今日は、ファン作りのお話です。
自分が好きなもののよさは、どんどん出せばいい、というお話です。
とあるジュエリー制作者の、珍しい購入品
先日、SNSでこういう体験をしたんですよ。
とあるジュエリー制作者の人がいるんですが、その人が珍しく、他の人の作ったアクセサリーを買ったと。
それで「いい買い物をした」と1枚だけ写真を掲載して、それで終わりだったんですが。
そこで私は、「そこで何がどういいのかを、熱く語って欲しいのに!」と、不満を強く感じたんですよね。
「そのよさについて、もっと教えてよ!」みたいな。
「大好きで熱く語れるのに、控えてしまう」罠
でもよくよく考えてみると、このジュエリー制作者と同じことしていることって、よくあるように思います。
つまり、私たちは大好きで熱く語れることなのに、つい「あまり語らない方がいいかな」と控えてしまうわけです。
そして興味がないふりをしたり、「みんな、こういうのには興味がないよね」と決めつけて、さらりと流してしまったりして。
でも本当は、ファンはその熱い価値観を聞きたいんですよね。
こういうお客側の感覚が分かると、「好きなものについて大いに語っていいんだ」と分かって、ファンができやすくなるように思います。
「大衆向けのもの」と「独自ライフスタイル」を売るタイプ
私が思うに、何かを売る場合、「大衆向けのもの」を売るタイプと、「独自ライフスタイル」を売るタイプがいるように思います。
大衆向けのものは、「みんなに合うように設計されたもの」なので、いわゆるメジャー向けになりやすいものです。
これはある意味、社会の価値観を基準にして、その「みんなが評価するもの」を追いかけるタイプです。
なのでこういうメジャー向けのものは、「誰もが価値やおいしさを知っているものを、大量に出せる人が優れている」となります。
例えばInstagramが流行し始めた頃、「インスタ映えするおいしい料理を撮影して、インスタで流してどんどん自慢して、料理は食べずに帰る」みたいな人が問題になりました。
他にも、話題になったものがあると、すぐに入手して写真を掲載して、見栄を張る人がいますよね。
こういうのも、「誰もが価値やおいしさを知っているものを、多く出せる人が社会で優れている」という感覚だから、そうなるわけです。
この場合、誰もが価値を知っているので、あまり長く説明する必要はありません。
むしろ、「みんなが大きく評価することを、さらりと日常のように重要ではないように演技すること」が、自分を大きく見せるコツになります。
独自ライフスタイルを売る人は、自分の感性を売る
一方で「独自ライフスタイル」というのは、「こういう生き方をしたい」という人のために、自分の感性を売っていくタイプです。
世の中にはいろんな生き方や価値観がありますが、その中でも独自の感性とか、価値観、生き方を見せてゆきます。
そうすることで、「この感性なら、こういう風に豊かさを味わえますよ」と教えてゆくわけです。
すると、「私もそういう生き方をしたい」と共感してあこがれる人が、ファンになって商品を買ってくれると。
なので、独自なライフスタイルほど、よりニッチになりやすいものです。
お客はその人の感性を味わいたい
そういう場合、お客はどんなものでも、その人の感性を味わいたいんですよ。
例えば「ジュエリー制作者が、珍しく他の人のアクセサリーを買った」なんて、すっごい興味があるじゃないですか。
その人は制作側なのでジュエリーについては詳しいし、その上で「珍しく買った」ということは、特別にいい点があるから買ったわけです。
しかも、例えば数年に一度しか買わないぐらいなら、「数年に一度ぐらいしか巡り会えないような、いいアクセサリーに出会えた」ということを意味します。
なら、何がどういいのか、どこがどうよかったのか、言語化して詳しく教えて欲しいわけです。
すると、私たちはそこから学んで、「そうか、こういうのが良さなんだ。こう役立つんだ」と分かって、その人の感性をより深く楽しめます。
つまり、誰も価値が理解できないので、しっかりと長く説明して欲しいと。
だから、独自の感性なのに、メジャー向けと同じように写真一枚でさらりと流されると、ファンは逆に不満を感じてしまいます。
「もっと教えて欲しいのに! もっと熱く語ってよ!」と言いたくなると。
この違いを理解できているかどうか、ですよね。
商品ではなく、独自の感性や価値観、価値基準を語る
独自ライフスタイルを売っている人は、「商品」を売っているわけではありません。
「独自なライフスタイル」を売っているわけです。
なら、その人の感性や価値観が出ているものであれば、何だっていいんですよ。
そして、その価値基準を語ればいいと。
ならば、独自ライフスタイルを売っているほど、私たちは好きなことを味わって、「これはこういうところがいいんだよ!」と熱く語ればいいわけです。
そういう「自分が好きでこだわったことを、どんどん語れる」って、楽しいですよね。
それに、ブログネタにもなりますし(笑
それで話を聴く側も喜んでくれれば、最高でしょ。
商品や物ではなく、感性を見せる
ファンからすると、その人の感性とか価値観、生き方に興味があるんですよね。
その人が「特別に選んだ、普通とは違うもの」であれば、何でも興味があるし、その価値基準を教えて欲しいわけです。
SNSに限らず、ブログとか動画でも、「フォロワーの興味がないものを発信すると、フォロワーがつまらなく感じて離れてゆく」というメカニズムがあります。
だから多くの人が、「自分の商品についてのみ語ろう。別のこととか、プライベートなことは、別アカウントで語ろう」と思っているんですが、そうではないんですよ。
特に独自ライフスタイルを売っている人は、自分の価値観が出ていれば、何だっていいわけです。
自分の価値観が出ていれば、何だっていい
例えばその人が「こういうカトラリー(スプーンとかフォークみたいな、食べる道具)を買った」とかあると、なぜそのメーカーやデザインのカトラリーなのか、興味があるでしょ。
「ジュエリー制作の専門家が選んだカトラリー」なんて、デザインとか使い勝手とか、いろいろあるように感じるものです。
他の例で言うと、例えば私はどちらかというとミニマリスト側なので、不必要な物や契約は極力持ちたくないんですよ。
そんな私が、最近スマートフォンのSIMを契約せざるを得なかったので、私なりに厳選して、最高のプランを見つけたと。
すると、そういう「できるだけ未来に負担を持ちたくない、自由好きなミニマリストが選んだ、最高の契約」って、普通ではないので興味ある人も多いと思います。
この「自分が扱う商品」と「感性や価値観」の違いに気づくことですね。
ファンは「商品を求める」よりも前に、「感性や価値観を求めている」ということです。
まとめ
これが分かると、どんなものでもネタにして情報発信しやすくなるかと思います。
「これって、普通の人はこういうのを選ぶけど、私ならこれを選ぶね。理由はこう」と言えると、自分なりの基準が出るものです。
そういう世界観とか価値観、感性が、ファンにとっては面白いわけです。
それに、こういう感性を出してゆくと、結構どんなものでも売れるようになるかと思います。
ジュエリー制作者でも、宝石のないアクセサリーだとか、カトラリーも売れるかもしれません。
ライフスタイルの本を出していいでしょうし、動画を作ってもいいかもしれません。
ファンが欲しているのは、感性や価値観なんですから。
なので、「余計なことは語らないようにしよう」とかする必要なく、むしろ「好きなこと、語りたいことは、どんどん自分の感性に関連させて語ればいい」と分かります。
すると、好きなことを大いに語って、よりファンもできるかもしれません。
ということで今日は、自分が好きなもののよさは、どんどん出せばいい、というお話でした。
今日はここまで~。