今日は、生き方のお話です。

「小説なんか読まずに、成功本を読め」と押しつける人に、私ならどう反論するか、というお話をしてみましょう。

 

「小説なんか読まずに、成功本を読め」にどう反論するか

だいぶ以前になりますが、とあるところで、こういうツイートを見かけたんですよ。

それが、確か小説家の村上春樹氏だったと思うんですが、彼はとある主婦から、こういう質問を得たわけです。

「夫から、『小説なんか読まずに、成功本を読め』と言われます。どうすればいいでしょうか」と。

 

で、村上春樹氏は、「効率化ばかりに目を向けていると、人間性が薄くなる」みたいに答えていたんですが。

なら今回は、私なりにこの問題に対して、どう答えるのかを語ってみようかと思います。

 

成功って、何?

もし私が答えるなら、きっとシンプルにこう答えるでしょう。

「成功本を読めって言うけど、成功って、何?」ということです。

 

すると、「成功」なんてものは、いろんな形があると分かります。

なら、「私にとっては、人生で思い切り小説を楽しむのが、成功の一つ」ということもありうると分かるかと思います。

 

成功者になって、何をしたいのか

そもそも、成功なんてものは、価値観によっていくらでも変わるものです。

「人々から称賛されるのがいい」という人もいれば、「称賛されなくても、自分を貫いて生きるのがいい」という人もいたり。

「少数の人と、目的を持って、新境地を開拓するのがいい」という人もいれば、「大勢の人と、変わらずなごやかに暮らしていくのがいい」という人もいたり。

 

それに、例えば「お金持ちになりたい」というものでも、「お金持ちになって、何をしたいのか」がなければ無意味ですよね。

なら、例えば目の前には、1000円で買える最高に面白い小説があるものです。

なのに、それをせずに1500円かけて成功本を読んで、「最高の小説を読めるように、人生でお金持ちになろうとすること」は、だいぶ遠回りだと分かります。

 

それに、もしそういう「成功」が目の前にあって、楽に手に入るのなら、「成功本を読む」なんてものは無意味だと分かります。

だって、さっさとその「成功」に手を出せばいいんですから。

 

押しつけは、その人の思い込みを表現している

裏を返すと、その「成功本を読め」という押しつけは、次のような2つの思い込みを表現しているように感じます。

それが、「私は価値観の違いを受け入れられていません」という思い込みと、「私は自分の成功から、遠い場所にいます」という思い込みですね。

 

1つめは、「自分の満足や納得よりも、周囲からの称賛や承認がより重要だ」と思い込んでいるから、「みんなから評価される成功」にこだわってしまうと。

2つめは、「自分は自分の成功から、遠い場所にいる」と思い込んでいるから、「成功本を読まなければ、実現できない」と思い込んでいるわけです。

 

本当は、「自分なりに生きたい」だけ

本当は、「自分なりに生きたい」だけなんですよ。

「周囲から認められなくても、私は自分の道を進みたい」んだと。

 

だけど、周囲から否定されるのが怖くて、動き出せないし、そんな弱い自分を受け入れられないわけです。

だから、「好きなことをしてはいけない。成功しなきゃダメだ」と、周囲を攻撃していることになります。

本当は、その人自身も「成功して、好きなことをしたい」なのに。

ある意味、「好きなことが素直にできて、うらやましい」と素直に言えないから、「こういう苦しい経験をしなきゃダメだ」、「みんなから評価されなきゃダメだ」と、こじれた表現を使っているに過ぎません。

 

問題は外部ではなく、自分に内面にある

これは、問題は外部にあるのではなく、自分の内面にあるものです。

なのでこの場合、「自分は、自分独自の価値観や生き方を許して、行動したかっただけなんだ」と受け入れればいいだけです。

「周囲から認められなくても、行動すること」は、今すぐに開始できますからね。

 

そしてそういう内面に向き合って、自分独自の生き方を始めると、「他の人も、自分独自の価値観で生きていい」と許せます

すると、他者に対してとやかく言うこともなくなるし、他者へのコントロールを手放せます。

 

まとめ

これが分かると、「こうしろ。でなければ成功できない」という価値観の押しつけは、無意味だと分かります。

ただ単純に、「成功って、何?」と問いかけてみればいいと。

 

同様の例を挙げると、例えば「こうしなければ、立派な人間になれない」という押しつけも同じです。

「立派な人って、どういう人?」ということです。

「他者の価値観を許せる、寛容な人」が立派なのか、「他者の価値観を許せずに、否定して、押しつける人」が立派なのか。

 

これが分かると、周囲からの「こうしろ、ああしろ」的な押しつけから距離を取れて、「自分にとって、必要だと思うものを取り入れればいい」と分かるかと思います。

すると、「自分から独自に動き出せば、他者に対しても、独自に動くことを許せる」と分かって、行動しやすくなるかもしれません。

 

村上春樹氏は、きっとそういう「一つの成功者像にとらわれると、いろんな他者の価値観が許せなくなる」という内容を伝えたかったんじゃないかな、と思います。

だから、彼は「効率化ばかりに目を向けていると、人間性が薄くなる」と表現したんじゃないかな、と思ったりもします。

 

ということで今日は、「小説なんか読まずに、成功本を読め」と押しつける人に、私ならどう反論するか、というお話でした。

今日はここまで~。

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