今日は、精神的なお話です。
「高共感&境地開拓的な人」(いわゆるHSPタイプ)が活躍できる場を語ってみることにしましょう。
高共感&境地開拓的な主人公
先日の記事でも紹介したんですが、漫画「片喰と黄金」が面白かったりします。(2021年10月26日までは全話無料)
これ、何がいいのかというと、主人公が「高共感&境地開拓的な人」(いわゆるHSPタイプ)なんですよね。
で、こういうタイプが主人公になるのは、(百合系作品以外では)とても珍しいように思います。
ちょいちょいこのブログでも書いていますが、私の中では、人の性質には4つの性質があると分類しています。
それが、次のような「外向型と、内向型の3タイプ」です。
- 外向型:刺激にニブいし、相手の気持ちをよく理解できないタイプ。工夫は苦手だが、社会で生きやすい。
- 境地開拓タイプ:相手の気持ちを理解できないが、自分軸があり、工夫ができるタイプ。
- 高共感タイプ:思いやりがあって相手の気持ちが理解できるが、工夫は苦手なタイプ。
- HSPタイプ:最も刺激に鋭いタイプ。相手の気持ちを理解できて、工夫が好き。だけど刺激の強い社会では、最も生きにくい。
HSPタイプは、主人公になりにくい
で、HSPタイプ以外の性質では、主人公はいくらでもできるんですよ。
外向型は「個対個のバトル」系、高共感タイプは「社会を守るヒーロー」系、境地開拓タイプは「知恵や工夫で問題解決する」系で多いものです。
ただ、HSPタイプという性質は、あまり主人公では用いられにくいと。
それは、「高共感タイプ」と「境地開拓タイプ」を掛け合わせたタイプなので、なかなかテーマとして扱いづらいからでしょう。
とはいえ、HSPタイプの人にとっては、「どういう環境だと能力が一番開花するのか」とか、知りたいじゃないですか。
なので今日は、HSPタイプが一番活躍できる場とはどういう場なのか、語ってみようかと思います。
「よりよい環境に、人に配慮しながら移動してゆける」タイプ
結論から言うと、HSPタイプとは、「よりよい環境に、人に配慮しながら移動してゆける」というタイプかなと思います。
究極を言うと、「世界秩序が崩壊して、人間社会が崩壊したとしても、最後まで生き残るタイプ」だろうと思います。
上記の漫画「片喰と黄金」でも、アイルランドのジャガイモ飢饉という災害で、社会が崩壊してしまうわけです。
そして主人公は、「アメリカに移民しよう」と決意して、従者を連れて動き始めるんですが。
ゴールを設定できる能力
まずは、そういう「ゴールを設定できること」というのが、ひとつの大きな能力ですよね。
ある意味、自分軸を持っていて、「ここにたどり着けば、豊かになれるだろう」と予測して、自分から目標を設定できるタイプです。
実のところ、自分で目標を立てられない人は、世の中に多くいます。
そういう人は、「周囲と同じようにする。言われたとおりにする」という生き方になるんですが、その場合は「その社会から出られない」という欠点を持ちます。
だから、その社会が崩壊したときは、もう「みんなで死ぬ」しか選択肢がないわけです。
今の日本でもそうで、「日本経済が死んだら、一緒に死ぬしかできない」というタイプは多いんですよ。
そういう場合、境地開拓タイプやHSPタイプのように、「新たな場に移って、変化できる」という性質が重要になります。
そのために、合理性を持っていたり、いろいろ推論ができて、本質を見極める能力を持っていたりします。
だから、要領がよかったり、工夫や試行錯誤ができたり、何が重要なのかを見つけ出しやすいと。
なのでこういう人ほど、既存社会にとらわれずに、うまく豊かな場に移れるんですよね。
配慮できる性質
一方で、HSPタイプは「人の気持ちも理解できる」とか、「他の人もついてこられるように、配慮できる」という性質も持ちます。
なので、社会から取り残された弱者を助けることができるし、そういう人たちから支持されると。
特に、「社会から見放された、少数の弱い人たち」がいる場で、力を発揮しやすいでしょう。
「社会全体を救う」のではなく、「社会から見放された少数の弱者を救い、共に移動する」という立ち位置ですね。
