今日も精神的なお話です。
「私にはこれしかないのに」と思ったら、よそ見を制限しよう、というお話です。
行き詰まったとき、どう対処すればいいか
何かに行き詰まる時って、ありますよね。
新しい売り上げがうまく伸びなかったり、売り上げが先細りになったり、思うように成果が出せなかったり。
そういう時って、よく「やっぱり私にはこれしかない」と感じて、「今までしていたことを、もっと頑張ろう」とするものです。
でも、ほとんどの場合、それで頑張っても成果は出ないんですよね。
というのも、その方法論がうまくいかなくなったから落ち込んでいるわけです。
なのにそのうまくいかなくなった方法論で「もっと頑張ろう」というのは、ただの思考の放棄でしかないからですね。
すなわち、それはただの「必死で現状維持をする」という道でしかなく、いくらそれをしても、クリエイティブな解決方法は得られないんだと。
じゃあ、どうすればいいのか。
そこで一つの方法論として、「よそ見をする」ということをおすすめします。
すると、新たな道が見えるようになるかと思います。
「宇宙兄弟」に出てくる、「2次元アリと3次元アリ」の例
小山宙哉さんの描いている「宇宙兄弟」という漫画で、いいお話があったんですよ。
(ちなみに「宇宙兄弟」はクリエイティブな解決方法が多くあるので、クリエイティブな発想に慣れるのにおすすめです)
それが、「2次元アリと3次元アリ」のお話です。
1次元(直線)の世界で生きているアリは、直線上だけを進むことができます。
でもそこで、その直線上に石でも置かれてしまい、障害物ができてしまったらどうでしょう。
その先に行きたくても、アリはそれ以上は移動できなくなります。
だから、アリは「先へ行きたいけど、障害物があって行けない。戻ることも嫌だ」となって、苦しむわけです。
でも、アリが今までの尺度とは違う2次元(平面)という次元に進出したら、障害物を回避できますよね。
直線的な動き(前か後ろか)だけでなく、平面での動き(右か左か)ができるんですから。
すると、「ちょっと横にずれて進めば、障害物を回避できる」と分かり、問題を避けて通れます。
なら次は、「段差」という問題が出てきます。
2次元(平面)という次元に生きていると、この段差は回避できないわけです。
それでも、今までとは違う3次元(立体)という次元に進出すると、段差を乗り越えて、望む方向に進むことができます。
4次元になると「時間差」や「タイミング」などが必要になるかもしれませんし、5次元以上になると論理とか関係性みたいな、さらに高度な「世の中のメカニズム」を知る必要があるでしょう。
「その次元」にいるから悩みが解決できない
これが、私たちに「より大きな、広い視野」を与えてくれる、いいたとえ話じゃないかな、と思います。
私たちはなぜ悩んでいるのかというと、「2つの道」だから悩んでいるわけです。
それが、「こうしたい、でもできない」と「こうせざるを得ないけど、それはしたくない」という2つの道です。
例えば「会社勤めは嫌だ。でも会社を辞めることなんてできない」という道と、「できればこれで独立したい。でも売り上げがないからできない」という道かもしれません。
「親のいいなりになるのは嫌だ。でも親の家に住まわせてもらっていて、収入も少ないから、出て行くことなんてできない」という道と、「できれば一人暮らしをしたい。でも十分な貯金も収入もないからできない」という道かもしれません。
「あの嫌な人に復讐したい。でもそんなことしちゃいけないし、したら自滅するだけだ」という道と、「あの嫌な人から離れたい。でも経済的な事情でできない」という道かもしれません。
これが、1次元(直線)で悩んでいるアリの状態です。
「こうしたい、でもできない」と「こうせざるを得ないけど、それはしたくない」という二者択一ですよね。
で、この軸で考えている限り、クリエイティブな解決方法は生まれません。
それは分かりますよね。
この次元では、解決できない問題なんですから。
ここで必要なのは「別次元に向かうこと」です。
よそ見をすることで、「その次元」から目をそらすことができる
じゃあどうすればいいのかというと、そこで「よそ見をする」ということです。
それによって、その次元から目をそらすことができて、別の新しい道が目に入ってくるようになります。
この裏を返すと、「今の次元で問題解決をしようとしない」ということでもあります。
