新作本、ようやく1回目のチェックが終わりました。(ノ´∀`)ノ

来月上旬ぐらいまでのどこかで、誤字脱字チェックをしてくださる方を募集すると思いますので、お暇な方は是非。

 

で、今日はクリエイティブ方面の、精神的なお話です。

「制約がある方が、方向性を決めやすい」、というお話です。

 

バイオリンのストリートライブがすごかった

興味深いツイートというか、興味深いストリートライブ映像があったので、ご紹介。(音声あり推奨)

 

演奏しているのは、Ayasaさんというバイオリニストです。

ここのYouTubeチャンネルで「ヲタリスト」と銘打って、オタク向けにコスプレをしつつバイオリンを弾いている、みたいなパフォーマンスをされている方なんですが。

上記のストリートライブ動画も、格好いいですよね。

私とか、こういうのを見ると、すぐに「ライブ演奏っていいな」とやりたくなっちゃうんですが(笑

 

で、こういうのを見ると、「制約がある方が、方向性を決めやすいな」と感じるんですよ。

ということで今日は、そういう制約と方向性について語ってみましょう。

 

実は多くの制約条件がある中での演奏

上記のストリートライブ動画って、見ると分かりますが、実はかなりの制約条件があるんですよ。

場所はバイオリン販売店の店頭で、しかも与えられたスペースはせいぜい半畳程度の広さでしかありません。

当然一人でしか演奏できなくて、そもそもこのスペースはガラス越しなので、バイオリンの音は外に出ないんですよ。

普通なら、こんな場所で外に向けて、バイオリンのパフォーマンスをしようとか、思わないじゃないですか。

 

それに、普通なら、音楽は「大きなライブ会場でできる方がすごい」とか、「バンドを組んだり、大人数で演奏した方がすごい」、「お金をかけて演出をする方がいい」みたいな価値観がありますよね。

すると、こういう小さい店頭でのストリートライブやパフォーマンス、YouTubeでの活動なんて、「売れないミュージシャンがやるものだ」みたいに、恥ずかしいもののように感じるかもしれません。

漫画家や作家で言うなら、「大部数を雑誌で連載する方がいい」とか、「大手出版社から、きちんとした紙媒体で出版できる方がいい」とかいう価値観があるものです。

そして、同人誌とかウェブコミック連載とか、電子書籍とかオンライン販売を、「売れない作家がやることだ」みたいに思っているかもしれません。

 

でも、上記の動画を見ると分かりますが、半畳しかないスペースなのに、圧倒的ですよね。

なぜ圧倒的に見えるのかというと、半畳しかないという制約の中で、圧倒的にできるパフォーマンススタイルを見抜いているからなんですよね。

 

制約を、一つのスタイルに仕上げる

ここには、多くの工夫があると分かります。

まずはガラス越しでも音を出せるように、外にスピーカーを置けばいいと思いつきます。

ここは音楽店なので、電源やスピーカー、機材をどんどん使える強みがあると分かります。

そして、バイオリンにマイクをつけて、外に音を出すと。

まぁ、この辺は音楽店側が思いついて、定期的に企画していることかもしれませんが。

 

でも、その先の工夫もやっぱり素晴らしいんですよね。

半畳しかなくて他に何も置けずに、どうせスピーカーを通して演奏するなら、いっそバイオリン以外の演奏は全部録音ですればいいと分かります。

で、道行く人が立ち止まりやすいようにアップテンポな曲で構成して、バイオリン演奏がない部分はマイクパフォーマンスで間をつなげると。

そして、この人が持つ強みである、「ビジュアルがよくて、バイオリンが弾ける」という部分を目立たせるわけです。

 

すると不思議なことに、上記で示した数々の欠点が見えなくなって、あたかも「このスタイルが最高に格好いい」と感じるようになるんですよ。

この記事を読んでいる人の中にも、「私もこういう場所で、こういうパフォーマンスしてみたい」と感じた人もいるかもしれません。

今まで「大きなライブ会場でできる方がいい」という考え方が普通だったのに、その場に合ったスタイルで、圧倒的なものを見せられると、「私もそうしたい」とあこがれになるんですよ。

 

これこそが、独自スタイルを仕上げる威力です。

これは、「ここはばっさり切り捨てよう」と割り切るからこそ生まれる、工夫と魅力ですよね。

そこには、強みしかないんですから。

で、その場でナンバーワンになることで目立てるわけです。

 

