今日は、人間心理のお話です。

こじれていない人には、自分の性質を出す方がうまくやりとりできる、というお話です。

 

こじれている相手と一緒にいて、苦しくなる理由

以前、とある方から質問を受けた時に、その方が「なぜこの相手と一緒にいるのが、こんなに苦しくなるのか分からない」とつぶやいていたんですよ。

その方は高共感側の人だったんですが、そのパートナーは「低共感だけど、高共感にあこがれる人」、つまりこじれている人だったと。

で、一緒にいて苦しくなるばかりで、「なぜなのか分からない」と言っていたんですが。

 

私は今まで、そういう「高共感にあこがれる低共感な人」と接する機会はなかったので、私にはその感覚がよく分からなかったんですよ。

でもつい最近、偶然にもそういう人とやりとりをする機会を持てたわけです。

それでようやく、なぜ「高共感にあこがれる低共感な人」とのやりとりがしんどくなるのかが分かったように思います。

 

ってことで今日は、そういう「なぜ『高共感にあこがれる低共感な人』と話すと苦しくなるのか」について、そのメカニズムを語ってみることにしましょう。

そしてこれが分かると、「こじれを持たない人とは、自分の性質を出す方がいい」と分かって、うまくやりとりできるかもしれません。

 

4つの性質分類(外向型と3つの内向型タイプ)

分かりやすく説明するために、今回も4つの性質分類(外向型と3つの内向型タイプ)を使いましょう。

↑ いつものこれです。

 

今回は、上下の軸(高共感か、低共感か)に着目します。

その上で、低共感側の性質を説明してみましょう。

  • 外向型: 低共感で、工夫もできないタイプ。だから高共感にあこがれても、まねできない。
  • 境地開拓タイプ: 低共感だけど、工夫ができるタイプ。だからもし高共感にあこがれると、ある程度は工夫で実現してしまう

 

「高共感にあこがれる、境地開拓タイプ」は分かりにくい

外向型については、特に問題ないかと思います。

外向型は低共感で、なおかつ工夫もできないので、基本的に高共感のように振る舞えません。

だから「他者の気持ちを理解できない側だな」と分かって、「主張でやりとりするタイプだ」と受け入れやすいかと思います。

 

一方で問題になるのが、「高共感にあこがれる、境地開拓タイプ」なんですよ。

ここでは、こういう「高共感にあこがれる、境地開拓タイプ」を「こじれた境地開拓タイプ」と呼ぶことにしましょう。

 

こういう人は工夫ができるので、高度に「私は高共感側だ」と偽装できます

なので私たちからすると、ぱっとコミュニケーションをすると、「あ、高共感側の人だ」と錯覚してしまうんですよね。

 

ただ、相手の性質は確実に低共感なので、完璧に偽装できるわけではありません。

だから時折、低共感な人特有の、「相手の気持ちを理解しない言葉」を出してしまいます

特に、少し親しくなると、心を許してそういう「気持ちを理解しない言葉」を出しやすくなるものです。

 

「時折出す、相手の気持ちを理解しない言葉」が大ダメージになる

実のところ、その「時折出す、相手の気持ちを理解しない言葉」が、私たちにとっては大ダメージになります

というのも、相手の気持ちを理解するには、ガードを下げないといけないからですね。

 

普通の(こじれていない)境地開拓タイプとやりとりする場合、私たちは「配慮を抜きにして、理屈で語り合う」だけで、うまくやりとりできるものです。

その場合、さして配慮をしない、つまり「共感性を使わないようにしよう」と無意識にガードを上げます

というのも、彼らは結構ズバズバと好き嫌いを言うし、否定や反対意見も言うからですね。

「それはダメですよ。こうした方がいいですよ」とか、「それは違いますよ。この場合、これがあるから、こうなるんですよ」みたいに言うと。

 

なら、そういう「理屈でやりあっているだけだ。共感する必要ない」とガードを上げることで、特にダメージを受けずにやりとりできます。

 

高共感な人との会話は、ガードを下げる

一方で高共感な人と内面のやりとりをする場合、ガードを下げる必要があります

それは、内面を聴くには、共感性を使わないといけないからですね。

 

「相手に共感する」というのは、ある意味「相手の感情を自分の中に受け入れてもいい」と信頼することだと言えます。

だから、ガードを下げることで相手の気持ちを受け入れられるし、共感して配慮し合えると。

 

ですが「こじれた境地開拓タイプ」とやりとりする場合、相手はやたらと内面について語るんですよ。

だから私たちは「内面を語る高共感な人だ」と認識してガードを下げるんですが、相手は当然低共感なので、時折まったく相手に配慮しない言葉を発するわけです。

 

