今日は、クリエイティブなお話です。

「面倒な部分はばっさりカットでいい」、というお話です。

 

「ボロボロになったオッサン」って、いいですよね

いやもう、タイトルが全てを物語ってるんですが、一応聞いてください(笑

ってことで、今日も面白いツイートを一つ、ご紹介。

 

こういう「オッサンが力のない幼女を、ボロボロになるまで守る」みたいなシチュエーション、いいですよね。

で、オッサンが立ち上がれなくなると、無力な幼女が、精一杯の勇気を出して、オッサンでもかなわないような敵に対峙する、みたいな。

これ、主従関係でもよさそう!(幼女=主、オッサン=従で)

とりあえず、従者側はボロボロになってくれと(笑

 

「作りたい部分にたどり着くまでが面倒」という問題

で、こういうシチュエーションを物語にしたい場合って、導入を考えるとすっごい面倒じゃないですか。

このシチュエーションにたどり着くまでに、「どこかの王国があって、二人はこういう風に出会って、仲良くなって、だけど敵が王国を襲って、二人はこうやって逃亡生活を初めて、だけど追い詰められて……」とかあるわけです。

それを全部説明しなきゃいけません。

 

さらに、このシチュエーションの後にも、何らかの解決策が必要になるわけです。

「仲間が助けに来る場合、この二人に恩を売ってもらった仲間とのエピソードを作らなきゃ」みたいな前振りも必要になりますよね。

 

すると、いつまで経っても「一番描きたい部分」に着手できなくなるわけです。

だから、導入を考えただけでモチベーションが落ちて、「こういうシチュエーションを描きたいのに、私は物語が作れない」となると。

実際にそういう流れで導入を作ったとしても、だらだらとした説明になって、だれがちで。

 

面倒な部分はばっさりカットでいい

こういう場合、もう面倒な部分はばっさりカットでいいかと思います。

はっきり言って、導入なんて必要ありません。

この漫画を描く場合、最初の一コマ目から、オッサンがボロボロになって追い詰められている状況でいいんですよ。

で、もし必要になったら、その場で最大3行、できれば1行で説明すればいいと。

なら、後は読み手側が勝手に脳内補完してくれます。

 

すると、次のように構成できるでしょう。

  • 冒頭で、オッサンがボロボロになるまで幼女を守りつつも、追い詰められてゆく。(この状況になるまでの経緯をばっさりカット)
  • (これはなくてもOK)必要であれば、最大3行でここまでの経緯を説明する。敵「どうしてそこまでそのガキをかばう!」、オッサン「それが従者の役目だからだ」、敵「そこまで忠誠を誓っているなら、死ね!」程度で。
  • オッサンが倒れる。そして無力な幼女が剣を取り、オッサンを守るために、震えながらも強大な敵と向き合う。
  • 幼女が敵に殺されそうになった瞬間、仲間らしき人物が助けに入る。
  • 仲間が登場。仲間「これでいつかの借りが返せるな。なに、覚えていない? ならそれでいい、忘れたままでいろ」と、仲間に助けられる。(仲間との経緯をばっさりカット)
  • (仲間が敵を倒す部分もばっさりカット)
  • オッサンが目を覚ますと、そのベッドの隣には夜通し看病して、疲れて眠っている幼女がいる。そしてオッサンは仲間(もしくは周囲の人)から、自分が気を失った後のことを聞く。
  • で、幼女が目を覚まして、オッサンが気がついたことに涙を流して喜んで、抱きつく。そして二人はより絆を結んで、エンディング。

 

ばっさりカットする方が、独自性を出せる

ばっさりカットでも、ちゃんと一つの流れになってるでしょ(笑

もう「お約束の面白い場面だけを、凝縮してお届け!」みたいな(笑

事情説明とか、経緯の説明なんかなくても、大丈夫なんですよ。

 

むしろ、こういう「面倒な部分はばっさりカット」方式の方が、オリジナリティあふれる、魅力的なものができると分かります。

というのも、こういう形だと、自分なりのスタイルになるからですね。

大好きなことは、そのピンポイントに特化する方がいいと。

そのために、どんどん「ばっさりカット」をするわけです。

 

まとめ

そんな風に、「ばっさりカット」方式は、自分なりのポジショニングを作るには、とても役立つものです。

「この部分だけで、一つの形として仕上げる」というアプローチですね。

 

これは漫画作りだけでなく、どんな商品でも同じです。

「こういう部分が魅力的なのに、その部分を売るには、全体を作らなきゃいけない。全体を作るのが面倒だなぁ」ってことがあるかと思います。

その「全体」を作る必要はありませんよと。

むしろ、ばっさりカットすると、自分独自のポジションが見えてくるわけですね。

 

すると、嫌なことをしなくてすみますし、モチベーションも高く、楽しく一つの形に仕上げられて、しかも独自のニッチなポジショニングが得られると。

こういう発想もいいかと思います。

 

ということで、今日は「面倒な部分はばっさりカットでいい」、というお話をしてみました。

今日はここまで~。

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