今日はクリエイティブなお話です。
「業界の穴場」を見つけられると、収益を作りやすくなる、というお話をしてみましょう。
ロードスター専門のレストア工場
ということで、今日のネタ記事です。
ロードスターを再び レストアに賭けた町工場(ITmediaビジネスオンライン)
マツダ自動車の車に「ロードスター」というオープンカーがあるんですが、その車を専門にレストア(修理・修復)する、広島の町工場(まちこうば)のお話です。
この町工場は元々車の修理をしていたんですが、コロナウイルスで修理の売り上げが激減して、頭を抱えていたわけですね。
そんな時、ロードスターという車に注目することになります。
構造自体も工夫されているし、ネットでの検索数も多くて、長年人気の高い車だったわけです。
それに、きっとこの工場の社長さんも、ロードスターに魅力を感じていたと思うんですよ。
だから、「車全般の修理」という看板をやめて、「ロードスター専門のレストア工場」という看板を掲げて動き始めたと。
もちろん、実際に何ヶ月も学んで、技術を身につけて。
そして、少しずつですが、着実に注文が入ってくるようになった、というお話なんですが。
「多くの人に売れるもの」と「競争力」の配分戦略
こういうのも、一つの戦略ですよね。
「何でもやりますよ」という発想から、「ここだけは誰にも負けませんよ。誰よりも強いですよ」という強みに集中すると。
すると、「ターゲットとなる潜在顧客数」は減るんですが、「競争力」は得られると。
だから、それを強く望む人からの発注を得られて、利益になることもある、ということです。
こういうのは、「多くの人に売れるもの」と「競争力」のバランス配分だろうと思います。
そしてその「穴場」を見つけられると、うまくポジションを確保できるかと思います。
「多くの人に売れるもの」であるほど、顧客になりうる人は増えますが、競争力は落ちます。
というのも、「多くの人に売れるもの」ほど多くの人がやろうとするので、体力勝負になって、大手が勝ちやすくなるからで。
一方で、競争力をつけようとすると、「ターゲットを絞る」ということになると。
なら、売りやすくはなるんですが、顧客の数が少ないので頭打ちになりやすいわけです。
時代や業界で、「穴場」のある場所が変わる
で、その時々、業界によって、どの辺りに「穴場」があるのかが違うんですよね。
それを見抜くことで、チャンスが見えることもあるわけです。
例えばイギリスで有名な企業家、リチャード・ブランソンは、「多くの人に売れるものだけど、ほとんどの大手会社が新技術を導入していない業界」をよく見つけていました。
すなわち、「多くの人に売れるもので、既存の会社よりも競争率を高められる業界はないか」と発想したわけです。
そういう業界を見つけられれば、「新技術を導入した会社を立ち上げると、一気に業界勢力を塗り替えられるぞ」と予測できます。
そうして彼は、学生時代は新聞を作ったり、独立してからは音楽とか、航空産業に参入して、大成功したと。
それは、「業界全体が古い慣行ばかりの業界に、新技術を使って競争力を得て参入して、業界をかき回す」という発想です。
もちろん失敗した事業も山ほどありますが、少数の成功が彼を成功者にしたわけです。
ニッチな「穴場」を見つける発想
上記のロードスター専門レストア工場の場合、「多くの人には売れないけど、確実に需要があるのに、他の人があまりやっていない分野」に特化したことになります。
これも、「穴場」を見つける発想ですよね。
で、こういう「専門工場」みたいなポジションは、先に占有する方が楽になります。
というのも、一度ネームバリューができてナンバーワンになれたら、多くの人がそこに発注しますからね。
後追いが入ってきても、なかなか勝てないわけです。
そういう意味で、ニッチは「顧客数は少ないけど、長く安定した売り上げを得られる」という強みがあると。
穴場を予測してみよう
そんな風に、業界全体を見渡して、「この辺が穴場かも」と予測してみるのもいいように思います。
私たちだって、スーパーのレジ待ち行列に並ぶ場合、「奥の方がよく空いていて、穴場だな」とか、俯瞰して見て決めることとか、あるでしょ。
観光地への旅行でも、人混みが嫌な人は、「ちょっと外れた場所で、面白そうなものを見つけてみよう」みたいに、穴場を見つける発想になるわけで。
他の例では、釣りでも「多くの人がいる場所でなくて、誰もいない場所で、釣れる場所を見つけよう」みたいにできると。
ちなみに私はウォーキングが好きなんですが、「人が通らない場所で、心地よく歩ける場所を見つけよう」と、よく探索してますから。
で、地元でもほとんどの人が知らないような、眺めのいい場所とかよく知ってますからね。
そういう場所だと、楽に心地よく歩けるわけで。
まとめ
そういう風に、業界全体を見渡してみるのもいいかもしれません。
特に、「私はこれが好き」だけではうまくいかない場合に、これは効果を発揮するかと思います。
例えば「私は車のレストアが好き」という場合でも、「ロードスター専門にしてみよう」みたいに、もっと穴場に絞って攻めることができるわけです。
もしくは、「この街は、車だけでなく、金属修理は古い技術ばかりだな」という場合、新技術でより大きな業界勢力を塗り替えることもできて。
私の場合、「人混みや競争は嫌なので、あまり人がいない場所で、ゆったりやろう」というスタイルが好きだったりします。
もちろんうまくいかない場所も多いんですが、一つでもいい穴場を見つけられると、それが安定的に利益をもたらしてくれますからね。
そういう、「そういえば、こういう切り口はないな」とか、「そういえば、こういう新しいものは使ってないな」みたいな発想ができると、新たな可能性が見えるかもしれません。
ということで今日は、「業界の穴場」を見つけられると、収益を作りやすくなる、というお話をしてみました。
今日はここまで~。