ガードを下げた状態でのカウンターパンチ

すると、ガードを下げた状態できつい言葉が投げかけられるので、カウンターパンチを食らってしまうんですよ(笑

実際にそういう人とやりとりすると、内面を語っているのに、時折「だからあやえもんさんのブログの内容が、嫌になりました」みたいに配慮のない言葉が出てくると(笑

私からすると、「うんうん、そう感じるよね」と共感していて、全身で感情を受け止めようとしている時に、そんなカウンターパンチが来るわけです。

だから「えぇ? なんで急にそんなきっついことを!?」みたいな大ダメージを食らって、涙目になって混乱状態になると(笑

 

ここに、「こじれた境地開拓タイプ」とのやりとりの苦しみがあるように思います。

「相手の内面的な話を聴くには、ガードを下げなければいけない。だけど話を聴くと、ダメージを食らう」というジレンマですね。

「ダブルバインド(逃げられない板挟み)」とまでは言いませんが、「やりとりを重ねるほど、こちら側がダメージを負って、混乱して、苦しくなる」という状態です。

 

だから「こじれた境地開拓タイプ」とのやりとりが苦しくなるんじゃないかな、と思ったりもします。

私の場合、相手から「実は私は、あやえもんさんの分類で言う、低共感側で」と打ち明けられて初めて、「ああ、そういうことか!」とすっきり納得できたと。

それぐらい「高共感っぽく振る舞う」という偽装が完璧で、見抜けないぐらいでしたから(笑

 

相手のタイプが分かることで、それに合わせられる

本来なら、こじれていない境地開拓タイプの場合、内面なんて変なことを語らずとも、それなりに楽しくやりとりできるものです。

それは、「相手が低共感な人だ」と分かることで、ガードを上げてやりとりできるからですね。

つまり、相手のタイプが正確に分かることで、それに合わせられると。

 

私たちがHSPタイプだとすると、境地開拓タイプとは、理屈でコミュニケーションできます。

だから、私たちは「配慮や共感性を抜きにして、理屈で語り合おう」とするだけで、うまくやりとりできるものです。

 

例えば私の場合、大学時代に独立を目指していた頃、そういう「(こじれていない)境地開拓タイプのクリエイター仲間」と飲み会をよくやってました。

その場合、夢を語り合うと大いに盛り上がるんですよ。

それは、彼らにとっては内面なんてどうでもよくて、外部を変えたいからですね。

 

別のタイプに偽装することが、「なんだか合わない」を生む

なのに、別のタイプに偽装してしまうことが、「なんだか合わない」を生んでしまうわけです。

「本来は共感ができないタイプなのに、共感できるように振る舞おうとする」ことが、こじれていない側である私たちにとって、苦しみとなってしまうと。

 

そしてこれは、立場を変えると、私たちにとっても同じです。

私たちがこじれを持っている場合、どんなに頑張って自分を偽って見せても、「こじれていない、あこがれのタイプの人」とは長続きしないものです。

 

例えば私たちが外向型のように振る舞おうとしても、なんか合いませんよね。

その背後には、そういう「かみ合わない部分」があるからのように感じます。

つまり、「自分を偽装することで、無意識にあこがれの相手にカウンターパンチを与えている」ということもあるように思います。

 

まとめ

なのでこういうメカニズムが分かると、「こじれを持たない人とは、自分の性質を出す方がいい」と分かります。

それは、相手を錯覚させることなく、相手に自分の性質を理解してもらえるからですね。

こじれていないしっかりした相手は、直感でタイプを理解して、ちゃんと対応してくれることが多いものです。

 

なのに自分を偽るから、うまくかみ合わなくなって、こじれていない相手を苦しめることになると。

 

もちろん、その背後には幼い頃からの境遇とか、抑圧があるでしょう。

今までは、そうしなければ生きてこられなかったんですから。

ですが大人になって自立できるようになると、そういう「別のタイプになろうとすること」は必要ありません。

 

そういう「別のタイプになろうとしなくてもいいんだ」と分かると、肩の力を抜けて、自分の深層に素直になれて、変化できるかもしれません。

 

ということで今日は、こじれていない人には、自分の性質を出す方がうまくやりとりできる、というお話でした。

今日はここまで~。

 

余談:対角線同士のタイプは合わない

まぁたまにこれは触れますが、上記の4つの性質分類でも、「対角側同士は、最もコミュニケーションしにくいタイプ」だと思うといいでしょう。

つまり、「HSPタイプと外向型は合わない」、「高共感タイプと境地開拓タイプは合わない」と言えます。

 

HSPタイプは、高共感タイプとは、配慮し合うことでうまくやりとりできます。

また、境地開拓タイプとは、理屈でやりとりできます。

 

ですが、外向型とは「自己中心な主張」でしかやりとりできません。

そしてそういう主張合戦は、HSPタイプが特に苦手とするものです。

だから、HSPタイプは外向型が苦手なんだと。

これは外向型から見ても同じで、「HSPタイプとは、会話方法がうまくかみ合わない」と感じます。

 

同じように、高共感タイプと境地開拓タイプも、コミュニケーションでは苦手な相手同士になります。

こういう「コミュニケーションにも、相性がある」と分かると、「あの人とは、なんかうまく付き合えない」という原因も分かるかもしれません。

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