今日は、社会心理のお話です。

「なぜ若い世代ほど、革命を起こしたくなるのか」を説明してみることにしましょう。

 

暗号資産の「革命」というノリ

最近、ビットコインみたいな暗号資産が急激にブームになりましたよね。

あれは、若い世代を中心に、「通貨で革命を起こそう!」という動きで起きたのも大きいように思います。

 

いや、もちろん実際は「値上がりしているから、儲かる」という欲望によって動いているのが主要因でしょう。

でも、例えば暗号資産会社のCEOとかが言っている言葉を聞くと、そういう革命調な言葉がよく出てくるわけです。

「政府とぐるになった中央銀行は、自由にお金を作れるので、実質民間からお金を奪うことができる。そんなの許せない! 自由な通貨を作ろう!」みたいなノリですね。

 

そして、自分たちが革命家のような存在になったと思い込んで、多くの人が「欲望」を「革命」と置き換えて正当化していると。

本当は「お金が欲しい」でしかないのに、「革命を起こそう」と大義名分を掲げることで、その我欲を正当化してしまったわけですね。

 

1960年代、70年代の大学闘争と同じ構図

そんな姿を見て、ふと「そういえば昔も、こういうことがあったな」と思い出したんですよ。

それが、1960年代、70年代の大学闘争ですね。

 

当時、日本は敗戦後に公職追放があって、大学ではそれまで教えていた、まともな経済学の教授がいなくなってしまいました。

で、公職追放されないダメ教師は、共産主義者ばかりだったので、彼らしか大学で経済学を教える教授がいなくなってしまったわけです。

だから「有名大学では共産主義ばかりが教えられる」みたいな現象が起きてしまったようで。

それで、血気盛んな学生がそれに影響されて、「労働者を保護せよ!」とか、「革命を起こせ!」とか、いろいろ大学で闘争が起きたようで。

 

「なんか違うぞ」と分かる感覚

で、同じ学生でも、本質が分かる人が見たら、「なんか違うぞ」って分かるものなんですよ。

例えば漫画家の弘兼憲史さんも、そういう時代に生きた人で、その矛盾に気づいていたわけです。

というのも、「ブルジョア階級の家に生まれた学生で、自分が資本主義で恩恵を受けている側なのに、なぜか共産革命を叫んでいる学生がいる」と、見抜いていたと。

 

つまり、その学生は、自分でもよく分からずに「革命だ!」という言葉に酔って踊らされていたわけですね。

「みんなで参加する反発」に乗って、雄牛の群れのように突っ走っていたわけです。

実際に、「みんなで何かをすることが好きな人」にとっては、そういう「みんなで意思を合わせること、集団が一体化すること」が大好きですから。

 

「我欲」を「革命」と正当化すると、破滅する

それが、ちゃんとした革命ならいいんですよ。

でも、「我欲」を「革命」と正当化してしまうと、その先にあるのは破滅だけです。

そして実際にその大学闘争は、「憂さ晴らし」や「エネルギーのやり場がない」という欲望や問題を、「革命」という大義名分に置き換えて、我欲を正当化してしまっていたわけです。

だから最終的に、彼らは何がしたいのか分からずに、鎮圧させられてしまったように思います。

 

本当に労働者階級や弱者を助けたいのなら、人生をかけて助ければいいのに。

それをせずに、多くの人がしばらくすると普通の会社に入って、彼らの言う「資本主義」で出世を目指し始めたと。

それは、心からやりたいことではなくて、ただ「革命」という言葉で我欲を正当化してしまったからですね。

 

そして同じことが繰り返される

ビットコインや暗号資産も同じで、きっと同じことが繰り返されるでしょう。

本当は「お金が欲しい」でしかないのに、「革命」という言葉で正当化してしまって、それに酔ってしまったと。

 

その先には崖があるのに、ちょっと俯瞰的に見れば破滅しかないと分かるのに、彼らは「革命だ!」と叫んで突っ走っています。

集団の居心地に酔っている人は、外部の人の言葉を聞きませんからね。

そして、崖から落ちて学ぶこともあるかなと思います。

 

なぜ若い世代ほど、革命を起こしたくなるのか

前置きが長くなりましたが、ここから本題です。

じゃあ「なぜ若い世代ほど、革命を起こしたくなるのか」ということです。

 

これは簡単で、「若い世代ほど、いろんな環境に適応できるから」ですね。

赤ん坊でも、子供でも、若い世代ほど、いろんな環境に適応できるじゃないですか。

 

一方で、成長してくると、次第に世の中を変えられる自信や力も持ち始めます。

すると、特に15~20歳ぐらいの世代ほど、「世の中を変える力も持ち始めたし、自分は変化した後にも適応できる」という状態になります

だから、15~20歳ぐらいの世代ほど、「革命」に魅力を感じて、革命を起こしやすくなるように思います。

それは、自分が変化に適応できるし、変化を作れるからですね。

 

「偉そうな人」の「革命だ!」という言葉

実際に現実社会では、いろんな矛盾とか理不尽、不効率があるものです。

そして、若い世代ほど社会に対してあまり知識がないし、メカニズムもよく分かっていません。

 

すると、共産主義の大学教授とか、暗号資産会社のCEOみたいな「偉そうな人」が、「革命だ!」と言うと、簡単に影響されてしまうと。

結果として、大学闘争とか、暗号資産ブームができてしまって、踊らされた人たちが崖に落ちてゆく、という流れだろうと思います。

 

本当の「境地開拓的な革命」って、そういうノリではないように感じるんですよ。

実際に境地開拓をしている人からすると分かるかと思いますが、境地開拓って孤独で、地味に、静かに進めていくものでしょ。

「周囲がやらないから、自分がやる」とか、「周囲がたとえやらなくても、自分だけはやる」というノリです。

「革命だー!」と聞いて初めて参加して、「みんながやめたら自分もやめる」みたいなものは、ちょっと違うかなと。

 

それを助けて、利益にすればいい

私からすると、これはもう「そういう性質なので、仕方ないな」とするのでいいように思います。

で、私たちはそういう人たちを助ければ、利益にできます

「安い時に買って、高くなって売る」をすれば、それだけ価格差が減って、ショックを減らせますからね。

 

「誰がカモなのかが分からない場合、自分がカモにされている」という言葉がありますが、まさにそれです。

私たちも彼らも、失敗していいし、失敗から学ぶこともあるでしょう。

で、「より現実をとらえていた方が、より利益を得て、豊かになる」、ただそれだけです。

 

まとめ

そう考えると、冷静にブームを見て、それに対処できそうに思います。

特に、「欲望」みたいなものを、「革命だ! 社会のためだ!」と正当化してしまった場合、その先にあるのは破滅であることが多いものです。

 

私の中では、ビットコインをはじめとする暗号資産は、おそらく今年の4~5月ぐらいにはもう一度ピークを迎えるんじゃないかと思ってます。

なので、私の中では、「もし持っている人がいて、距離を取っておきたい場合、その時期に暗号資産関連は手放して逃げておく」というのもいいかなと。

私の中では、それが最後の手放すチャンスかと思ってます。

いや、私の予想なので、当たっているかどうかなんてさっぱり分かりませんが(笑

 

なのでその辺を見抜ける人は、ブームから距離を取れるんじゃないかと思います。

そして、むしろそれを利益にできそうに思います。

 

ということで今日は、「なぜ若い世代ほど、革命を起こしたくなるのか」というお話でした。

今日はここまで~。

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