今日は、ファン作りについてお話ししてみましょうか。
「表現が下手でも、内容があればファンはできる」、というお話です。
内容があれば、話が下手でも聞いてくれる
いい記事があったので、ご紹介。
ジャパニーズイングリッシュを駆使して、ベトナムで活躍する日本人たち(橘玲×ZAi ONLINE海外投資の歩き方)
内容を簡単に紹介すると、「話に内容があれば、英語が下手でも相手は聞いてくれる」ということです。
いい文章があったので、以下、引用です。
私が外資系企業で仕事をしていたとき、6人が集まって会議をすると、6人とも違う国籍の人間、ということもあった。(中略)
そこでいちばん大切なのは、発音でも文法でもない。
話す内容である。
お国訛り丸出しの発音、怪しい文法で話をしていても、内容のある話をする人が口を開くと、全員が、その人を注視して、真剣に耳を傾ける。
その人の英語が間違っていて、意味が通じないときも、その人の言わんとすることを理解しようと努力する。
発音が下手なことを笑う人など一人もいない。
だから、「度胸さえあれば、下手な英語でも伝えられる」ということですね。
多くの日本人は、英語力はあるのに正確さを求めて恥ずかしがって、うまく英語で伝えられない、みたいな。
でも英語力がない人でも、度胸さえあれば、どんどん伝えられると。
まさにこれだと思うんですよね。
私がゲーム制作をしていた頃、一時期、台湾の絵描きさんとか、タイやらマカオのスタッフさんと一緒に制作をしていたんですよ。
当然、中国語とか英語を使って、メールでやりとりするわけですが。
私は日本から出たことありませんし、中国語は1ヶ月で独学したような、今考えれば相当アホな中国語だったかと思います。
でも、ちゃんと伝えられましたし、それから何作品も一緒に制作しましたからね。
海外の人からも、日本語でメールをもらうこともちょくちょくあるんですよ。
イギリスからとか、香港とか東南アジアとか、カナダからとか、今までいろいろありました。
やっぱり彼らの日本語はつたないものなんですが、私は必死で解読しようとしますからね(笑
で、実際に、彼らが伝えたい感謝や感激とか、問い合わせ内容は、どんなに日本語がつたなくても、「必死に解読する」とかしなくても、だいたい分かるものなんですよ。
それは、彼らの「伝えたいこと」がシンプルで、「それしか語ってない」からですね。
どういう内容かは、キーとなる2~3の単語が分かれば、十分に予測できるんですよ。
「アルフール小国物語」、「遊ぶ」、「楽しい」とか、その3単語で分かると。
そして、そういうキーとなる単語は、相手もちゃんと意識してますし、調べているので、これを外すことはほとんどないんですよね。
結局は、「何を伝えたいか」
これは制作でも、ファン作りでも同じだと思うんですよ。
「正確でなくとも、表現が下手でも、内容があれば、相手はその作品を自分から工夫して味わおうとする」ということです。
結局は、「何を伝えたいか」かなと思います。
で、ファンを作りたければ、「レベルが低くてもいいから、それを伝える」という度胸の方が重要なんじゃないかと。
見栄えをよくするとか、ボリュームを増やすとか、そんなの二の次にしてみる、という考え方ですね。
ただただ、「何を伝えるか」という目的に焦点を合わせて、そこのみをピンポイントで狙って、一撃で撃ち抜くわけです。
もちろん、「英語が下手」というだけで、聞いてくれないような人は山ほどいます。
私の感覚では、8割ぐらいの「メジャーが好きな人」は、同じ言語でないとか、クオリティが満たされていないというだけで、スルーするものです。
私の初期作でも、周囲の同ジャンルのゲーム好きな人に自分の作品を渡したんですよ。
で、メジャー作品しかプレイしないような人は、全く受け付けませんでしたからね。
でも、残り2割りぐらいの「マイナーが好きな人」とか「同人が好きな人」というのは、ちゃんと真剣に向き合ってくれたんですよね。
今考えると、それはまさに、「相手が必死で理解しようとしてくれていた」と言えるかと思います。
当時の私は、3~4ヶ月かけて、休日とか余暇となる時間を全て費やして、ゲームを一本作ったわけです。
すると、「この人は、この作品にここまで労力をかけて、いったい何を伝えたいんだろう?」と感じると思うんですよ。
私だって、クリエイターさんが「4ヶ月かけて、休日を全てつぶしてでも、この作品を作りたかった」とか言われると、その人の価値観とか、作品で伝えたいことを理解したくなりますからね。
伝えたいものがある人っていうのは、そういう内容が、作品だけでなく、生き方からもにじみ出ているように思えます。
「あんた、それ好きやな!」みたいにツッコミを入れたくなるほどに(笑
8割ぐらいのメジャーしか興味を示さないような人には反響はないんですが、2割ぐらいの人は、つたなくても相手が理解しようと努力してくれると。
まとめ
こんなスタイルは、正直、スマートでもなければ、美しくもありません。
むしろ、泥臭くて、不器用なスタイルになるでしょう。
ただ、それはそれで伝えることができて、ファンもできる、ということです。
そういう場合、ゴテゴテときらびやかさを追加するよりも、むしろ無骨でもいいので、伝えたいことをシンプルに、ストレートに表現する方がいいような気がします。
その方が、実際に伝わるんですよね。
そして、相手の魂を揺り動かして、ファンができると。
それは、つたない英語で伝えるのと同じです。
正確に伝えるんじゃなくて、勝負に打ち勝つために伝えるんじゃなくて、相手の魂を動かすために伝えるんだと。
そのためには、余計な変化球はむしろ邪魔になることが多いんですよね。
それよりも、度胸一発、覚悟を決めて全身全霊のストレートで投げてみると。
そういう伝え方もある、そういう生き方もある、ということです。
もし「正しさ」とか「矛盾のなさ」、「競争に勝つため」、「賞を取るため」みたいなのに縛られていて、成果が出ない場合、そういう別のアプローチをしてみるのもいいかもしれません。
ちなみに私は、ほぼ直球ストレートです(笑
そういうスタイルでも、何とかなるものなんですよ。
ってことで、今日は「表現が下手でも、内容があればファンはできる」、というお話をしてみました。
今日はここまで~。