ここんとこずっとお金の話にはまっているので、今日も絶賛お金のお話です。
今日は「大漁の漁場はメジャー以外にもある」、というお話をしてみましょう。
本流を手放して向かった先で、成功した例
興味深いツイートがあったので、ご紹介。
逃げ足は大事 RT @ImmotalBeloved: 【毎週月曜日の毎日新聞『西原理恵子の毎日かあさん』お題《才能》】#母 #ママ #西原理恵子 pic.twitter.com/valWnhTQNG
— 西原理恵子 (@riezo0608) September 28, 2016
内容を簡単に言うと、この漫画の作者さんは昔、芸術を目指していたと。
でも、「才能がある人にはかなわない」と分かって、美大生が進む本流の道を手放します。
そして見つけた弱小出版社では、実は仕事が大量にあって、仕事がもらい放題だった……ということです。
メジャーの本流から外れた場所に、大漁の漁場がある
「大好きなことでお金を稼ぎたい」と思っている人は、多いかと思います。
でも、なかなかメジャーでは成功できないし、新人賞も得られなくて、「メジャーで通用するような力がない」と落ち込んでいる人も多いかもしれません。
でも実のところ、大好きなことで稼げる場所というのは、メジャー以外にも山ほどあります。
むしろ、メジャーの本流から外れた場所に、大漁の漁場があるものなんですよ。
これは重要なので何度も触れていますが、お金を稼げるかどうかというのは知名度や実力ではありません。
大切なのは、競争率です。
競争率が低い場所で戦えば勝ちやすくて、競争率が高い場所だと負けやすい、ということです。
どこで魚釣りをするか、という問題
魚釣りで言うなれば、魚が1万匹いるような超有名な漁場でも、釣り人が1万人もいたら、なかなか釣れませんよね。
しかも、この資本主義社会では、基本的に「勝者総取り」という法則が働きます。
魚が多くいるようなメジャーな漁場でも、上位わずかな釣り人が魚のほとんどを独占しているようなものです。
一方で、魚が100匹しかいないような寂れた漁場でも、自分と他数人ぐらいしかいないような漁場だったら、釣り放題ですよね。
一人あたり2~3匹でも釣れれば、十分に食事はできるんですから。
だから、小さな漁場でも、競争率次第でメジャーよりも圧倒的に稼ぐことができるわけです。
中学生で並レベルの野球部員が、どこで活躍するか
別の例で言うと、中学生で並レベルの野球部員がいたとして、どこで活躍するか、ということです。
中学生が高校野球の野球部に入れれば、それは「すごい!」と周囲から賞賛されるでしょう。
でも、レギュラーで活躍することはできないかと思います。
だって、周囲はみんな高校生なので、体格差が歴然としてあるわけです。
一方で、その中学生が小学生の野球大会に参加したらどうでしょう。
中学生では並レベルの実力だったとしても、小学生とは圧倒的な体格差が生まれます。
だから、もう即レギュラーで、4番でエースで大活躍できると分かります。
賞金がもらえる場合、どこで賞金を稼ぐのか
で、ここで「試合に勝てば、賞金をもらえる」というシステムがあったとしましょう。
高校生の試合は、勝てばやっぱり賞金額も高いものです。
でも、全然勝てないと。
一方で、小学生の試合は、賞金の額こそ小さいけれども、勝ちやすいわけです。
ある意味、私が提案しているのは、「恥も外聞も捨てて、中学生が小学生の試合に参加しまくって、賞金を総なめにして、荒稼ぎしなさい」というようなものです(笑
実際の野球ではそれはダメでしょうが、ビジネスではこれは大いにOKです。
「今の実力」で勝てる場所で荒稼ぎをする、という発想
これが、戦略だと思うんですよ。
勝ちやすい場所で勝つんだと。
どんなに「すごい!」と賞賛されても、実がなければ(好きなことで十分なお金が入らなければ)意味がない、というのが私の考え方です。
まあ、花よりも団子を大切にする私っぽい考え方ですが(笑
そして、「今の実力」でも勝てる場所で、賞金を荒稼ぎしましょうと。
多くの人が、「今の実力」では全然勝てないような、実力が高い場所に向かおうとしています。
「レベルが高い場所に行けば、自分も稼げるはず」という幻想を持っているわけですね。
