今日は、精神的なお話です。
「シンプルにすると、元気も出るし可能性が見える」、というお話をしてみましょう。
「下を掘り下げる」ではなく「横を見る」ことの続きのお話
先日、「絵の下」を掘り下げるのではなくて、「絵の横」を見ると、可能性が見える、というお話をしましたよね。
今日は、その続きのお話になります。
とりあえず前回の内容をおさらいすると、「絵でお金を稼ぎたい。どうしたらいいだろう？」という場合に、どうすればいいのか、ということです。
で、「私は絵が好き。絵で稼ぐなら、イラストレーターになるしかない。でも、雇われは嫌だ……」みたいに悩むことが多いんですが。
でもそれは、速水もこみちさんが「自分は声を出すことが好き。声で稼ぐなら、ボイストレーナーになるしかない」と言っているのと同じようなものだ、ということですね。
もこみちさんの未来を知っている私たちからすると、彼の天職はボイストレーナーではなくて「俳優」なんですから。
すなわち、「声を出すこと」の下を掘り下げるのではなくて、その横を見てみるイメージです。
なら、彼は「主人公になりきるのが好き」とか、「料理が好き」、「体を動かすのが好き」……みたいな特徴が見つかります。
それと融合していくと、「上」に「俳優」というポジションがあることに気づく、ということですね。
だから、可能性を知りたい場合、「絵の下」を見るのではなくて、「絵の横」を見ることで、その上を知りましょう、というアプローチを提案しました。
どうすれば、「上」を見つけられるのか？
そこでこういう質問をいただいたので、ご紹介。
最近、疲れているせいか、自分がなにが楽しくて、なにがワクワクするのか、わからなくなりました。
７月中に、なんとかワクワク楽しいことを見つけて、どうにか少しずつでも、収入に結び付くようにしたいのですが、なんとか良い手はないものでしょうか？
私のやりたいことは（中略）ですが、他に、どんな特徴を挙げれば、上が観れるようになるのでしょうか？
好きなこととか、自分の特徴を列挙すると、こんな風に混乱してしまうことも多いかな、と思います。
とりあえず自分にいろんな長所や欠点、特徴があることは分かった。
だけど、そこから「上」を見つけられない、ということですね。
どうすれば、もこみちさんの「俳優」に当てはまる天職を、自分の特徴から見つけられるのか。
そこで、今回はそんな「上」を見つけ出す方法をご紹介しましょう。
それが、「シンプルにする」ということです。
シンプルにすれば、自分の天職ややりたいことが、すっきりと分かるようになります。
シンプルにすると、細かい調整はできないが、大きなパワーが得られる
私たちは、複雑にするか、シンプル（単純）にするかを選べます。
複雑にすると、細かい調整はできますが、パワーを失い混乱を招きます。
逆にシンプルにすると、細かい調整はできませんが、大きなパワーを得られるようになります。
これは、イメージで分かりますよね。
機械でも組織の指揮体系でも、複雑なほど細かい調整ができる一方で、シンプルにすればパワーと即効性を出せると。
で、「元気がない」とか「疲れている」というのは、複雑にしすぎているからなんですよ。
世の中を複雑にとらえているから、混乱して、何をしたらいいのか分からなくなる、という状態です。
言うなれば、朝の忙しいときに「ゴミを集めて出さなきゃ。でも電車に遅れる。朝食を食べないと。天気予報を見ないと。ああ、仕事でこのメールはどう返事しよう。今日の晩ご飯は何を買って帰ろう。鍵はどこに置いただろう」とか同時に考えるようなものです。
そんな風に複雑に考えていると、もう「うきーっ！」とか叫びたくなったり、「何もやりたくない……」とかうつになっちゃいますよね。
同時に、うつになるから、やりたいこととか、ワクワクも感じられない状態になります。
そんな風に、疲れや元気のなさ、やりたいことが分からない状態は、混乱がもたらします。
で、今の世の中や、現代人のライフスタイルは、きわめて複雑になりすぎている状態です。
というのも、インターネットが登場して情報化社会になって、私たちが触れる情報量は飛躍的に高まりました。
すると、やりたいこと、できること、しなきゃいけないことがこんがらがってしまったんですよ。
こうして生き方が複雑になり、「こんな難易度の高い世界で、自分なんかが独立・自立して生きていけるはずがない」なーんて思い込んでしまうようになるわけです。
特効薬の言葉「シンプルに言うと、私はこれができさえすればいいんじゃないの？」
でも、それはただ単純に、混乱しているだけなんですよ。
だから、そういう時は、シンプルに考えましょうと。
すると、パワーが出せるようになります。
そのためにも、「シンプルに言うと、私はこれができさえすればいいんじゃないの？」と言ってみるといいでしょう。