例えばイエスなり、仏陀なり、孔子や老子なり、人を救って導いた創始者は、だいたいがHSPタイプです。
教えを広めるのは、弟子たちですからね。
いや、本業の人からすると「イエスは人間ではない! 三位一体の存在だ! だからHSPタイプなどでは断じてない!」とか言われそうですが(笑
それはそれでいいので、私が間違っているので、「三位一体でいいですよ」と思っておいてください(笑
一番多機能な性質を持つ
ある意味、HSPタイプって、人間の中でも一番多機能な性質を持ちます。
「共感性(相手の気持ちを理解できる機能)」と「境地開拓性(工夫ができる機能)」という2大機能が同時にあるので、基本スペックは高いものです。
実際に、結構器用にこなせるし、推論や工夫もできて、さらには相手への配慮までできる人が多いと思うんですよ。
でも、「機能が多い」というのは、複雑だし、説明書がないと正常に動かしにくいし、機能に疲れやすいんですよね。
機能って、正しい使い方をしなければ、正しく効果を発揮できません。
場合によっては、正しい使い方を知らないと、こじれとなって生きにくくなってしまうと。
実際に、幼い頃から、外向型の親や周囲に囲まれた境遇で育つと、とにかく苦しみやすいものです。
HSPタイプの人ほど、学ぶことが重要になる
そのために、本で学んだり、自分の性質を知っていくことが大切になります。
実際に、HSPタイプの人ほど、ビジネス本とか自己啓発本が好きですよね。
それは、実際に多機能なので、使い方が分からないと誤作動をして、苦しくなるだけなんだと。
逆に、うまく使い方を知れば、楽に機能を使えるし、大きな効果を作れるようになります。
多くの外向型をはじめとする、機能が少ない側の人は、「周囲と同じようにすればいい」ものです。
だから、特に外向型ほど、「自己啓発本を読む人なんて、変な人だ。怖い」と感じるものでしょう。
それは、機能が少ないから、「異質な機能を持つ人や、異質なことをする人への恐れ」があるからだろうと思います。
だけど、内向型でも特にHSPタイプは、機能が多いからこそ「自分の特殊な機能を学ぶこと」が重要になる、ということですね。
そして、独学もできるし、うまく自分なりのスタイルを作れるかと思います。
慎重に行動できる
それはある意味、「最も慎重に配慮できるので、安全に人生の旅ができる」とも言えるでしょう。
でも、その裏を返すと、「慎重さや配慮を重視するので、悩んで疲弊しやすいし、決断しにくい」とも言えます。
それは、元々機能が多いから、「ありとあらゆる状況に対応しよう」と神経をとがらせてしまって、動けなくなりやすいと。
だから、HSPタイプの人ほど「シンプルにする」というのが効果的になります。
いろんなことをシンプルにすることで、必要な状況で、必要な機能をうまく使えます。
そうやってエネルギーを高めて(より正確に言うと、無駄なエネルギーを浪費せずに)、活動できるということですね。
まとめ
そんな風に、HSPタイプの人は、「よりよい環境に、人に配慮しながら移動してゆける」というタイプだろうと思います。
そして、自分から豊かな場所を探して、「こういう場所がいい!」、「こういう生き方って、すてき!」と見つけて、それを弱者に教えられると。
ある意味、「世界秩序が崩壊して、人間社会が崩壊したとしても、最後まで生き残るタイプ」ですね。
タイタニックが沈没する時でも、危機をうまく察知して、事前に小舟を準備をして、安全に脱出できるタイプです。
そう考えると、社会にとらわれずに、機能をうまく使って、よりよい環境に移動できるかなと思います。
すると、うまく心地よく生きられるかもしれません。
ということで今日は、「高共感&境地開拓的な人」(いわゆるHSPタイプ)が活躍できる場を語ってみました。
今日はここまで~。
おまけ
どうでもいいんですが、「しまなみくるくる」という作品も、主人公がHSPタイプですね。
まぁこれは百合系作品ですが、こういう主人公も好きだったり。
あと、幸村誠氏の描く漫画は、「外向型の社会にうんざりした主人公が、HSPタイプの生き方(思いやりのある、境地開拓的な生き方)を目指す」という作品が多いです。
「プラネテス」とか、「ヴィンランド・サガ」とか。
これも、少し珍しいタイプの作風になるかなと。