今日は、クリエイティブなお話です。
「面白くしたいなら、あえて選択肢を狭めてみよう」、というお話をしてみましょう。
「もっと面白いことをしたい」という問題
「もっと面白いことをしたい」とか、「もっと熱中できることがあればいいのにな」とか思うことって、ありますよね。
そういう熱中できることがあると、やっぱり生きることが面白くなるし、その中からビジネスになるものも見つかりやすくなるものです。
なので、これまでもそういう面白いこととか、熱中できることのヒントをいろいろ紹介してきたんですが。
で、今日はそれを、「選択肢を狭める」という観点で説明してみましょう。
すなわち、選択肢を狭めることでも、面白さを作ることができる、ということです。
「ひらがなポーカー」というゲーム
興味深いツイートがあったので、ご紹介。
笑。超シンプルなルールで面白そう。「ひらがなが書かれたカードをプレイヤーに1人5枚ずつ配り、手持ちのひらがなの並びを入れ替えて一番面白い言葉を作った人が勝ち」/「ひらがなポーカー」とは? 5枚のカードがつくるシュールな偶然のことば https://t.co/evyldCs6hW pic.twitter.com/UhkchqZok8
— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) October 24, 2017
「ひらがなポーカー」というカードゲームですね。
ルールは簡単で、「ひらがなの書かれたカードを5枚配って、2回まで交換可能。一番面白い言葉を作った人が勝ち」というものです。
中には濁点とか、伏せ字の「○」があったりして、いろんな言葉を作れるようで。
これ、すっごい面白そうですよね。
友人同士の集まりとか、小さなパーティーとかでやると、盛り上がりそう。
ルールも簡単で大人から子どもまで楽しめるし、組み合わせは無限大ですし。
他にも、公式ページではいろんな遊び方があって、楽しめそうな予感がします。
制約を加えるから、ゲームは面白くなる
「面白さ」っていうのは、こういう風に、選択肢をうまく狭めることだと思うんですよ。
普通は、「選択肢は多ければ多いほど希望を持てる」ですよね。
もちろん手段が多いほど、可能性は広がります。
一方で「面白さを作り出す」というのは、制約を加えることなんですよね。
私たちが小学生の頃でも、いろんなルールを作って遊んだでしょ。
例えば登下校中の横断歩道で、「アスファルトの黒い部分は海で、サメがいる。塗装の白い部分が歩ける部分で、白い部分を踏んで歩かなきゃいけない。でないと、サメに食べられちゃう」みたいな。
それとか、ボール1つあってもいろいろ遊びを作れましたし、アスレチックとかあると、もういろんな妄想を加えて遊べましたよね。
遊び心やゲームというのは、そういう風に「自分でルールを作ること」なんですよ。
他者のルールに合わせるのではなくて、自分の周囲にあるもので、うまくルールを作ることです。
そしてそういうルールを面白く仕上げられるほど、周囲も乗ってきて、ゲームが盛り上がります。
すると、自分も楽しめるし、それがビジネスになったりもするわけですね。
上手な制約(ルール)を作ろう
なら、上手な制約(ルール)を作ってみましょうよ、ということです。
「何でも作ってOK」はしんどいですが、「YouTubeで30秒以内の動画だけで攻めてみる」とか、「イラスト1枚形式で攻めてみる」とかルールがあるだけでも、いろいろ考えるようになります。
例えば「Twitterで、1日にイラスト画像1枚だけ公開できる。画像に文字を入れてもOK」というルールを課して、「自分の好きを語る」、ということもできるでしょう。
すると、だいぶ制約ができて具体的になるので、どう構成すればいいのか考えさせられます。
文字は当然少ない方がよくて、その中で好みを説明しなきゃいけないし、1日に1枚ならイラストはラフだけど美しく見える形を模索する必要があって。
そういう「自分独自のゲームルール」をうまく作ることができると、極め甲斐があると分かります。
こういうルールは、奇抜なものの方が、面白くなります。
というのも、制約を入れるからこそ独自スタイルができて、競争を避けることができるからですね。
競争がないから、オンリーワン&ナンバーワンになりやすいと。
そして、そういうスタイルを好む人ほど、確実にファンになります。
「制約」は「手抜き」とも言う
別の例で言うと、こういう技術的な部分でルールを課すのも面白いでしょう。
自動中割りのまとめ pic.twitter.com/6GspDeF7Aq
— S (@smdls) June 26, 2016
これは、アニメーションで言う「中割り」という、動画部分を自動で作ることに特化した人の作品集です。
元になる形状の絵(原画)は手で描くんですが、その間を埋める絵(動画)を、自動で生成させるシステムを作った、ということですね。
こういう風に、「中割りをできるだけ手抜きをする(自動化する)。その上で、見栄えがいい見せ方を作る」というのも、一つの面白さだと分かります。
だって、こういうのはゲームと同じで、極め甲斐がありますからね。
すなわち、「手抜き」とは、「制約」と同じだと言えます。
普通は、「動画(中割り)は手で描く方が優れている」でしょ。
そのために大勢のアニメーターがいますし、アニメーターを多く雇えるアニメ会社ほど優れている、という感覚です。
でも、言うなればそれは「他者のルールに合わせる」ことでしかありません。
だから、「自分でルールを作る」というのは、「他者とは別の手抜きを作ること」だとも言えます。
ひらがなポーカーだって、漢字やカタカナをざっくりカットして手を抜いたから、組み合わせが面白くなったんですから。
当然、漢字やカタカナ、アルファベットがある方が多彩な表現ができるものです。
でも、制限をすることでも面白くできるわけです。
まとめ
そんな風に、面白さを作りたい場合は、選択肢を狭めてみるのもいいでしょう。
それは、「制約」とも呼べますし、「手抜き」とも呼べるようなものを追加する、ということですね。
普通は「手を抜くのは悪いことだ」と言われますが、それは既存の形が決まった社会だけです。
じゃんじゃん制約や手抜きを追加していいし、手を抜くなら上手に抜きましょうと。
すると、ひらがなポーカーとか、自動中割りのように、独自の面白さを提供できるようになります。
独自だからこそ、極め甲斐が出て。
そしてその上手なルールの体系を作ることができたら、それがビジネスになったりする、ということですね。
ということで今日は、「面白くしたいなら、あえて選択肢を狭めてみよう」、というお話をしてみました。
今日はここまで~。