今日は、クリエイティブなお話です。
「最後まで完成させない」も一つのスタイルになる、というお話です。
「ストーリークリエイター」と「コンセプトクリエイター」
昨日の記事で、物語作りに限らず、どんな業界でも、「ストーリークリエイター」と「コンセプトクリエイター」がいますよね、というお話をしましたよね。
これについて、もう少し語れることがあるので、今日はそのお話です。
少し振り返っておくと、「ストーリークリエイター」とは、一つの作品としてまとめるのがうまいタイプです。
だから、ストーリークリエイターほど、一つの作品を意味のある内容としてきっちり仕上げるし、狭くても固定ファンができやすいと。
ただし、作品の完成度を高めるために、コンセプトを犠牲にしやすくなります。
一方で「コンセプトクリエイター」は、面白いアイデアを出すのがうまいタイプです。
だから、コンセプトクリエイターほど、固定ファンはできなくても、当たれば広く売れることになります。
ただし、コンセプトを重視するからこそ、完成しにくいし、一作品の完成度は落ちやすくなります。
無理に完成させなくてもいい
これが分かると、「無理に完成させなくていい」、「最後まで完成させなくても、それが一つのスタイルにできる」と分かって、得意な部分に集中できるかと思います。
世の中では、「最後まで仕上げることが素晴らしい」とか、「完成させなきゃ意味がない」みたいによく言いますよね。
でも、別に最後まで仕上げなくてもいいし、それでもうまくいくスタイルがある、ということです。
特にコンセプトクリエイターほど、こういうアプローチが機能するかなと思います。
これは単純に、「コンセプトが私の作品です」、「コンセプト作りが私の得意分野です」と割り切ってしまえばいいんですよ(笑
なら、例えば物語でも、小説とか漫画として仕上げる必要はなくて、コンセプトを作ってリリースした段階で「完成です」とできます。
ある意味、「(大きい形で)無理に完成させない」と、「(小さなまとまりで)うまく完成させる」は同義でもあるわけです。
自分がすべてを作る必要はない
これはある意味で、「自分がすべてを作る必要はない」ということです。
世の中には、いろんな作業工程があるものです。
例えば家づくりで言うと、設計、資材発注、基礎作成、柱の組み立て、壁や屋根の組み立て、内装、みたいにいろんな工程があります。
それを、わざわざ一人がすべて行う必要はありませんよね。
「私は建築士で、設計だけ担当しています」というのも、十分にありうることです。
なら、「設計だけでいいやん。それで仕上げればいい」と分かって、その分野に集中することで、より優れた力を発揮できるようになります。
だいたい、「最後まで完成させなきゃいけない。でも完成させられない」という場合、必ずやりたくない部分が入っているものです。
自分は設計だけが好きなのに、体力を使って「コンクリ基礎を打ったり、柱や屋根を組み立てることまでしなきゃいけない」なんて、しんどいだけですからね。
なら、どんどん勝手に狭い工程を作って、そこの専門家になればいいと。
あえてうまくまとめない
裏を返すと、これは「あえてうまくまとめない」、ということです。
「雑多でいいじゃない」という発想ですね。
例えば作家で中谷彰宏さんという人がいるんですが、彼は1000冊以上本を出していて、読みやすくて私もよく読んだんですよ。
ただ、彼の本は、あんまりストーリー性というか、まとまりがないんですよ(笑
全部、細切れの断片的なノウハウや思いつきを、1~2ページ程度でまとめて、それを1冊の本としてぶち込んだ、みたいな(笑
でも、彼はそれが一つのスタイルなんですよね。
図鑑や辞書のようにしてもいい
他にも、例えば図鑑や辞書なんて、ストーリー性なんてありませんよね。
ただ、種や科目ごとに分類して、どーんと入れて売っているだけです。
でも、それはそれで一つのスタイルですよね。
なら、コンセプトも同じように、ストーリー性なんてなくても、種や科目ごとに分類して、どーんと入れて売ることもできると。
あえてうまくまとめなくても、図鑑を見るのと同じように、コンセプトを楽しんでもらうこともできるわけです。
そして、読み手は「この猫科の動物がかわいいっ。お気に入り」、「世の中にはこういう動物もいるんだ」と楽しむのと同じように、コンセプトも楽しめます。
「このコンセプト、いいな。お気に入り」、「こういうコンセプトもあるんだ」とできて、楽しめるわけですね。
これも、一つのスタイルだと分かります。
まとめ
そんな風に、「無理に完成させなくていい」、「最後まで完成させなくても、それが一つのスタイルになる」という発想も、いいかなと思います。
自分の得意な部分に集中して、それを独自のスタイルにして出すわけですね。
すると、うまく好きなことに特化できて、作りやすくなるし、喜んでもらいやすくなるかもしれません。
ということで今日は、「最後まで完成させない」も一つのスタイルになる、というお話でした。
今日はここまで~。