私たちは普通、問題があると「解決策が欲しい」と思います。
それで、ネットで解決方法を検索したり、あれやこれやと試行錯誤したりするんですが。
それで解決できるような次元の問題であればいいんですが、多くの場合、解決できないから悩んでいるわけです。
検索で得られるものは、だいたい「したいことを実現する方法」と「したくないことをやらずに済ませる方法」です。
それはたいていの場合、今の次元での対処法になります。
すると、その次元から抜け出せないんですよ。
そして結局は、「こうしたい、でもできない」と「こうせざるを得ないけど、それはしたくない」という問題に再帰してしまうわけです。
で、焦れば焦るほど、この両者に縛られてしまうんですよね。
そしてその次元での綱引きに疲れ果てて、最後には「疲れた。もう楽になりたい。死んで楽になりたい」と思うようになってしまうと。
「今の次元」から意識を切り離そう
新しい次元に気づくには、むしろ「今の次元」から意識を切り離す必要があります。
「こうしたい、でもできない」と「こうせざるを得ないけど、それはしたくない」という「前か後ろか」じゃなくて、見当違いな「横を向く」とか「上を向く」みたいなイメージです。
その行動をすることは、私たちにとって最初は「そんなことしても、無意味だ。時間の無駄、お金の無駄」と感じるものでしょう。
だって、それは私たちが「今、抱えている問題」とは見当違いな方向なんですから。
でも、その見当違いな方向が、私たちに新たな道を与えてくれます。
「私にはこれしかない」と思っていた自分に、新たな可能性が見えるわけですね。
「あ、私はこれもできる」、「今まで気づかなかったけど、こっちの道でもいいんだ」と気づいたとき、世界が変わります。
こうして、新たな次元に進出できる
少しまとめると、こういう流れになります。
今までの問題とは全く関係ない方向に、何らかのきっかけで無理矢理行かされる
→ ある一定量進んだとき、横を見ると、障害物がふっとなくなっているのに気づく
→ 世の中の構造(世の中のメカニズム)が分かる
→ 強烈なアハ体験(目からウロコ体験)が得られる
→ 未来が開けて、モチベーションが上がり、ワクワクと共に突っ走れる
で、「今、なぜかワクワクすること」というのは、そういう「別方向を向かせてくれる」という点で、効果的なことが多いんですよね。
もちろん、ワクワクしなくてもかまいません。
問題に突き当たったとき、「今までとは見当違いな方向に歩いてみる」というのが大切なんですから。
それが、次元の壁を突破する鍵なんだと。
思えば私自身も、未来が開けたのは「今までとは見当違いなことをして、しばらくしたとき」でした。
私は好奇心が強いタイプなので、「なんとなく気になるから」でやっていたんですが、それが新たな可能性を見つけてくれていたんですよね。
アニメを作っていたときに、FPSゲームにはまったりとか。
FPSゲームを作っている時に、自己啓発とか心理学の内容をブログで書き始めたりとか。
そういうのが、未来へとつながっていたんだと。
まとめ
そういうこともあって、「私にはこれしかないのに」と思ったら、よそ見をしてみることをおすすめします。
その次元で努力して解決しようとしても、結局は「今までのことを、もっと頑張る」という思考の放棄になるだけです。
むしろ、「その次元」から意識をそらす必要があります。
そのために、よそ見をしよう、ということですね。
私たちは普段から、とても狭い次元で生きています。
「私にはこれしかない」なんてことはなく、新たな可能性に、自分が気づいていないだけです。
少し休んで、落ち着いて、余裕を持つといいでしょう。
「こうしたい、でもできない」と「こうせざるを得ないけど、それはしたくない」の綱引きから、別方向を眺めると。
そして、「無意味だ。時間の無駄だ。お金の無駄だ」と感じても、世の中のメカニズムを知るために、ちょっと進んでみるといいでしょう。
すると、クリエイティブな解決方法が見つかるんじゃないかな、と思います。
ちなみに心を落ち着かせる場合、この記事(心にパワーを与える「休み方」のお話)がおすすめです。
こちらも似たようなことを書いているので、参考になるかと思います。
ということで、今日は「私にはこれしかないのに」と思ったら、情報を制限しよう、というお話をしてみました。
今日はここまで~。