今日は、ビジネスのお話です。
「体験したものに、価値がある」というお話です。
「体験」の価値は目減りしない
いいツイートを見つけたので、ご紹介。
Webの発達で情報素材が陳腐化するんじゃないかと考えていた時期もあったんですけど、実際には情報の差別化、というか値付けの方式が変わっただけで、相変わらず「自分で読んだ本」とか「見てきた景色」とか「体験してきたライブ」とかの話は価値があるし、第一その楽しさ自体は全然目減りしてない。
— たられば (@tarareba722) April 3, 2016
言われてみると、まさにそうですよね。
インターネットが出る前は、例えば書店では床面積が限られているので、新しい本を入れようとすると、必ず古い本をなくさなきゃいけなかったんですよ。
でも、インターネットが登場すると、例えば電子書籍で売りに出すなら、古い情報がなくならないわけです。
すると、自然と本が積み重なっていって、どんどん本の価値が減っていって、誰も本を買わなくなるんじゃないか。
……と、私はそう思っていたわけです。
でも実際のところは、価値あるものは選ばれ続けているし、売れ続けているんですよ。
特に「自分で体験したこと」という内容は、価値が目減りしないと。
私の本でも、体験談が豊富な本は、リリース直後と変わらないぐらい今も売れ続けていますからね。
よくよく考えてみるとこれは当然で、電子書籍で無限に本を保存できるといえども、「ディスプレイに表示する領域」は限られているわけです。
言うなれば、「本屋さんの奥にある倉庫面積が膨大に増えただけで、お客の目に触れる店頭面積はさして変わっていない」という程度だと。
だから、価値が持続するものについては、さほど心配することはないということですね。
体験を書いた本は、劣化しない
じゃあ、どういう内容が価値ある内容かというと、体験を書いた本は、時間が経っても価値が保たれ続けるので、しっかりと売れ続けることになります。
一方で、情報の本は、時間とともに価値が劣化するので、売れ行きが落ちていきます。
たとえば昔の流行情報とかは、今では全く役に立たないものです。
でも、たとえば水木しげるさんが描いた戦争中の体験談とかは、今でも価値は失われていませんよね。
しかも、体験は一人一人違う上に、同じ出来事があったとしても、一人一人で感性が違うものです。
だから、内容が陳腐化することもなく、自分独自の内容になるわけです。
そういうこともあって、体験の価値が保たれ続ける、ということです。
最近のAmazon Storyで、ニッチな自動車本を電子書籍化したおじさんの例が語られていましたが、この作者は冷戦終了後に、ロシアの車を見るために、ロシアの自動車工場まで足を運んだりしているわけです。
すると、そういう本には、数こそ多くはなくとも、熱いメッセージが寄せられるようになると。
だから、いい内容のものは、検索結果で着実に出てくるようになるということですね。
これは私の実感なんですが、実際に「Amazonは、ユーザーに『質の悪い本』を極力見せないようにしているな」って感じはありますからね。
売れ筋を見せるのは当然ですが、「質の悪い本を隠す」ことにも心血を注いでいると。
それは販売側に立てば当然で、電子書籍って無料で出せるので、もうひどい内容の電子書籍が山ほど出されているんですよ。
すると、「いいものを見せる」だけでなく、「悪いものを見せない」という配慮が大切だと。
まとめ
で、そのいい悪いの評価軸が、「体験と気づき」になってきた、ということですね。
自分独自の体験と気づきがしっかりとある情報は、色あせないと。
本を出したい人は、こういう観点で見てみるのもいいかもしれません。
すると、数は少なくても、長期的に確実に売れ続けるようになるかと思います。
ってことで、今日は「体験したものに、価値がある」というお話をしてみました。
今日はここまで~。