でも、その思いはまさに幻想でしかなく、簡単に打ち砕かれるものです。
そして多くの人が「自分には才能がないんだ」と落ち込んで、絶望しているようにも思います。
そうではなくて、簡単に勝てる場所で勝てばいいだけなんですよね。
ただし、そこは賞賛されるような場所ではなくて、誰も知らないようなニッチな漁場になる、というだけです。
市のイラスト受注を引き受けていた漫画家さんの例
これを象徴するような、いい事例があったのでご紹介してみましょうか。
私があるとき、市で開催されているちょっとしたイベントに参加したことがあるんですよ。
で、そこではイラストや漫画を多用した、立て看板とか豪華なパンフレットを用いていました。
その立て看板とかパンフレットのイラストや漫画は、一人の漫画家さんが担っていました。
イベントの規模や、採用されたイラストや漫画の量から言っても、それなりの受注額だったはずです。
でも、こう言うと何ですが、はっきり言って「この程度の実力の人を採用するのか!」というほど、レベルがそれほど高くはなかったんですよね。
もちろん、ハイアマチュア程度の実力はあるんですが、それでもプロで売れるようなレベルではなかったと。
こういう場所を狙えるかどうか、だと思うんですよね。
そういう場所は、ハイアマチュアでもプロ以上の額が稼げる場所です。
いわゆる、「ハイアマチュアがプロよりも成果が出せる、いい漁場」なんだと。
業界外では、ハイアマチュアとプロの違いはよく分かっていない
で、実のところ、「業界の外にいる人」ほど、技術の差はよく分かっていないように思います。
すなわち、「普通の人は、ハイアマチュアとプロの違いがよく分からない」ということですね。
ハイアマチュアの絵描きさんを見ていると、時々こういうツイートがあるんですよ。
それは、「漫画を普通の人に見せると、すぐに『すごい! どうしてプロにならないの?』と言われる。そんなにすぐになれれば苦労しないよ!」みたいな愚痴ですね。
でも、これは裏を返すと、「普通の人にはハイアマチュアとプロの違いがよく分かっていない」ということです。
私たちだって、例えば音楽の演奏でも、ハイアマチュアの演奏と、プロの演奏って、正直言って違いなんてよく分からないでしょ(笑
まぁ両者を並べて比較されれば分かるかもしれませんが、ぱっと目の前で演奏されて、違いなんてよく分からないものです。
それぐらい、他業界の「ハイアマチュアとプロの違い」って分からないものなんですよ。
で、素人の私たちからすると、「どっちもプロレベルですごい!」と感じるわけです。
ハイアマチュアでも、場所次第ではプロと同レベルの報酬を得られる
この原則が分かれば、とてもすごい可能性が分かります。
それが、「ハイアマチュアでも、場所次第ではプロと同レベルの報酬を得られる」ということです。
しかも、そこは「プロがほとんどいない、競争率が低い、釣り放題の漁場」であるというおまけ付きで。
最初に紹介した漫画家さん(西原さん)にしても、市役所からの受注を得ていた漫画家さんにしても、まさにその「おいしい釣り場」で釣りをしていたわけですね。
漫画家が集まるような競争の場ではなくて、漫画家が全然集まらないような、競争率の低い場所で釣りをすると。
そこは、さほど実力がなくても釣り放題です。
しかも、プロと同レベルか、もしくはそれ以上の収入があると。
すてきな場所ですよね。
まとめ
戦略というのは、こういうのを考えることじゃないかな、とも思います。
別に一流にならなくても、今の実力で、十分に稼げる場所で稼げばいいと。
「新人賞を取って、出版社の編集者についてもらって、楽にデビューする」というその道は、人によっては楽な道に見えるかもしれません。
ですが、私から見ると、それは「競争率が超高い、熾烈な争いの場へのパスポート」のようにも思います。
私は、あんまり戦うのが好きではないんですよ。
だから、小さくても競争率が低い豊かな漁場で、のんびりと、穏やかに、分かち合いながら楽しむのが好きですね。
私は見栄よりも、魚(大好きなことでお金が得られる状況)が欲しいですからね。
すると、向かう方向は自然と決まってくるかと思います。
ということで、今日は「大漁の漁場はメジャー以外にもある」、というお話をしてみました。
今日はここまで~。