売り上げ減の部分は、無駄や見栄を手放したり、より質素な体制にすることで埋め合わせます。
すると高利益率な部分だけが残り、より未来の利益率が高いものに挑戦できるようになる、ということです。
ビジネスの優秀さは、売り上げ額ではなく、利益率です。
「余った豊かさ」を作れないから、目先の売り上げにしがみついてしまうわけですね。
まとめ
だから、投資家的な発想をするには、「余った豊かさ」が必要になります。
それがあればあるほど、少々は失ってもいいので、豊かさをリスクにさらすことができます。
でも、失ってもいいとはいえ、豊かさを無駄に失うのは嫌ですからね。
だから、ダメでも簡単に撤退ができて、自信を失うこともありません。
そういう点でも、入ってきたお金を全部使わずに、ちゃんと質素に生活できる人ほど起業家や投資家に向いているように思います。
余っているからこそ、「目先の確実だけど小さなお金」ではなく、「未来の不確定だけど、大きなお金」を選べるんだと。
で、リスクを何度も取っていれば、だんだんと時間的な利益に対する感覚が身についてきます。
そうやって、どんどんと未来に入ってくるお金を確実なものにして、大きなものにしていくわけですね。
で、「未来にはもっとお金や豊かさが入ってくる」と分かっているから、ワクワクします。
そのワクワクや希望が、最大のごちそうなのかもしれません。
全部生活費に使うから、「お金がなくなったらどうしよう」と不安を持つようになるんじゃないかな、と思います。
だからこそ、豪遊しなくても毎日をワクワクできて、希望を持てて、前向きに生きられるんじゃないかと。
こういう考え方だと、現状を変えやすいんじゃないかな、と思います。
ということで、今日は「余った豊かさを作れれば、リスクをとれる」、というお話をしてみました。
今日はここまで~。