今日はいいお話を知ったので、ご紹介~。
この本のラストのいいお話がありました。
カンボジアの、あるタクタクドライバーのお話
レットという名の、カンボジアのタクタク(屋根のないタクシーみたいなもの)ドライバーがいたんですよ。
カンボジアのタクタクドライバーって、全くもって質が悪くて、観光客をだまそうとしたり、指定した時間に大幅に遅れたりと、とにかく信頼できないことが常みたいなんですよ。
でも、そんな中で、彼は特別に正直者で、依頼されたら少し早めに到着して待っていたりとか、いつもお世話になっているお客さんにはたまに無料にしたりとか、とにかくいい対応をしていたわけです。
すると、普通はカンボジアのタクタクドライバーといえば、一日に稼げるのは2ドルとか5ドルとか、その程度なんですよ。
でも、彼は一日に50ドルは稼ぐという。
すごいでしょ。
クリエイティビティーで、環境を作り出す
カンボジアでは、午後になったら同僚のほとんどがばくちで遊ぶのに、彼はそんな中でも働き続けます。
その上に綿密な戦略も持っているわけです。
その戦略とは、町をうろうろ走って適当なお客を引っかけるのではなくて、良質なお客さんを確保して、携帯の番号を渡して、「昼でも夜でもすぐに駆けつけます」と伝えたわけです。
そして実際に昼でも夜でも駆けつけるというハードワークをこなして、その誠実さから信頼されたと。
さらには、もっと工夫を考えて、タクタクの後部座席にパンを置いて、パンが売れるたびに少ないながらも販売の手数料を得るようにしたと。
これこそ、クリエイティビティーですよね。
その上、お客さんには感謝の手紙を送ったり、お客から電話があっても、彼が動けない場合は他の信頼できるドライバーを紹介したりしていたと。
そして、タクタクドライバーが豊かさを得た
そして実は、彼は「英語がカタコトしか話せない」って言うんですよ。
もちろん、正規の教育なんか全く受けておらずに。
そして稼いだお金はしっかりと貯めて、他のタクタクドライバーは全くしていないような、基金に積み立てて運用していると。
そのおかげで、彼の娘は大学に入ることができたんですよ。
日本とかアメリカみたいな先進国ではなくて、あのカンボジアで、ですよ。
ちなみに大学はおろか、高校を卒業したのは、彼の一族でも彼の娘が初めてだったというぐらいで。
それを彼は、タクタクドライバーという、圧倒的に「稼ぐのは無理」と思われている業種で実現したわけです。
こういう話を聞くと、元気が出ますよね。
どんな状態からでも、智恵と勇気で困難を乗り越えられる……というのが分かるんですから。
今、自分が少々悪い環境だったとしても、智恵とクリエイティビティーで乗り越えられる、そういう勇気を与えてくれますよね。
う~ん、これは私も刺激になりました。
ってことで、ちょっとしたお話でした。