今日は、クリエイティブなお話です。

「華奢な体」という美しさを出す工夫を考えてみる、ということでお話ししてみましょう。

 

貴族風ドレスが安価ですごかった

今日も興味深いツイートがあったので、ご紹介。

 

この店の、いわゆる中世ヨーロッパ風な宮廷ドレスを紹介しているんですが、「まさに貴族風ドレスだ!」ってイメージですよね。

こういう衣装で1万4千円ぐらいなので、「どうやって作ってるんだ!?」と思ったりもするんですが。

これぐらい低価格で作れるとか、相当工夫をしているんだろうな、とか予想したり。

 

どうすれば、華奢な美しさを実現できるのか

こういう中世貴族風ドレスの場合、まずは「ウエストの細さを見せて、女性的なラインの細さを強調したい」という欲求があるように思います。

いわゆる「華奢(きゃしゃ)な美しさ」が欲しいわけです。

で、ついでに胸も強調して、グラマラスなイメージも得られればいいんですが、そっちはメインではないと。

あくまで、「花びらのように細く繊細で、乱暴に扱うとすぐに壊れてしまうようなイメージ」ですね。

 

だけど残念なことに、実際の自分を見てみると、全然華奢でもなく、それどころか寸胴で胴長なんですよ(笑

すると、「私も細くて可憐に見せたい!」という欲求を持つこともあるわけです。

私たちだって、「こういう状態になりたい、でも現実は違う」って落ち込むことって山ほどありますよね。

じゃあ、そこでどうするのか。

 

現実を受け入れるからといって、あきらめるわけではない

私にとっては、「現実を受け入れなさい」というのは、「受け入れてあきらめよう」ということを意味しません。

私にとっての「現実を受け入れろ」というのは、「現実を受け入れて、その上で工夫で実現しなさい」ということです。

クリエイティブというのは、そういうものですよね。

その方が、格好いいでしょ。

ならば、工夫で華奢な美しさを作ればいいと分かります。

 

それで洗練されてできたのが、上記のような貴族風ドレスじゃないかと思います。

そしてそういう観点で見ると、この衣装デザインにはいろんな工夫があると分かります。

 

どうすれば、胴体を細く短く見せることができるのか

華奢に見せたい場合、何よりも「胴体を短く細く見せること」が重要になります。

というのも、胴体を短く細く見せるほど、弱々しいイメージになるからですね。

逆に胴体部分が大きくなると、すっごいパワフルに見えるようになります。

実際に北斗の拳のキャラとか、やたら胴体や肩幅が大きいでしょ(笑

 

なら、こんな風にスカートを大きく広げると、相対的に上半身が小さく見えます。

また、腰のラインを上げることで、スタイリッシュ(頭身を増やして大人っぽいイメージ)にできて、より胴体を短く見せることができると。

 

もちろん、スカート丈を短くしても、同じようにスタイリッシュに見せることができます。

以前も実例で「スカート丈を短くすると、スタイリッシュに見える」って触れましたが、スカートの丈よりも、腰のラインが重要になるわけですね。

もし今回のような雰囲気でスカート丈を短くする場合、「白鳥の湖」を踊っているダンサーのようなイメージに近くなるでしょう。

その場合、股下ギリギリまでスカート丈を短くして胴体を隠すことで、カモフラージュと錯覚によって胴体を短く、足を長く見せることができます。

ただ、貴族の場合はしとやかさを重視するので、足は見せないと。

 

ウエストの細さをどう演出するのか

で、当時、この華奢なイメージで重要だったのが「ウエストの細さ」だと思うんですよ。

だから、当時の女性はすっごいきついコルセットをはめて、ウエストを細く見せようとしていたと。

 

そしてウエストの細さを強調するために、肩を膨らませます。

肩を大きくして、同時にスカートを膨らませると、相対的にウエストが細く見えますからね。

だけどそれだけだと、肩幅が大きくなって北斗の拳のようになっちゃいます。

だから、スカートをそれ以上に大きく広げることで、相対的に上半身を小さく見せていると。

 

まとめ

そんな風に見てみると、衣装一つを見てみても、いろんな工夫が味わえて面白いですよね。

見せたいところを見せるために、いろんな形を模索して、洗練させるわけです。

 

ちなみに男性の場合、上記の逆になります。

それは、肩幅を大きく見せて、足先になるほど細く絞ることで、胸板を広く見せることができると。

実際にアカデミー賞男優の背広姿をイメージしても分かるでしょうが、あれって「肩幅が広く、ズボンは細く」という逆三角形になってますよね。

それは、男性的な強さを強調したいからそうなっているんじゃないかと。

 

そうやって工夫を重ねることで、うまく演出していくわけですね。

こういう工夫って、面白いですよね。

いろんな工夫が見えるようになると、実際に自分でも工夫ができるようになるんじゃないかと思います。

 

ということで今日は、「華奢な体」という美しさを出す工夫を考えてみる、ということでお話ししてみました。

今日はここまで~。

 

超どうでもいい補足

ちなみにフランスの場合、スカートが広がっているのは「庭で立って用を足すため」とかいう実用性もあるようですが、私はそれは後付けじゃないかと思います。

すなわち、「見た目をよくする」というデザイン欲求が先にあって、その後で「あ、これだと立ったままできる」と気づいた、みたいな(笑

というのも、見栄を重視する貴族階級で、先に「用を足すために機能的な服」という機能性を求めることは、まずないでしょうからね。

それに、他にもいくらでも用を足す工夫はできるので、やはりスカートの大きさは「美しさを求めたから、ああなった」と考えるのが妥当かと思います。

 

いや、でもまぁ、「パリのヴェルサイユ宮殿ですらトイレがほとんどなかった」とか、今から思えばすごい世界だな、と思ったりもするんですが(笑

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