「好きなことが分かりません」、「自分は何をしたらよいのか分かりません」という声をよく耳にする。
これに対する答えはいくつかあるが、そのひとつに「こんなのが世の中にあったら素敵だな」というものを実現するように、目指すといい。
「世の中では何が求められているのだろう」、「これからは何が売れるのだろう」という問いかけは、工業時代までの主流だった。
工業時代は大量生産、大量消費だったので、人々が求めている最大公約数的な商品やサービスを作ることが至上命題だった。
しかし情報化社会になって、「ひとりひとりに合った、よりニッチで専門的なもの」が求められるようになった。
今の時代、「貴方は何が欲しいですか?」などと他人に訊いて返ってきた答えを実現しようとしても、その程度のマーケティングは大手が既にやっている。
そんな世界では、「社会のニーズ」よりも、「その人なりの感性」が重要になってくる。
「私はこういうものがあったら最高」、そういう感性が武器になる時代なんだ。
自分の心に問いかけてみよう。
「こんなのが世の中にあったら素敵だな」と思えるものは、何か。
もし貴方が世の中に不平不満を持っているならば、その解決策を考えてみるといい。
それを本気で実現しようとするのだ。
条件としては、「それがあることで、自分が嬉しくなったり、楽しくなること」だ。
自分にメリットがないものは、モチベーションが上がらないので、ダメになる。
ある人は、「自分の常識を打ち壊したい。自分を変えたい」と願った。
そして、その人は突拍子もない生き方をしている人を講師に招いて、「常識を壊す会」というセミナーをするようになった。
ある人は、「地元でこういうコスプレイベントがあったらいいのに」と願った。
そしてその人は、地元密着型のコスプレイベントを開催するようになった。
ある人は、「こういうステルス系FPSゲームがあればいいのに」と願った。
そしてその人は、高校生にもかかわらず、1年もかからずに、実際にその基礎システムを組み上げた。
最初は、それは突拍子もない、馬鹿げた夢物語に見えるだろう。
「写真をたった10~20分で、絵のようにする技術があったら、素敵だな」、「物語のプロットを自動で組み上げられる理論があったら、素敵だな」、「アニメ風なキャラが活躍するFPSゲームがあったら素敵だな」など、誰がどう見たって、馬鹿げた夢物語でしかない。
しかし、それが欲しいのなら、本気で取り組むのだ。
すると、次第に実現方法が「見えてくる」。
間違ってもいい。
失敗してもいい。
「こんなのが世の中にあったら素敵だな」というものを、思い描いてみよう。
すると、自分の道が見えるきっかけになるだろう。