今日は、ビジネスのお話です。
数日前にキャッシュポイント(自分がやっていることで、お金になる部分)の見抜き方についてお話ししました。
今日はそれを、もっと分かりやすいように、シンプルに説明してみましょう。
クリエイティビティーを発揮した領域を売りに出すことで、うまくいくようになる
「大好きなことでお金を稼ぎたい」とか、「好きなことで独立したい」とかありますよね。
でも、何を前面に出して売ればいいのか分からないことが多いものです。
で、「自分がやりたいことはこの辺かな?」と思ってやり始めても、だいたいそういう活動って、大手がいるものなんですよ。
ゲーム制作をしたかったとしても、大手ゲーム会社がありますし、アニメ作りをしたい場合はアニメ会社があり、漫画を描きたい場合は有名漫画家がすでにいると。
すると、競争になってしまって、勝てないわけです。
じゃあ、そこでどうやって競争から回避して、自分独自の分野を確立するのか。
それが、「クリエイティビティーを発揮した領域を売りに出す」ということです。
以前も触れましたが、私はアニメを作ったんですよ。
でも、アニメなんてテレビで山ほど無料放送されていますし、私みたいな小規模チームが作ったとしても売れないんですよ。
実際、アニメは大失敗しました。
一方で、私はそのアニメを作る際に、背景で「写真を絵のように見せる写真加工技術」を開発することで、コスト削減をしました。
すると、その写真加工技術を売り出すと、これがアニメよりもはるかに売れたわけです。
「アニメ制作」という大きなジャンルで勝てない場合、その「アニメ制作」という中で、私がクリエイティビティーを発揮した「写真加工技術」という分野に絞り込んだ、ということです。
すると、売れるようになったわけです。
もう一つ、以前も触れた例で、アメリカで旅行が大好きな人がいました。
普通なら、「自分がツアーガイドになって、旅行参加者を募集すれば、お金をもらって旅行ができるようになる」とか考えますよね。
でも、「旅行」という分野では、多くの旅行会社がそういう「ツアーガイド」というサービスを提供しています。
だから、旅行好きな人がツアーガイドを組んだところで、大手との競争に負けてしまうわけです。
そこでその人は、「いつも最安経路を検索している」というクリエイティビティーを発揮していることに着目しました。
あまりに頻繁に最安経路を検索するから、ネットで自動で検索してくれるプログラムを作ったわけです。
そしてそれをサービスとして公開すると、すっごい会員数が集まって、儲かったと。
これは、「旅行」という大きなジャンルで勝てない場合、その「旅行」という中で、その人がクリエイティビティーを発揮した「経路検索」という分野に絞り込んだ、ということです。
すると、売れるようになったと。
大きなジャンルから、クリエイティビティーを発揮した小さなジャンルに絞り込む
そんな風に、大きいジャンルから、小さなジャンルに絞り込みましょうと。
その小さなジャンルというのが、「自分がクリエイティビティーを発揮した(工夫した)分野」です。
「アニメ制作」の場合、その中で自分なりに工夫した「背景写真加工技術」にビジネスを絞り込むと。
「旅行」の場合、その中で自分なりに工夫をした「最安経路検索」にビジネスを絞り込むわけです。
他の例で言うと、「漫画」とか「ゲーム制作」の場合、自分なりに工夫をした領域があるものです。
それは、「プロット」かもしれませんし、「作り方」かもしれません。「背景用ブラシ」を作り込んでいたり、「表現方法」、「素材」、「コミスタ用アクション」などをアホほど追求しているかもしれません。
活動している分野が「電子書籍制作代行サービス」の場合、「コンバーター」かもしれませんし、「オリジナルのツールセット」かもしれません。
それらはその人にとっては大好きなことなので、他の人から見たら「どうしてそんなことを、そこまで追求できるの?」とあきれられるような内容になるでしょう。
私の場合、プロットの構造を追求するのが大好きでたまらないんですよ。
先に触れた旅行が好きな人は、最安経路を探すこと自体が好きでたまらなかったことでしょう。
そのクリエイティビティーを発揮したコアだけで勝負をする、ということですね。
その工夫をした部分でのみ戦う、ということです。
これが戦略であり、差別化であり、キャッシュポイントを作る、ということになります。
工夫をしていない領域では、できるだけ戦わない
逆を言うと、「工夫をしていない領域では、できるだけ戦わない」、ということです。
そこは体力勝負になるので、必ず大手が勝ちます。
だから、体力勝負の領域を減らせば減らすほど、クリエイティブな領域での勝負になって、アイデア一つで勝てるようになる、ということです。
しんどいことをしなくても、楽にお金が入ってくるわけですね。
で、本当に好きなことであれば、必ず何らかの点で、他の人がしていないような工夫をしているものです。
自分の特性に合うように、自分が楽しめたり便利になるように、いろんな工夫を重ねているものです。
多くの場合、それは「こんなのあったって、自分にしか使えない」と感じるようなものになるでしょう。
写真加工技術だって、「普通のアニメ制作会社は、背景絵師を雇うよ」とか、「同人は素材が多くあるから、誰も使わないよ」とか思うことでしょう。
旅行の最安経路だって、「普通の人は、安全な旅行会社を利用するよ」とか、「本当に安さを追求する人は、これぐらい知っているよ」とか思うことでしょう。
でも私の場合、写真加工技術は写真家だとか、背景コストを抑えたいゲーム制作会社に売れたわけです。
旅行の最安経路検索システムは、「普通の人でも、手間をかけずに、でも旅行会社を使わずに安さを追求したい人の層」に売れたと。
「こういうのを欲しているのは、自分しかいないよ」とか思っていたとしても、実はちゃんと、そういう顧客層があるんですよね。
これはある意味、「製品として売る」から、「モジュールとして売る」という方向に価値転換をする、とも言えるでしょう。
アニメ制作の場合、アニメを作るには「脚本」、「原画」、「動画」、「背景」、「撮影」、「音楽」、「収録」、「編集」みたいに、様々な工程があるでしょう。
その中の「背景」のみ、もしくは「背景作業の導入部分」という狭い領域に絞り込んだ、ということです。
旅行の場合、旅行をするには「候補地選定」、「経路検索」、「予約」、「荷物の準備」、「移動」、「観光」、「ガイド」、「食事」、「宿での生活」、「帰宅」みたいに、いろんな行程があるものです。
その中で、「経路検索」のみ、もしくは「経路検索の、高額な移動手段のみ」という狭い領域に、自分が戦う分野を狭めた、ということです。
すなわち、「大きな領域」から、より小さなモジュールに重点を移したと。
すると、自然と競争力が高まって、ニッチでオリジナルなものになります。
世界で自分のところでしか売っていないので、欲しい人は必ず自分のところで買ってくれるようになります。
そうやって、「競争のない領域」を作り出す、ということですね。
まとめ
だから、ビジネスを楽に作って、お金を稼ぎたい場合、体力勝負の領域をできる限りなくすといいでしょう。
すると、自然と自分がクリエイティビティーを発揮した領域だけが残ります。
それを前面に出して、勝負をする、ということですね。
大きなジャンルを捨てて、部品(モジュール)を売るようにすると。
そういう発想ができれば、自然と競争力が上がって、組織も小さくできて、管理も楽になって、それなのに利益率は上がる、という嬉しい状態になれます。
クリエイティビティーを中心に考えることで、キャッシュポイントが見えてくる、ということですね。
ってことで、今日はキャッシュポイントの見つけ方を、ざっくり説明してみました。
今日はここまで~。