今日は、ライフサイクルのお話です。

景気後退期は、生活レベルを下げられない人から破綻してゆく、というお話をしてみましょう。

 

「年収200万円で豊かに生きる」の炎上

どこかで、こういう記事を見かけたんですよ。

それが、どこかの出版社が「年収200万円で豊かに生きよう」みたいなタイトルの本を出したんですが、それで「200万円では無理!」と炎上した、みたいな内容で。

 

まぁ、この気持ちは分からないでもないんですよ。

というのも、世の中は広いので、いろんな状況の人がいますからね。

 

例えば同じ年間200万円でも、1人暮らしと家族5人では全然違うものです。

「1人暮らしで年間200万円」なら1ヶ月16万円ぐらい使えるので、余裕どころか、工夫できる人なら豪遊できるでしょ(笑

でも、「共働きで、子供が3人、家賃も必要だし、車も維持しなきゃいけないし、上の子は中学生で、養育費も教育費もかかる」みたいな家庭もあるわけで。

なら、そういう家庭からすると、「年収200万円で豊かに生きよう」なんて言われると、キレて当然のように思います(笑

 

「年収200万円」がセンシティブな言葉になってきた

少し見方を変えると、今は「年収200万円」みたいな言葉がセンシティブな言葉になってきた、ということですね。

今まではそういうタイトルでもよかったんですが、今はその辺に配慮する必要が出てきたと。

 

これはやはり、景気後退期にさしかかってきたからじゃないかと思います。

「センシティブな言葉」というのは、ある意味「気にしている人が多い、悩んでいる人が多い」ということでもあります。

だから、インフレ(お金の価値が下がること)による値上げもあって、生活が苦しくなっている人が多くなっているんじゃないかな、と。

 

景気後退期には、生活レベルを下げられない人から破綻してゆく

ただ、こういう景気後退期には、生活レベルを下げられない人から破綻してゆくように思います。

まぁこれは当然で、使える豊かさが減る時期に、以前と同じように浪費していると、すぐに蓄えがなくなっちゃいますからね。

これは個人だけでなく、会社も同じです。

景気後退期には、国や政治に頼る前に、自分で生活レベルを下げておかないと、破綻しやすくなるわけです。

 

それに、「生活レベルを下げる」と言っても、それなりに工夫が必要なんですよ。

というのも、私の言う「生活レベルを下げる」=「満足度を下げずに、むしろ満足度を上げて、その上でコストを下げる」だからですね。

 

例えば、車を2台持っている場合、1台減らすとしましょう。

すると、普通はそれだけ不便になるものです。

でもそこで、例えば「1台は通勤用の車だから、通勤は自転車にしよう。それなら運動になるし、ジムに通う費用も減らせてちょうどいい」みたいにするわけです。

なら、ライフスタイルを変えるだけで、「車とジムの費用を減らせた上で、運動もまとめてできて、むしろ時間的余裕ができた」と、満足度を高めてコストをうまく下げられます。

 

「生活レベルを下げる=我慢をする」という思い込み

でも多くの人が、「生活レベルを下げる」=「我慢すること(満足度を下げること)」だとしています。

好きな活動をやめたり、食べたいものを控えたり、やりたいことができなくなる、そういうことを「生活レベルを下げること」だと認識しているわけです。

 

だから、「もうこれ以上我慢できない!」という人たちが出てくるんですよね。

そして上記のように、「年収200万円で豊かに」とか言われると、「これ以上我慢できない! したくない!」という思いから、攻撃してしまうと。

上記の炎上の件は、そういう認識の食い違いが背景があって、それで起きたことかなと予想したりもします。

 

早めに着手しておく方がいい

私の中では、今はどんどん「満足度を下げずに、コストを下げる」という工夫をしておく時期かなと思います。

そしてこういうのは、早めに着手しておいた方がいいように思います。

 

というのも、コストを下げるのにも、コストがかかるからですね。

これはより正確に言うと、「ランニングコストを下げるために、初期費用コストがかかる」ということです。

より家賃の低い家に引っ越すにしても、より省電力の家電や照明に替えるにしても、不要なものを捨てるにしても、お金も時間も、労力もかかるものです。

なら、「余裕があるうちに、早めに対処しておく方がよさそうだ」と分かります。

 

で、こういうのは、お金がなくなってからでは遅いわけです。

会社では「倒産するにもお金がかかる」というのがありますが、それと同じです。

「お金がないから倒産するのに、倒産するのには裁判費用や弁護士費用が必要で、そんなお金をかける余裕なんてないよ!」と言いたくなるのは分かるんですけどね。

 

でも、「コストを下げるブーム」が来てからだと、「ランニングコストの低い、だけどそれなりに優秀なもの」は一気になくなります。

ブームの前に準備しておく方がいいかな、と思ったりもします。

 

「ネガティブを考えると、ネガティブを引き寄せる」の罠

時々「稼ぐことを考えろ。コスト削減は考えるな。ネガティブを考えると、ネガティブを引き寄せる」とか言う人がいますよね。

でもこれも、上記の「コスト削減=我慢」、「ネガティブ=ポジティブを削るもの」と思い込んでいるからそう言っているわけです。

 

私の中では、「コスト削減=より密度の高いライフスタイルや生き方」、「ネガティブ=ポジティブを補うもの」です。

例えば上記の「車とジム費用を削減して、自転車通勤にする」でも、これは見方を変えると「運動と通勤を一緒にできて、より無駄を排除して、密度が高い人生を送れる状態」ですよね。

他にも、例えば「活動すること」がポジティブで、「寝ること」がネガティブだとすると、私たちは寝ることで活動ができるわけじゃないですか。

 

なら、ネガティブはポジティブを削るものではなく、むしろ補って強めるものだと分かります。

裏を返すと、「ネガティブはダメだ」と否定するから、我慢をしてしまうし、苦しくなるし、一度破綻したらそれが致命傷になって、一撃死になってしまうわけです。

 

「陰と陽」、「波」でとらえる

私は「陰と陽」や「波」という概念が好きなんですが、そういう「ネガティブもポジティブを補う」というスタイルです。

ある意味、ポジティブに誠実に向き合えば、ネガティブにも誠実に向き合う必要が出るわけです。

この根本部分が分かると、「何がポジティブで、何がネガティブなのかは分からないし、分からなくていい。ただ波があるだけだ」と分かって、生活レベルも下げやすくなるかと思います。

 

それに、「好景気はより活動する時期、不景気は無駄な活動を手放す時期」とも言えますからね。

「どちらがいい、悪い」ではなく、「今まではこういう波、これからはこういう波」で対処してゆくのでいいように思います。

 

まとめ

なので、私の中では、生活レベルは早めに下げておく方がよさそうに思います。

そしてそれは我慢するのではなく、工夫で満足度を下げずに、うまく低コスト化することですね。

さらに言い換えると、「生活レベルを下げること」=「我慢せずに、もっと楽しめるように、人生の密度を高めること」とも言えます。

 

なら、何がポジティブで、何がネガティブなのかは関係ないと分かります。

ある意味、「伸びている時は、ポジティブ側にチャンスがある」、「限界が来たら、ネガティブ側にチャンスがある」とも言えるかもしれません。

 

こういう「波」と「陰と陽」の感覚が分かると、これから起こる変化にもうまく乗れて、豊かさを増やせるかもしれません。

 

ということで今日は、景気後退期は、生活レベルを下げられない人から破綻してゆく、というお話でした。

今日はここまで~。

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