今日は日記的なお話です。

物語作りでも、「ストーリークリエイター」と「コンセプトクリエイター」がいますよね、というお話です。

 

「ストーリークリエイター」と「コンセプトクリエイター」

最近、漫画でも4ページ漫画が増えましたよね。

それは、おそらくTwitterが1ツイートで4枚まで投稿できるので、そういう形が標準になったんだろうと思うんですが。

今はもう、どんどん細切れ時間で物語を味わうようになって、4ページなら短時間で味わえますからね。

そういう「短く終わるものを、高頻度で」というスタイルになってきていると。

 

で、Twitterの漫画って、コンセプトはいいのに、ストーリーをうまく構成したり、うまく終わらせるのが苦手な人が多いじゃないですか(笑

そういうことから考えても、物語作りでも、「ストーリークリエイター」と「コンセプトクリエイター」がいるように感じます。

そして、この違いは、「変化を描くのが得意」か、「状態を描く方が得意」かで決まるかなと思ったり。

 

ストーリークリエイターは、変化を描く

ストーリークリエイターは、どちらかというと「変化を描く」のが得意なタイプです。

「こういうキャラが、こういう出来事や人物に出会って、こう悩んで、こう変わっていく」という流れを重視して考えるタイプですね。

だから、ストーリーとしてきちんと構成して、終わらせることができると。

ある意味で、「時系列処理が得意」、「目に見えない部分をとらえるのが得意」とも言えるでしょう。

 

こういう場合、無駄のないストーリーを構成できるかと思います。

無駄なキャラを出さなかったり、無駄なエピソードはどんどん省くことができて、テーマをしっかりと作りやすいと。

 

コンセプトクリエイターは、状態を描く

一方でコンセプトクリエイターは、どちらかというと「状態を描く」のが得意なタイプです。

「このキャラが主人公で、恋人役とはこういう関係で、敵と恋人役はこういう関係で、こういう場所にいて」みたいな、平面図だったり、面白い関係、面白い1つの場面を重視して考えます。

だから、キャラクターの属性や特徴とか、見た目とか設定を、より魅力的に作れます。

こちらはある意味で、「視覚的な処理が得意」、「目に見える部分をとらえるのが得意」とも言えるでしょう。

 

こういう場合、魅力的なキャラが増えやすいように思います。

でも、テーマがよく分からなくなるし、無駄なエピソードも山ほど入ってきます。

 

「魅力的なキャラを作れない」、「うまく完結できない」という違い

この性質の違いが、「魅力的なキャラを作れない」もしくは「うまく完結できない」という違いを作っているように思います。

ストーリークリエイターの場合、どうしても構成を先に考えるので、全体はいいのに、魅力的なキャラを作りにくくて。

一方でコンセプトクリエイターの場合、どうしてもキャラ関係や設定を先に考えるので、最初はいいのに、マンネリになったり、途中からだれたり、うまく完結しにくいと。

もちろん、同時に二つの要素を持つこともありますし、人によっては「どっちも苦手」ってこともあるかもしれません(笑

 

で、メジャー向けの場合、コンセプトが重要になるように感じます。

それは、コンセプトの方が一瞬で見て分かるので、短時間で善し悪しを判断しやすいからですね。

ほら、「表紙を見ただけで買った」とか、「最初の1ページで好きになった」みたいなことって、ありますよね。

それはたいていが、コンセプトを見ているからそう判断できるわけです。

 

広く多く売りたいなら、コンセプト重視

実際に、大手小説投稿サイトとか、メジャー系の漫画や小説でも、広く多く売れているのはほぼ良質なコンセプトを持つ作品ですよね。

ある意味、連載形式にするようなものは、ほぼコンセプトだけで売っているようなものです。

最初にコンセプトで読み手を一気に集めて、それを維持してゆくと。

異世界ものとか、テンプレものなんて、「第1話だけが魅力的で、後は惰性」みたいなことって、よくあるかと思います。

 

で、その中で、もし良質なストーリーを組み込めれば、もっと長期的に売れることになります。

ただ、そういうメジャーなものでは、ストーリーそのものは第一の要素ではない、ということですね。

 

ニッチほど、ストーリー重視

一方でニッチほど、ストーリーが重要になるかなと思います。

それは、ニッチほど最後まで楽しむので、テーマとか全体の構成みたいに、「作品としてのクオリティ」が求められるからで。

例えばゲームのように、1作品を最後まで味わう場合に重要になるでしょう。

これはある意味、ニッチほど「作者が好き」とか、「この作者なら、最後まで読みたい」と固定ファンがいて、無条件で読むことを決めているように感じます。

 

だからニッチほど、良質なストーリーを組み込んで、お客を喜ばせ続けることが重要になります。

逆に、コンセプトはさして重要ではないし、ストーリーを壊すコンセプトは、どんなに面白くても排除することになります。

 

まとめ

そういう風に考えると、自分はストーリークリエイターなのか、コンセプトクリエイターなのか、と考えてみるのもいいかと思います。

で、足りない部分を鍛えるか、もしくは得意な部分を伸ばすのかで、戦略も変わるかと思います。

例えばコンセプトクリエイターの場合、ストーリー部分を鍛えれば、ニッチな方向で安定的に活躍できるでしょう。

一方で、得意なコンセプトをどんどん極めると、よりメジャーな方向で活躍できるかと思います。

ストーリークリエイターも、同じですね。

 

ストーリーは、ロジックが重要になるかと思います。

一方でコンセプトは、ロジックではなくて、直感とかアイデアが重要になると思うんですよ。

「異質や対極の結びつけ」とか「こういうねじれた、一風変わった設定が面白い」みたいな、遊び心のようなものから生まれやすくて。

 

これは、物語作りだけでなく、いろんな物作りでも当てはまるんじゃないかと思います。

「全体をうまくまとめるのが得意」と、「面白いコンセプトを持たせるのが得意」という、二つの要素ですね。

そういう違いがあると分かると、自分の性質とかを理解しやすくて、うまく力を発揮できるかもしれません。

 

ということで今日は、物語作りでも、「ストーリークリエイター」と「コンセプトクリエイター」がいますよね、というお話でした。

今日はここまで~。

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