「場に応じた、有利なスタイルを作ること」がうまいと、どこでも目立つ

すると、このバイオリニストさんは、「ビジュアルがよくて演奏がうまい」という強みもありますが、むしろ「場に応じた、有利なスタイルを作ること」がうまいと分かります。

そしてそういう人は、場に応じた最高のスタイルを作れるので、どんな場所でも輝くものを作れます

 

この方のYouTubeチャンネルを見たら分かりますが、このチャンネルではオタク向けに、コスプレをして演奏しているんですよ。

それはYouTubeだと、この方よりもバイオリンがうまくて、ビジュアルがいい演奏者なんて、世界中には山ほどいますからね。

この作者さんでは、それだけでは圧倒的にできないし、魅力的に見せられないわけです。

 

でも、もっと個性を発揮して、「オタク向け+コスプレ」という特徴を作ったらどうでしょう。

そんな「ビジュアルがよくて、オタク向けコスプレをして、バイオリン演奏もうまい」みたいな人は、相当限られますよね。

すると、そのジャンルで第一人者になれるので、圧倒的にできて売れるわけです。

 

一方で、上記動画は新宿のバイオリン販売店での店頭演奏になります。

なら、ここではわざわざコスプレは必要ないんですよ。

だって、そこまで制限しなくても、その場では他に競合がいないから、圧倒的にできるわけです。

なら、コスプレという要素はネットであれば有効だけど、新宿の店頭では足を引っ張るだけの要素になると分かります

 

このバランス感覚ですよね。

「私はコスプレ演奏者で売っているから」と自分のスタイルを制限するんじゃなくて、その場その場で、「制約に合わせた最高のスタイル」を作っているわけです。

すると、どんな場所でも圧倒的にできて、「格好いい」とできると分かります。

 

制約に合わせた、見事なスタイルを作ろう

そういう「制約に合わせた、見事なスタイルを作ろう」ということですね。

ならば、むしろ制約が多い方が、自分の方向性が分かりやすくなります

 

例えば上記バイオリニストさんは、「ビジュアルがいい」という一つの強みを持っています。

でも、私たちはそんなに顔やスタイルがいいわけではないですよね(笑

それとか、口べただったり、歌が下手だったり、コスプレが似合わなかったりするんですよ。

 

そういう場合、「ああいう顔とかスリムな体があればな」と願うんじゃありません。

それは、他者のスタイルをまねしているに過ぎません。

私たちにとってのそんな「顔や体型がよくない」という制約は、上記バイオリニストさんにとっての「半畳のスペース」や「ガラス越しのバイオリン演奏」と同じです。

その制約があると割り切った上で、自分の強みが引き立つように、独自のスタイルを作るわけです。

 

それで一つのスタイルを作れば、欠点がなくなるので、自然と長所の組み合わせに目が行くようになり、圧倒的になります。

欠点を回避しようとした工夫が、いつの間にか、全部が長所を支える部品に変わるわけです。

すると、人を感動させることができて、「私もあんな風になりたい!」と言われるようになります。

 

当然、そのスタイルは私たちにとって最高に有利なスタイルなので、他者がまねしようとしても、私たちほどうまくできません。

だから、オンリーワン&ナンバーワンになって、目立てるわけですね。

 

まとめ

そういう風に、制約は外すものではなくて、むしろどんどん受け入れて割り切る方が、方向性を見つけ出しやすくなります

 

実のところ、完全に自由な状態で「何でもしていいよ」と言われると、私たちは何をしたらいいのか分からないんですよね。

そういう状態だと、「あの人のようになりたい」と思うようになってしまいます。

そしてそれは、たいていの場合、業界で一番売れている人のスタイルになるものです。

すると、そういうスタイルをまねする人は多くいるので、競争になって、勝てません。

こうして「私はダメな奴だ」、「あのスキルさえあれば、あんな風になれるのに」と思い込んでしまうと。

 

そうじゃないですよと。

その「自分にはこれしか与えられなかった」という制約を、吹っ切れて受け入れましょうと。

「半畳しかないスペース」、「ガラス越しの演奏」、「一人だけの演奏」という制約をうまく解決して、そこで演奏したいものを楽しむんだと。

 

すると、「あ、自分はありのままでいいんだ」と分かり、しかもあこがれられる存在になるんじゃないかと思います。

 

ということで今日は、「制約がある方が、方向性を決めやすい」、というお話をしてみました。

今日はここまで~。

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