朝の忙しいときでも、「シンプルに言うと、私はこれができさえすればいいんじゃないの？」と言うわけです。
すると、「私は結局、心地よい朝の時間を過ごしたいだけなんだ」と分かるかもしれません。
なら、「ゆったりした時間を過ごすために、ばたばたする」なんて、明らかに矛盾した行動だと分かります。
仕事だって、「シンプルに言うと、今の仕事で何ができさえすればいいの？」と言ってみるといいでしょう。
で、「数年後に独立するまで、生活費をしのげられればいい」と分かるかもしれません。
なら、「生活費をしのぐために、生活費を削る無駄な付き合いをする」とか、「体を壊してまで、残業で5～10%程度の収入増を確保する」なんて、明らかに矛盾した行動だと分かります。
すると、そういう攻める要所と、無駄な場所が分かりさえすれば、ちゃんとした戦略も立てられます。
私たちは、思っている以上に戦力を持っているものです。
ただ、複雑に考えて戦力を無意味に分散させているので、「どんなことでも、歯が立たない」と思い込んでいるだけです。
シンプルにして戦力を集めさえすれば、楽に攻略できるものなんですよ。
矛盾を取り除けば、以前も説明したように感情と理性が手をつなぐことができるので、朝の30分とか夕方の1～2時間を増やすなんて簡単にできます。
生き方をシンプルにすると、エネルギーが出て、攻める要所が見える
これは生き方でも同じです。
どんなことでも、「シンプルに言うと、私はこれさえできさえすればいいんじゃないの？」と言ってみるといいでしょう。
すると、エネルギーが出て、攻める要所が見えてきます。
例えば上記質問者さんの場合、「音楽鑑賞と、ＴＥＤ（プレゼンテーション）が好き」と言ってます。
その他にも、「グイン・サーガ（ファンタジー小説）と蒼天航路（三国志マンガ）が好き」みたいなのが好きだと。
だいたいこういうものには、全部共通性があるものなんですよ。
それは、「映像＋音楽的な演出をイメージすることが好き」かもしれませんし、「いろんな世界観の情景に浸るのが好き」とか、「違う価値観の人として、違う場所に立っているイメージが好き」、「観衆や人々が盛り上がる場や場面が好き」かもしれません。
「結局私は、これを味わえさえすればいいんだ」みたいに分かると、日常的にそれができる場所が見えてきます。
「映像＋音楽的な演出をイメージしたい」のであれば、近所の服屋さんでもできますし、普通のショップでもできます。
ショーウィンドウやディスプレイがあれば、そこで何らかの演出ができるでしょう。
「観衆や人々が盛り上がる場や場面が好き」なら、イベント的なことで活躍できるかもしれませんし、店内放送を工夫することもできるかもしれません。
そんな風にシンプルにすると、身近な場所でそれが実現できる場所が見えてきます。
転職や独立をしなくても、実は今いる場所でそれができたり、すぐ隣の部課や店でできたりすると分かるんですよね。
それが、「上」を知ることを意味します。
注意が必要なのは、複数ある選択肢を一つに絞ることではない、ということですね。
言い換えると、「音楽鑑賞をやめて、プレゼンテーションに絞り込もう」とするのではない、ということです。
これは、ただ単純に一つを決めて、その下を掘り下げるだけですからね。
イメージとしては、複数ある縦軸の中から、全てを貫く一本の横軸を見つけ出すような感覚です。
その「全てを貫く一本の筋」を見極めることを、「シンプルにする」と言います。
まとめ
「元気が出ないし疲れる」、「ワクワクが見つからない」、「収入に結びつくことが分からない」というのは、全て根底でつながっています。
それが、「混乱していること」ですね。
だから、シンプルにしましょうと。
そのためにも、「シンプルに言うと、私はこれができさえすればいいんじゃないの？」と言ってみるといいでしょう。
世の中をシンプルにとらえることができるほど、短期間で「あ、これをすればいいだけなんだ」と分かります。
そして、身近なことでそれが実現できると分かります。
私から見ると、多くの人が複雑に考えすぎているように思います。
人間は、結局は、自由に大好きなこと（使命を感じられること）をして、おいしいものを食べて、安心して眠れて、いい人間関係の中にいることさえできれば、十分に幸せを味わえるように思います。
これをちゃんと理解できれば、「今月中」なんて長い期間は必要なくて、今日からでも理想の毎日を実現できると分かります。
元気も出て、ワクワクも分かって、希望も見えて、適切な戦略とかも、すぐに見つかりますから。
これは、難しく考えることではありません。
ほんと、単純なことです。
そりゃ、シンプルにするための話ですからね（笑
今回のお話は、シンプルにとらえればとらえるほど、その威力が分かるでしょう。
ということで、今日は「シンプルにすると、元気も出るし可能性が見える」、というお話をしてみました。
今日はここまで～。
