ここんとこ、「ニッチなことでお金を稼ぐ実例」にはまっているので、今日もそのお話です。
「やっていることにテーマを決めると、圧倒的なものにしやすい」、というお話をしてみましょう。
「血管の構造」をした、ガラスのデカンタ(ワイン用の瓶)
またまた面白い実例を見つけたので、2つほどご紹介。
まずは一つ目、血管の構造を模した、ワイン用の瓶(デカンタ)です。
「血管の構造」を模倣した、ちょっとデザインが奇妙な手吹きガラスのデカンタ。https://t.co/YszqSdP96T
ハロウィーンの季節に『血のように赤いワイン』を注ぐにはぴったり。 pic.twitter.com/PJAV7L1dIM
— orangeflower08 (@orangeflower08) October 6, 2016
これ、すごいアイデアですよね。
実際に、1つ25~30万円ぐらいで販売しています。
このクリエイターさんは、おそらく「ガラスを加工する」という技能を持っていたんでしょう。
でも、ガラス加工程度なら、そういう職人はいっぱいいるわけです。
そこで、自分が好きな「ホラーな血管の構造」というテーマを入れて、そこに集中するわけです。
普通、「こんなの誰も買わないよ!」とか思いますよね。
でも、そこで「ワインを入れるとそれっぽくなる」とか、世界観を仕上げていくと。
すると、「不気味だ! でもホラーでいい!」となって、欲しくなっちゃうんですよね。
そして、「普通のガラス加工職人」から、「血管の構造で有名な、あのガラス加工職人」になると。
「食べ物で、仲のいい夫婦やカップル」というフェルト作品
二つ目をご紹介。
Egg Love and Other Felted Food Friends by Hanna Dovhan pic.twitter.com/eHfv88qheQ
— leo2hurlevent (@leo2hurlevent29) October 6, 2016
元ネタ:Egg Love and Other Felted Food Friends by Hanna Dovhan(COLOSSEAL)
フェルトで作ったキャラクターなんですが、可愛いですよね。
これも、全キャラセットで2万6千円ぐらいで売っています。
このクリエイターさんも、おそらく手芸品を作るのが好きだったんだと思うんですよ。
でも、フェルトで手芸品を作る人って、多くいるものですよね。
そこで、「食べ物で、仲のいい夫婦やカップル」というテーマを用いて、そこに集中するわけです。
そしてそこで世界観をしっかりと仕上げると、こんな風にかわいらしいものができてしまうと。
バナナ夫婦が抱き合っている作品なんて、すっごくいいですよね。
すると、「普通の手芸が趣味の人」から、「食べ物で仲のいい夫婦キャラを作る、あのクラフターさん」になるわけです。
テーマを決める方が、売れるようになる
多くの人が、「テーマを決めると売れなくなる」と思っているんですよ。
でも実際は、テーマを決めるほど売れるようになるんですよね。
だいたい、「何でもします。だから雇ってください」、「何でも屋です。何でも問い合わせてください」という人や商売ほど、売れないものです。
私たちだって、水道が壊れたら水道屋に頼みますし、コーヒーを味わいたければちゃんとしたカフェに行きますよね。
そんな風に、いろんなジャンルで「安く早くハイクオリティでしてくれる専門家」がいるのに、わざわざ「高額で遅くてロークオリティな、何でもする人」に頼む必要はありません。
売る側に立つと、急に「自分のクオリティ」が見えなくなる
でも、現実では多くの人がそうしているんですよ。
買う側に立ってみればすぐに分かるんですが、売る側に立つと、これが一気に見えなくなるんですよね。
作家でも、「売れたい。なら、もっと一般ウケするライトなノリにしよう」とか、「万人向けな絵柄やストーリーにしよう」とか思う人は、多くいますよね。
そうやって、多くの人が「高額で遅くてロークオリティな、何でもしようとする人」になってしまい、落ちぶれていくわけです。
これ、自分では「その方が売れる」と思い込むんですよね。
その根底には、「多くの人に貢献できるものなら、多く売れる」という、大量生産大量消費時代の考え方があるからじゃないかと思うんですが。
でも現実では、ロークオリティな人は見向きもされません。
「何でもします、だから私を使ってください」と頭を下げて、専門外のことをしても、当然専門家ほどクオリティを出せるわけでもありません。
そして相手から失望されて、契約を切られて捨てられて、落ち込んだり絶望するのがオチです。
小さな領域を狙うことで、簡単に圧倒的なクオリティを実現できる
今の時代、お金を得るには、圧倒的なクオリティが必要です。
平凡なクオリティでは、見向きもされません。
そして、「何でも」という広大なジャンルで圧倒的になることなんて、まず不可能です。
まあ、既にワンポイントを極めた人であれば、その要素を薄めて万人向けにするのはアリでしょう。
でも、何も極めていない人がその要素を薄めて万人向けにしたところで、何もできません。
そんな状態でも、実はちょっとの工夫や研究で、簡単に圧倒的なクオリティを出すことができます。
それが、誰もやっていないような、ごくごく小さいことを狙うことですね。
以前紹介したペンギンのイラストを描く絵描きさんだって、「ペンギンのほのぼの系イラスト」という狭いジャンルだからこそ、しっかりとした世界観を作れて目立つことができたんだと。
タヌキとキツネだって、タヌキとキツネという狭い領域で世界観を仕上げているわけです。
上記のガラス加工職人さんでも、手芸屋さんでも、テーマを絞って世界観を確立するからこそ、目立てるんだということです。
まとめ
そんな感じで、「高額で遅くてロークオリティな、何でもしようとする人」の罠にはまらないことですね。
特にまだ何のジャンルでも地位を極めていない人は、万人向けにするのはやめておいた方がいいでしょう。
まあ、誰でも最初はそういうメジャー向けに挑戦してみるものなので、最初の数回はそれでもいいでしょう。
でも、それでもうまくいかない状態で、さらに「万人向け」を目指す場合、その誘惑は絶望への一里塚です。
まずは、何かテーマを決めて、そこで世界観を仕上げるといいかと思います。
当然最初から「このテーマが当たる」とは分からないので、いくつか小さなものをリリースしてみて、反響があったものに集中するといいでしょう。
すると、方向性が定まって、自信を持って進めるんじゃないかと思います。
ということで、今日は「やっていることにテーマを決めると、圧倒的なものにしやすい」、というお話をしてみました。
今日はここまで~。