今日は、業界というか時代の流れについてお話ししてみましょうか。
不況になるほど、インディーズや同人にチャンスが巡ってくるようになる、というお話です。
不況になるほど、インディーズや同人にチャンスが来る
私は少し未来から、インディーズや同人をやっている人に大きなチャンスが巡ってくると思うんですよ。
それはなぜかというと、不況になればなるほど、インディーズや同人にチャンスが巡ってくるようになるからですね。
不況になればなるほど、大手スポンサーは広告費にそれほど多くの予算を回せなくなるんですよ。
それによって、制作大手も制作費は限られるようになってしまいます。
すると、コストの高いクリエイターに頼むよりも、よりコストが安くつくクリエイターに依頼するようになるわけです。
実際、10億円の開発費をかけたら、1億円の開発費をかけたときの10倍も売れるかというと、そんなことはないんですよね。
だったら、超メジャーなクリエイターを採用しなくても、安く発注できて才能がある人がいれば、その人を使うようになるわけです。
そこで、インディーズとか、同人が着目されるようになるわけです。
インディーズとか同人では、才能があるけれども、大手に属していない人が多いんですよ。
すると、例えば1000万円の開発費だったとしても、それは大手会社ならはした金かもしれませんが、小規模制作チームや同人クリエイター側にとってはすっごい額になりがちなんですよね。
だったら、喜んでやってくれますし、失敗しても発注側は全然痛くないんですよ。
それに、インディーズとか同人って、個性的ですよね。
いわゆる、メジャー路線とは正反対な方向に走っている人が多いわけです。
で、不況になればなるほど、社会は反体制的な風潮を帯びるようになります。
欲求不満が溜まって、現在の政治体制に反発するようになるわけですね。
これはどの国でも同じです。
で、この風潮は広告や作風にも現れて、不況になったら、それまでのメジャー路線とは反対の路線が求められるようになるんですよ。
メジャー路線は大手広告業者が作り出すものですが、大手広告業者は体制側につくことがほとんどなわけです。
すると、社会は「反メジャー」というか、そういう反発するような内容を求めるようになります。
それが、インディーズや同人に結びつくことになるわけです。
ハリウッドが飛躍した例
これのさえたる例が、1929年に端を発した世界大恐慌と、アメリカでのハリウッドの関係です。
当時、映画や映像はメジャーとなる巨大制作会社が独占していて、ハリウッドはカリフォルニアの田舎町にある、寂れた町でしかありませんでした。
ただ、そこにはお金はないけれども映画作りが好きなクリエイターが集まることで有名で、いわばインディーズの人たちが集まる聖地だったわけですね。
そんな時、ニューヨークのウォール街に端を発した、世界恐慌が起こります。
すると広告主はメジャーな制作会社に依頼するのをやめて、ハリウッドの新進気鋭な若者たちに依頼するようになりました。
実際、世の中は不況が荒れ狂って、反体制的な風潮が吹き荒れている状態です。
すると、人々は「今までメジャーだったもの」を「今までの体制や価値観」と結びつけて考えることになりました。
すると、いろんなものに反体制的なものを求めるようになったんですよ。
人々は、「今までとは違うもの」、「メジャーに迎合しないもの」、「小規模でも独自の価値観を持って戦っているもの」といった要素を満たすようなものを求めるようになりました。
そんなとき、クリエイティブな業界においては、まさにインディーズや同人が格好の象徴とされるわけで、映像業界ではハリウッドがそれに当たりました。
インディーズや同人って、メジャーに迎合しないものですよね。
だからこそ、人々はそれを求めるようになるわけです。
そういう大きな流れによって、ハリウッドは一躍アメリカ中から「反体制の象徴」として受け入れられることになります。
そしてこれは結構大きいんですが、娯楽産業というのは、不況に強い一面を持っています。
というのも、人は苦しくなると、娯楽を求めるんですよね。
削減されるのは、人が生きていく上ではさして必要ではない「過剰な装飾」になります。
「ちょっと高級な車」とか、「ちょっと高級な食事」みたいに、「ちょっと高級な○○」なほど、人は簡単に手放します。
でも実は、人にとっては、食べ物とエネルギー、コミュニティと同時に、「娯楽」が必要なんですよ。
娯楽というのは、それぐらい人にとって必要な分野になるんですよね。
実際、災害で避難生活をしていたとしても、ずーっと働き続けることなんてできませんよね。
そんなときに、トランプが一つでもあったら、癒やされるものです。
衝撃直後は遊ぶ余裕なんてありませんが、ストレスが長引くほど、人は娯楽を求めるようになるんですよ。
そういうこともあり、ハリウッドは世界大恐慌下で反体制の象徴になり、低コストで良質な映画を作り、成功を収めることで、大躍進を遂げることになります。
今のハリウッドは、そういう歴史を持っているわけですね。
まとめ
それと同じ理屈で、私はあと5年から10年もすれば、インディーズや同人が注目されるようになるんじゃないかと思います。
不況になる度合いが強ければ強いほど、注目されるようになり、チャンスが巡ってくるでしょう。
だから、同人クリエイターは希望を持っていいかなと思います。
重要なのは、メジャーに迎合しないことですね。
今、メジャーに迎合するようなことをしていればいるほど、近いうちに来る大きなチャンスに乗れなくなるでしょう。
むしろ、そういう人は不況が来たら、真っ先に落ちてゆくタイプでしょうね。
また、低コスト開発体制を整えることも大切でしょう。
スリムに良質なものを作るとなると、やはりアイデアとか発想、オリジナリティが重要になるものです。
オリジナリティがあれば、競合は減るので、コスト勝負にはなりにくい性質、体質になります。
これらはまさに、「インディーズや同人が持つ強み」ですよね。
その強みを鍛えておくことですね。
個性を発揮していて、なおかつコンスタントに良質のものを作っていれば、注目される時代は遠からず来るように思えます。
特に今はインターネットもあるので、しっかりとやることをやっているクリエイターは、不況は逆にチャンスとなるでしょう。
同人クリエイターにとっては、不況なんか関係ありません。
むしろ、チャンスになります。
だから、不況を楽しみにするぐらいでいいかなと思います。
ってことで、今日は不況になるほどインディーズや同人にチャンスがやってきますよ、というお話をしてみました。
今日はここまで~。